英語の古語をゲームで学ぼう! Final Fantasy Tactics: The Wars of the Lions / 獅子戦争

私のブログで何度も「英語の古語」について質問をいただいています。

 

私は英語塾の先生ですが、英文学の専門家ではありません。

 

 

英文学はちょっとだけ大学の時に授業でやりましたが、話になりません。

 

 

・English Literature(イギリス文学)

 

・American Literature(アメリカ文学)

 

 

私がいたアメリカの大学だと、主にこの2つが基礎コースにありましたが、なんとしてでも、イギリス文学よりも時代が新しいアメリカ文学のクラスを埋まってしまう前に取ろうと必死でした。

 

ただでさえ英語で苦しんでいるのに「あるじなしとて春な忘れそ」とか「つはものどもが夢のあと」みたいな英語を読まされるかと思うと、血の気が引きます。

 

 

古い英語に対しては「三十六計逃げるに如かず」を信条にしていたものの、ひょんなことから古英語に出会うことになります。

 

 

 

Doth thou desire the power?

 

留学時代にアメリカ人の友人がゲームをやっていたので、眺めているとこんなセリフがでてきました。

 

 

"Doth thou desire the power?"

 

 

この文の意味はお判りでしょうか?

 

 

これは Xenogears(ゼノギアス)というゲームにでてくるグラーフというキャラが問うセリフです。

 

 

私は日本にいたときに、同じゲームをやっていました。

 

なのですぐに意味は分かりました。

 

 

「うぬは、力が欲しくないか?」

 

 

その呼びかけに答えた弱キャラの敵をグラーフは一気に強化します。

 

またグラーフ当人も圧倒的に強く、ゼノギアスをプレーした人なら印象に残っていることでしょう。

 

 

そこへ加えて英語版グラーフは、私にとって日本語版よりもさらに強く印象に残っています。

 

 

「Doth thou ってなんやねん!?」

 

「もしかして『うぬ』の代名詞ってあるんか?」

 

 

この doth thou の衝撃は、今でも鮮明に覚えています。 

 

  

  

ゲイボルグ!アイコーラポンディ!

 

その次は、ラストレムナント(Last Remnant)です。

 

 

このゲームにもまた古語が原因で苦しめられました。

 

 

中世ヨーロッパの世界観で、メインの登場人物たちにもブリティッシュアクセントで声があてられています。

 

主人公のパートナーと呼べる David は完全なエエとこの育ちっぽいイギリス発音です。

 

 

三国無双はキャラによってクセはあるのですが、なんだかんだでみんなアメリカンアクセントなんです。 

 

アメリカ発音に慣れている私にとって David のブリティッシュアクセントは、なんとも違和感があります。(世界的に見ると最強のモテ要素の一つでもあるんですが・・・)

 

 

"Gae Bolg, I call upon thee!"

 

 

これは Gae Bolg(ゲイボルグ)という武器を David が発動するときのセリフです。

  

 

戦闘中のセリフなので字幕はでません! 

 

 

それに加え thee なんて、そもそもはっきり発音する音ではありません!

 

まして、日常会話で出てくる単語でもありません!

 

 

I call ******* が最初はなんのことかわからず、非常にストレスがたまりました。

 

 

カタカナだと「アイコーラポンディ」にしか聞こえません・・・。

 

 

(この動画だと 2:57 から)

 

 

当時、ゲーム本編そっちのけで調べまくってやっとこさ目的格の you を古語で thee というところまで突き止めました。

 

 

僕は日本語ネイティブなので、英語のリスニングは本当に苦労しています。

 

 

こうなってくると、もはや英語でゲームをやるにもある程度、古語の知識が必要だと痛感させれました。

 

さもないと中世ファンタジーなど到底、歯が立ちません!

 

 

 

学校で習う英語では瞬殺されるゲームがある

 

そんな感じでブリティッシュアクセントや古語に時折、苦しめられながらも、英語でゲームをやっておりました。

 

 

しかし、止めを刺すのようなゲームに出会います。

 

 

 

それが「ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争(Final Fantasy Tactics: The Wars of the Lions)」です。

 

 

 

このゲームは子供のころに日本語でやっていた、いまでも一番好きなゲームです。

 

そのリメイク版がでていたので、せっかくなので英語でやってみることにしました。

 

 

もともと中世ヨーロッパの世界観ではあるのですが、実際にやってみると「英語が読めない」んです!

 

 

そこら中に聖書かと思うような文章ばかりでてきます。 

 

単語も文構造も、受験英語や英検でみるものとは次元が違います

 

 

 

では論より証拠!

 

実際に、どのようなものかといいますと・・・

 

 

 

単語も、倒置も、省略も、すべてキビシイ

 

ストーリーの冒頭からこんな文章がでてきます。 

 

 

"Ovelia: O Father, abandon not Your wayward children of Ivalice, but deliver us from our sins, that we might know salvation."

 

『オヴェリア「…我ら罪深きイヴァリースの子らが神々の御力により救われんことを。』

 

 

[ O Father ]

 

意味は「おお、父(なる主)よ」です。

 

日本語は「神々」ですが、欧米圏は一神教なので、こう言った表現のほうが自然に見えるのだと思います。

 

 

 

[ Your ~]

 

英語では God は常に G を大文字にします。ここでは Father がそれに相当します。

 

だから「あなた」と呼びかける代名詞をつかっても、文の途中でも Your になります。

 

実際にはゲーム中に登場する信仰は一神教として扱われてはいませんが、英語圏ではキリスト教っぽい感じのほうが自然なのでしょう。

 

 

 

[ abandon not ] 

 

これは do not abandon という意味です。

 

昔の英語は語順の制約がユルい傾向があります。

 

聖書とかもそうですが "Know you not? " とか平気で出てきます。もちろん意味は "Don't you know?" です。

 

ゲーム中のスクリプトを見るに SVO の語順など無きが如くといって差し支えないでしょう。

 

 

 

[ deliver ]

 

ここでは「届ける」ではなく「救う」という意味です。

 

 

 

[ , that we might know ] 

 

受験英語でもよく出る so that S may/might do の形で「~できますように」という文です。

 

この文は (so) が省略される形になっています。 Weblio英語辞書 でいうと「接続詞2の B」の箇所になります。

 

 

 

いかがでしょうか?

 

 

ゲームにはキリスト教は登場しませんが、Ovelia の祈りの表現が全体的に「主の祈り Lord's Prayer」に似た形になっています。

 

(参考:Lord's Prayer - Wikipedia

 

  

 

聖書の表現は時代によっていろんなバージョンがあります。

 

ゲーム中のものは現代語ではないバージョンと似た表現が使われています。

 

 

こうしてみると、ただ読んでいくだけにしてもかなりエネルギーがいります。

 

 

 

ちなみに冒頭で紹介した thouthee は聖書ではよく出る表現です。

 

こういった代名詞を「十戒」「主の祈り」を使いながら解説しているブログもありますので、詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。

 

学校は教えない代名詞 thou thy thee thine(英語うんちく No.004)

 

 

 

Final Fantasy Tactics で古語を学ぶ

 

さて、それでは本格的に本文に入っていきます。

 

メインのストーリーをすべて読んで、気づいたところを抜き出しています。

 

 

オリジナル版とリメイク版では英語表記から会話文まで一新されています。

 

正直、オリジナル版の英語は「直訳感(ムリヤリ感)」が強かったんですが、リメイク版では「中世感」の出た(出し過ぎた?)英語になっています。

 

 

スクリプトは以下のサイトより、引用させていただいております。

 

 

(英文)Final Fantasy Tactics: The War of the Lions – Game Script

 

*ちょこちょこスペルミスがありますが、すぐに把握可能なものばかりなので、大丈夫だと思います。

 

 

(和文)http://park3.wakwak.com/~pierrot/fft/

 

*こちらは「リメイク(PSP or スマホ)」ではなく「オリジナル版(PS)」のスクリプトです。リメイクの英語版スクリプトと対応していないところもあるのでご注意願います。

 

 

参考までに前半と後半のあわせて20時間ほどのプレイ動画を張り付けておきます。

 

 

実際にリストを作ってみると、解説する量がとんでもなく多いので、各章ごとに分けていきます。

 

 

・Prologue

 

・Chapter 1 - The Meager / 持たざる者

 

・Chapter 2 - The Manipulative and the Subservient / 利用する者される者

 

・Chapter 3 - The Valiant / 偽らざる者

 

・Chapter 4 - In the Name of Love / 愛にすべてを

 

 

 

ここで、おことわりがあります。

 

 

私は英文学者でも古英語の専門家でも何でもありません。

 

古英語といっても体系化された文法が設定されているわけでありません。

 

言語ですから、時代によって常に変化し続けています。

 

このブログの内容に関して、言語学的に見れば不適切なものもあるかと思います。

 

 

しかし「中世のヨーロッパをイメージしたゲームで使われている」ということは「(プレイヤーからみて)古英語っぽい雰囲気を持っている」ということです。

 

 

実際にはどうであれ「古英語っぽい」ってことです。

 

 

加えて「この程度のゲームの文章であれば、英語ネイティブは中学生でも(おそらくそれなりに)理解できる」という点も重要です。

 

 

紹介したゲームはオリジナルはすべて日本語で作られたゲームです。

 

 

それが英語に翻訳される段階で、日本の英語教育では全く触れられない内容を含んでいます。

 

 

こういった古語は意味が重要なのではありません。

 

古語が醸し出すトーンや世界観が大切なんです。

 

 

日本語も全く同じです。

 

 

「おいどんは西郷吉之助でごわす。」

 

「拙者は徳田新之助。」

 

「オラ、野原しんのすけ。」

 

 

日本語ネイティブならトーンの違いがわかりますよね?

 

 

英語も同じです。

 

言葉のもつ雰囲気は和訳中心の英語指導では絶対に感じることはできません

 

 

以上の視点から、「いわゆる古英語(と思しき英語)」に限らず、あえてゲーム中に出てくる見慣れない表現を解説してまいります。

 

 

それゆえ、実際に知見のある方からの訂正・追記など、忌憚なくご意見給われれば幸いです。

 

 

では、実際に見ていきましょう。

 

 

 

Prologue

 

[ rent ]

 

"It was a bitter war of succession that rent the land of Ivalice in two." 

 

『イヴァリースを二分して争われた後継者戦争は・・・』

 

 

「引き裂く、引きちぎる」という意味の動詞で活用は rend-rent-rent です。

 

ゲーム中では装備品が破壊されると「Rent」と表示されます。(日本語は「ブレイク」そして英語オリジナル版は「Broken」 )

 

装備が無くなったこともさりながら英語表記に最初、面食らってしまいました・・・。

 

 

 

[ hithertofore ]

 

"Here we first find mention of Delita Heiral, a hithertofore unknown young man, the hero who would draw the curtain of this dark act of our history."

 

『・・・一人の無名の若者、ディリータという名の若き英雄の登場によって幕を閉じたとされている…』

 

 

副詞で「今までは、今までのところは」という意味です。

 

古語というわけではないようですが、あまり見ない表現だと思うので載せておきます。

 

こういった条件などを付加する表現には therein や whereas また insomuch as そして nevertheless など、連結した形が多いのも特徴です。ドイツ語やん!

 

 

 

[ Majesty / Highness ]

 

"Ovelia: I'll not be much longer, Agrias."

 

"Agrias: Your escort has already arrived, Majesty."

 

"Elder: Please, heed the good lady's words, Highness. You must hurry."

 

『オヴェリアと呼ばれた娘「もう少し待って、アグリアス…。』

 

『アグリアスと呼ばれた女騎士「すでに護衛隊が到着しているのです。』

 

『神父「姫様、アグリアス殿を困らせてはなりませぬ。さ、お急ぎを…。』

 

 

古語ではありませんが、王侯貴族に対する敬称なので紹介します。

 

MajestyKingQueen の敬称のようです。

 

そして Prince と Princess の敬称が Highness になります。

 

つまり、王女オヴェリアに対するアグリアスの呼びかけの Majesty は間違っているようです。

 

そういえば水滸伝にも敬称の間違いで、手紙の偽造がばれるエピソードがありました。まあ「敬語」はどこでも難しいんでしょうね。

 

水滸伝・108人の英雄のあだ名の意味と英語訳(英語うんちく No.023) 

 

 

 

[ ser ]

 

"Agrias: Gaffgarion, you forget yourself, ser!"

 

『騎士アグリアス「なんだと、無礼な口を!』

 

 

これはなんと Weblio辞書 はおろか Oxford Dictionary にも載っていないという単語!

 

ですが、そこはさすが Wiktionary には載っていました。

 

 

"(in some fantasy novels) An address or courtesy title to any person, especially if their gender and/or form of address are unknown."

 

 

ファンタジー小説などはいろんな生物とか種族とかが登場するので、なんと呼べばよいか不明な場合に使うもののようです。

 

つまり性別を気にせず sirmadam (ma'am) ように使える敬称ということです。

 

便利な単語があるもんですね!そのうち正式な英語になるやもしれません。

 

 

ちなみに LGBT に配慮した3人称単数は "they are" になりそうです。(いろいろ議論はあるようなので、いまのところの参考情報でお願いします。)

 

LGBT のために he と she 以外の代名詞が必要なのはわかります!

 

しかし理由は何であれ「they are を単数で使うのは勘弁してくれよ!」と思うのは、私だけでしょうか・・・。

 

 

 

[ mayhap ]

 

"Gaffgarion: Mayhap bowed heads would less offend."

 

『ガフガリオンと呼ばれた剣士「これでいいかい、アグリアスさんよ。』

 

 

これは perhapsmaybe のように使います。

 

この文だと「まあ、おそらく・・・頭を下げとったら文句もすこしはおさまるやろ」という感じです。

 

 

 

[ knave ]

 

"Agrias: I see even the noble Order of the Northern Sky cannot rid itself of vulgar knaves."

 

『騎士アグリアス「誇り高き北天騎士団にも貴公のように無礼ながいるのだな。』

 

 

古語で「不良、ならず者」という意味です。

 

ちなみに、この vulgar は「無礼な」という訳ですが、言語学用語だと「(一般民衆・平民による)口語表現」という意味で使います。

 

例としては「vulgar Latin(俗ラテン語、口語ラテン語)」などがあります。 文書で残っている言葉とは別の会話表現という意味です。

 

 

 

[ sodden ]

 

"Gaffgarion: A guard captain in these rain-sodden hinterlands ought not expect chivalry."

 

『剣士ガフガリオン「辺境の護衛隊長殿には十分すぎるほど紳士的なつもりだがね…。』

 

 

これは「煮え立つ、渦巻く」という意味の動詞 seethe の過去分詞で、古語で、古い活用形です。

 

seethe - sodden - sodden (現代 seethe - seethed -seethed)

 

ゲーム中では雨が降っているので「雨でびしょびしょになった辺境の地」という意味です。

 

 

ちなみに ought ですが、 ought to になっていません。

 

調べた結果、疑問文や否定文では ought だけで使う用法があるようですが、古い用法かどうかはわかりませんでした・・・。

 

ただゲーム内のスクリプトは「ought + 動詞の原形」になったものが過半数です。書き間違いではないのでご心配なく。

 

実は ought も、動詞 owe の古い活用owe - ought - ought です。今では「助動詞相当句」として扱われています。

 

 

 

[ 'Tis ]

 

"Dilita: Forgive me. 'Tis your birth and faith that wrong you, not I."

 

『ディリータ「悪いな…。恨むなら自分か神様にしてくれ。』

 

 

"it is" の短縮形文語表現です。

 

全体としては「不当に扱う」を意味する動詞 wrong を使って強調構文になっています。

 

Not I になっているのも  I wrong you を強調構文にした場合、It is not I that wrong you. となるからです。 

 

 

 

Chapter 1 - The Meager

 

[ anon ]

 

"Zalbaag: We will be able to recall our forces in Zeltennia anon."

 

『聖騎士ザルバッグ「鴎国軍がゼルテニアから撤退するのも時間の問題でしょう。』

 

 

まもなく、そのうち、もうすぐ」を意味する古語です。

 

  

 

[ to + whom ]

 

"Argath: The very same. And to whom do I owe my gratitude?"

 

『剣士アルガス「ああ、そうだ。おまえらは……?』

 

 

これ自体は古語というわけではありませんが、現代の英語では気にならないルールが少しあります。

 

 

・前置詞を文末に置くのはダメ!

 

・目的格 whom が使えるときに主格 who は使わない!

 

 

この2つは普段の英語では気にしなくても構いません。(もちろん気にする人もいますが・・・)

 

つまり "Who do I owe my gratitude to?" でも今の時代ではあまり気にしなくなってきているってことです。

 

 

この時点でアルガスは主人公たちに救出されているので「誰に対して感謝すればええんかな?」 と英語スクリプトでは返答しています。

 

 

 

[ truth be told ]

 

"Argath: Well, truth be told, I am a knight apprentice...as are you, if I'm not far mistaken."

 

『剣士アルガス「…いや、騎士見習いさ。なんだよ、おまえらだって一緒じゃねぇか。』

 

 

これは subjunctive といって「仮定法」や「叙想法」と呼ばれるものです。

 

具体的には (if) truth (should) be told が省略されている少しイディオム的な表現です。

 

意味は「(黙っとってもええけど、あえて)本当のことを言ってまうと・・・」ぐらいでしょうか。

 

 

学校で習う「仮定法」というのは「反事実の仮説」にどうも焦点が当たります。

 

ですが、あえて「推量」や「想像」など「断定しない/できない表現」にも subjunctive が多く使われます。

 

だからこそ「叙想法」という用語も存在するんです。

 

このあたりの日本の不用意な英文法用語の選定は誤解の原因になっていると思います。「助」動詞も、「過去」分詞も、未来「形」も然りですが・・・

 

 

それはさておき、アルガスのこの英語のセリフ、日本語と違ってすごくバカ丁寧に聞こえますけどね・・・まあ私、英語ネイティブじゃないんで勝手な感想ですけど。

 

 

 

[ should he be ]

 

"Argath: We must act quickly if he is to remain so. Should he be killed, I will lose everything..."

 

『剣士アルガス「早く手を打たないと侯爵様がやつらに殺されちまう! そうなったら、オレはいったい…。』

 

 

これも subjunctive です。 "If he should be killed" が「if の省略と倒置」になっています。

 

現代でも使う用法で「仮定法」の大学受験の文法問題にもあるので、知っている方も多いと思います。

 

 

 

[ save ]

 

"Delita: The Corpse Brigade would not take a man alive save there were value in keeping him so."

 

『剣士ディリータ「骸旅団だって、誘拐したからには何か狙いがあるはずだ。何かの要求があったかもな。』

 

 

接続詞の save で「~であることを除いて」となります。

 

文法上は、前置詞の save に 接続詞 that の組み合わせと考えることもできます。except と似ている使い方です

 

詳細は Weblio英語辞書 の save の「接続詞」の箇所に載っています。

 

save 以下は there were value ~ となっています。

 

これは subjunctive の副詞節になっていて「生かしたまま誘拐することに(よくわからないが何かしらの)価値がないのであれば」という推量を表します。 

 

 

 

[ her affairs ]

 

"Dycedarg: You are not a man of Gallione. Leave her affairs to those of us who are."

 

『ダイスダーグ卿「ここは貴公が暮らす土地ではない。ガリオンヌのことは我らに任せておくことだ。』

 

 

少し前までは自然の代名詞sheher など女性形で受けることがありました。どうも現在は it が主流のようです。

 

「母なる自然 mother nature」や「母なる地球 Mother Earth」はよくみる表現なので「自然の美しさ」を her beauty で受けるのは自然にはみえますが。

 

 

ちなみに女性形で受けますが、これはいまでも同じです。

 

なのでアメリカ海軍の航空母艦 George WashingtonAbraham Lincoln など男性名がついている艦船も she で受けます

 

なかなかに違和感があるので Wikipedia を読めば載っているはずなので興味のある方はどうぞ!(多少編集されても she や her はゼロにはならないと思います)

 

USS George Washington (CVN-73) - Wikipedia

 

USS Abraham Lincoln (CVN-72) - Wikipedia

 

 

一方で、日本の艦船の場合は、出雲、武蔵、加賀、大和、陸奥、長門とかなので「国」であり「船」なので she でキレイに収まりますね!

 

(大和や武蔵などは男性の名前ではありますが・・・信濃や美濃また甲斐、伊予あたりであれば女性っぽいでしょうか?? 日向は・・・読み方次第ですかね?)

 

 

 

[ lest ]

 

"Dycedarg: Let me remind you, Argath, lest you forget your place."

 

『ダイスダーグ卿「身分をわきまえぬか、アルガス殿!』

 

 

接続詞で「~しないように、~するといけないから」という意味で使います。

 

和訳をみればわかりますが lest は「実際にまだやっていない話」が続く接続詞です。

 

それゆえ、この接続詞 lest も subjunctive をつくり、 lest he (should) be のように使います。 

 

 

 

[ would that ]

 

"Zalbaag: Would that we could speak at greater leisure, but there are duties that require my attendance. Rogues do not catch themselves."

 

『聖騎士ザルバッグ「ゆっくり話していたいところだが、これから盗賊狩りなんだ。すまんな。』

 

 

仮定法や叙想法と訳される subjunctive の表現のひとつで「~であればいいのだけど(実際はできない)」という意味。

 

これ、 that の省略形もあるので要注意です。知らなきゃ絶対アウトのパターンです。

 

Weblio辞書の would(https://ejje.weblio.jp/content/Would)だと「動詞の would」として載っています。that 節を目的語でとるからでしょう。

 

 

 

[ naught but ] 

 

"Argath: Why wouldn't they? They're naught but common footpads!"

 

『剣士アルガス「ばかな! やつらはただのならず者だ!』 

 

 

naught は nothing の古語です。

 

ここでは "nothing but ~" で「~を除いてほかにない = まさにそのもの」となります。この場合の but前置詞

 

 

 

[ 'twas ]

 

"Delita: 'Twas I forced Ramza to go."

 

『剣士ディリータ「自分がラムザを無理矢理、誘いました。』

 

 

It was の短縮形で、文語表現。

 

全体としては It was I (that) forced Ramza to go の強調構文で that の省略になっています。

 

 

 

[ Your Grace ]

 

"Dycedarg: To coddle them is to do them disservice, Your Grace."

 

『ダイスダーグ卿「…甘やかされては他の者たちに対してけじめがつきませぬぞ、ラーグ閣下。』

 

 

One's Grace「公爵 duke」に対する尊称です。古語ではありませんが、普段あまり見ない表現なので、ご紹介します。

 

ここでは相手に呼び掛けているので Your Grace ですが、三人称のときは His Grace となります。

 

 

 

[ ere ]

 

"Dycedarg: Coordinated strikes are to be made on a number of their dens ere long. You will lead one of those assaults."

 

『ダイスダーグ卿「…骸旅団せん滅作戦も大詰めだ。おまえたちの参加を許そう。』

 

 

前置詞接続詞として「~の前に、~しないうちに」という意味の使います。

 

ここでは before long と同じように「まもなく、すぐに」という意味。

 

 

 

[ wrought ]

 

"Brigade Mage: We mustn't give in to despair! Not until the nobles answer for all they've wrought!"

 

『骸旅団白魔道士「そうですよ。やつら、貴族どもが我々に謝罪するまで続くんですッ!』

 

 

動詞 work の古い不規則変化の活用で work - wrought - wrought の形になります。

 

ここでの wrought(work の過去形)は「もたらした、引き起こした」という意味です。

 

英文は「彼らが我々に対して行ってきたことに責任を取るまで!」 の意味です。

 

 

 

[ would fain ]

 

"Milleuda: No god would fain forgive such sin, much less embrace it! All men are equal in the eyes of the gods!"

 

『剣士ミルウーダ「神がそのようなことを宣うものか!神の前では何人たりとも平等のはず!』

 

 

助動詞 would と合わせて使うことが多く、fain は副詞で「よろこんで gladly」の意味になります。

 

日本語の「そのようなことを宣うものか!」は、英語だと「そのような罪を許さないし、まして擁護するなど尚更ありえない!」となっています。 

 

 

 

[ slay - slew - slain ]

 

"Zalbaag: Five among our guard are slain, and Tietra taken."

 

『聖騎士ザルバッグ「5人程やられました…。ティータもさらわれてしまいました。』

 

 

ここでの slaykill の古語で「殺す」の意味ですが、それとは別に「大笑いさせる」という意味もあります。

 

「爆笑させる」という場合の活用は slay - slayed - slayed になるようです。

 

 

 

[ begone ]

 

"Ramza: Begone from my sight! And do not think to return!"

 

『剣士ラムザ「僕の前から消えろ! 二度と現れるなッ!!』

 

 

命令文などで動詞として使うことで「失せる(失せろ)、いなくなる(いなくなれ)」という意味になります。

 

普段、こんなアグレッシブな言い方をすることはないですが、ゲームをやっているとたくさん出てきます。 

 

 

 

[ aught ]

 

"Delita: I would save Tietra with these hands, if aught were in my power to do."

 

『剣士ディリータ「この手でティータを助けたいのに何もできやしない…。』

 

 

naught と同じように aughtanything の古語の形です。

 

"if aught were ~" なので subjunctive です。

 

英語は「(実際はないが)ティータを助ける力がもしあれば」 です。

 

 

 

[ whence ]

 

"Gragoroth: Back whence you came! Quick as shadows, or this one's blood makes crimson snow!"

 

『騎士ゴラグロス「さっさと、ここを立ち去るんだッ! この娘がどうなってもいいのかッ!』

 

 

"from + where" のような表現で「~の場所から」を意味します。

 

このセリフを文字通りとると「もといたところに帰れ!」です。 

 

 

 

[ wench ]

 

"Argath: Your lord brother's orders, Ramza. What else? Would you have had us kneel before them, and offer up the Order's honor in exchange for the life of some common wench?""

 

『剣士アルガス「ラムザ、おまえの兄キの命令だぜ。何故はないだろ?それに、たかが平民の小娘のためにおまえは騎士団の誇りを捨ててあいつらの要求を飲むというのか!?』

 

 

「若い女性」を意味する言葉で、Oxford Dictionary によると"ARCHAIC • HUMOROUS" と注記がありました。

 

ちょっと「小ばか」にしたいい方なのでしょうか?

 

 

英語セリフでは order(命令)Order(騎士団)が使われています。

 

「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」の原題が Harry Potter and the Order of the Phoenix なので「Order = 騎士団」も覚えておくとよいと思います。

 

多義語 order は「秩序」を軸にしたイメージを掴むことがポイントです。

 

 

 

Chapter 2 - The Manipulative and the Subservient

 

[ doth ]

 

"Knight: Hmph. No sooner speak the devil's name, than he doth appear."

 

『騎士らしき男「フン。噂をすればなんとやらか…。』

 

 

三人称単数現在 does の古語表現が doth になります。

 

この文章自体は「悪魔の話をすると悪魔が現れる」という意味で「噂をすれば影」と同じ意味の諺(ことわざ)です。

 

 

thou に対しては、二人称の dost をつかいますが、ゼノギアスのグラーフが doth thou といっていたように、どちらもあるようです。

 

ちなみに copula(英語では be動詞のこと)をつかう場合は thou art です。

 

 

 

[ have you any idea ]

 

"Agrias: Have you any idea what you do?"

 

『騎士アグリアス「自分が何をしようとしているのか 貴様はわかっているのかッ!?

 

 

今回は古語というわけではありません。

 

実は、動詞の have を文頭に持ってくるのは現代の英語でも使います。

 

"Have you no shame?" (恥というものを知らんのか?)

 

これはおそらく堅くは聞こえるはずですが、間違いにはなりません。

 

 

 

[ pray ]

 

"Mustadio: Pray understand - I cannot tell you. Not yet."

 

『機工士ムスタディオ「すまない…。今はまだ話すことができないんだ…。』

 

 

副詞として扱われ Pray を命令文で使うことで「丁寧な依頼」にすることができます。

 

基本の使い方として pray は「祈る」を意味する動詞です。

 

また prayer は「祈り、祈りをささげる行為」を意味し、「祈る人」ではないので注意してください!

 

 

ちなみにカマキリのことを praying mantis といいます。「信者が両手を合わせて祈る姿」を連想させるのでしょう。

 

日本語は「鎌切」ですから、私はずっと preying mantis(獲物を捕らえる~)だと勘違いしていました。

 

タカやハヤブサなど「猛禽類」は英語で "birds of prey" というのでカマキリも同じく「獰猛」な印象でしたので。

 

とはいえ最近は、天性の才能を持つある熱血先生の影響でカマキリは「日本の子供たちの憧れの存在」にもなりつつあるようです。

 

信仰や文化が、価値観や言語に影響を与えるのは古今の通例ですね。

 

 

 

[ befall ]

 

"Delacroix: We will expose Duke Larg's misdeeds, and ensure that no harm befall you, Princess."

 

『ドラクロワ枢機卿「ラーグ公の不正を暴き、オヴェリア様の命が狙われることのないよう手を打ちましょうぞ。』

 

 

~に降りかかる」という意味の動詞で文語表現。

 

ちなみに Delacroix のスペルですが、世界観を共有している Final Fantasy 12 だと Draklor になっています。

 

Delacroix はフランスの名前なので、発音が「デゥレクワ」に聞こえます。

 

 

 

[ Your Eminence ]

 

"Mustadio: Thank you, Your Eminence."

 

『機工士ムスタディオ「ありがとうございます、猊下。』

 

 

"Your/His Eminence" は枢機卿に対する敬称です。

 

 

「枢機卿」は英語で Cardinal といい、ローマ・カトリック教会だと教皇に次ぐ地位になります。

 

ドラクロワ枢機卿も悪者ですが、三銃士(Three Muskteers)にもリシュリュー枢機卿(Cardinal Richelieu)が悪者として登場します。

 

 

ちなみに日本語の「猊下 げいか」は「高い座の下(にこちらがいる)」という意味で、仏教のトップに対する敬称です。

 

こういった高僧の座るところを「獅子座」といったりします。(もちろん星座ではありません)

 

お釈迦さまは獅子にたとえられ、その獅子と同一視される中国の伝説の動物として「狻猊(さんげい)」がおり、この「」が由来です。「睨む(にらむ)」という字ではありません。

 

また、お釈迦様の教えのことを獅子が吠えたように力強く響くことから「獅子吼(ししく)」といったりします。

 

ちなみに天台宗の最高地位は「天台座主(てんだいざす)」と呼ばれます。

 

 

 

[ writ ]

 

"Gaffgarion: Blood is the price of progress! It is the ink in which history's pages are writ!"

 

『剣士ガフガリオン「“犠牲”を支払わない限り、人は前へ進まない!歴史を作ることはできないッ!』

 

 

動詞 write(書く)の古い過去分詞です。write - writ -writ 

 

ガフガリオンの英語セリフは「戦争で流れる血は時代が進むための代償だ!その血によって歴史ってのは書かれていくものなンだ!」ぐらいでしょうか。

 

 

 

[ whelp / aye ]

 

"Gaffgarion: You didn't know? Aye, this little whelp is a son of the great House Beoulve."

 

『剣士ガフガリオン「知らなかったのか、アグリアス。そうだ、その小僧の名はラムザ・ベオルブ。あのベオルブ家の一員さ。』

 

 

古語で「少年」「若い男性」を意味する言葉です。

 

Oxford Dictionary によると "often as a disparaging (軽蔑する) form of address" とのことなので「小僧」の適訳かもしれません。

 

 

ちなみに aye も yes の古語で、 nay は no の古語です。"aye aye, sir"aye です。

 

 

 

[ His Excellency ]

 

"Delita: His Excellency dispatched me to rescue the princess. And so I did, disguised as one of your own - a sheep in Lion's clothing. Now I have returned."

 

『騎士ディリータ「グリムス男爵の密命により王女を救出するために身分を偽り出兵。任務を果たし、帰還いたしました。』

 

 

会話の流れの関係から訳が対応していませんが、日本語だと「閣下」という意味で「主権国家の高官」の尊称として使います。

 

繰り返しになりますが、二人称の場合は Your Excellency になります。

 

 

 

Chapter 3 - The Valiant

 

[ forswear - forswore - forsworn ]

 

"Orlandeau: What see you in our plight that portends victory? Or have you forsworn the use of your eyes?"

 

『オルランドゥ伯「この状況のどこを見てそのように楽観的になれるのだ? 貴公の目は節穴ではないのか!』

 

 

文語表現で「誓ってやめる、偽誓する」という意味になります。

 

forget も同じですが、for- が接頭辞辞の場合に「禁止」「除外」「無視」などを意味する場合があります。

 

英文は「貴公は自分の目を使うことをわざわざ放棄したのか?」です。

 

 

 

[ Fortune be with you ]

 

"Ramza: I see. Fortune be with you, then."

 

『剣士ラムザ「そうか…。じゃ、気をつけて。』

 

 

古語というわけではないですが、イディオム的に使う祈願文というわけで載せておきます。

 

元々の形は May fortune be with you で (May) God bless America と同じです。

 

ちなみに「幸運の女神」という意味で fortune を使いますが、ローマ神話の女神フォルトゥナに由来します。

 

 

 

[ gird ]

 

"Wiegraf: Do not be deceived by his youth. He is a worthy foe. Gird yourselves well for battle!"

 

『神殿騎士ウィーグラフ「よいか、子供だと思ってなめてかかると痛い目にあうぞ! 用心してかかれッ!!』

 

 

「巻く、締める」という動詞で、gird oneself で「覚悟をする、準備する」という意味の文語表現。

 

これは不規則変化動詞で gird - girt - girt になります。

 

また「(帯などを)緩める」という意味で ungirt もありますが、こちらも同じく不規則変化で ungird - ungirt - ungirt になります。

 

 

 

[ ire ]

 

"The Stone: Your ire and despair, their call I heed. And so once more I ask: With me do treat."

 

『聖石「汝の絶望と悲憤が我を喚びだした…さあ、我と契約を結べ…』

 

 

文語表現で「強い怒り」です。語源はラテン語の ira になります。

 

 

with me do treat は強調の助動詞 do をつかって「Do treat with me」がより現代っぽい英語の語順です。

 

treat with で「取引する」となります。また treaty で「条約」を意味します。 

 

 

 

[ alas ]

 

"Belias: You hurry towards your end, alas too soon."

 

『魔人ベリアス「あわてるな……楽しみは後にとっておけ……!』

 

 

感嘆詞で「悲しみや哀れみ」を示す表現です。Oxford Dictionary には ARCHAIC•HUMOROUS と注記がありました。

 

ここの英訳は「それほどまでに死に急ぐか!哀れなことよ!」ぐらいでしょうか。

 

 

 

[ meet ]

 

"Ramza: For a man of his high station to so prey upon the weak - it is not meet."

 

『剣士ラムザ「…………。』

 

 

形容詞の meet古語「適切な、ふさわしい」という意味があります。

 

原文の日本語には対応するセリフがないので、勝手に和訳をすると・・・

 

『高い地位にいる人間がそうやって弱者を食い物にしていいわけがない。』

 

というような感じでしょうか。

 

 

 

[ oft ]

 

"Their leaders give them no more than that for which they clamor. It is history's oldest and most oft-repeated tale."

 

『神殿騎士ウィーグラフ「そうした民衆が望むものを執政者たちが用意する…。歴史などその繰り返しにすぎん。』

 

 

しばしば」という意味の古語often の語源。 

 

過去分詞と一体になり oft-repeated で「頻繁に繰り返された」となります。

 

 

 

[ I am come ]

 

"Belias: I am come."

 

『魔人ベリアス「待たせたな…。』

 

 

ご存じのように学校で習う範囲では "I have come." です。

 

しかし、実は「自動詞の完了形」は昔は「have + 過去分詞」ではなく、「be動詞 + 過去分詞」なんです。

 

現代の英語でも "He is gone." とか "I am done with you." のように、聖書などの堅い文章に限らず、実はけっこうあるので注意してください!

 

ドイツ語だと「sein 支配」の完了形ってやつです。

 

 

 

[ behold / fell ]

 

"Belias: The battle is now joined, Ramza Beoulve! Behold for true fell pow'r of the Dark!"

 

『魔人ベリアス「さあ、行くぞ、ラムザ! おまえに魔界の力を見せてやろうッ!』

 

 

動詞 behold は「よく見る、刮目する」という意味の古語、文語表現。

 

三国無双をやっていると begonebehold は相当な頻度で聞くことになる表現です。

 

 

ここの fell も文語表現で「邪悪な、凶悪な」を意味する形容詞です。

 

また fell には動詞もあり「(木などを)切り倒す」を意味します。

 

その場合の活用は fell - felled - felled です。

 

 

ベリアスのセリフで「the battle is now joined」とありますが、一騎打ちから、仲間を加えた連戦へと移るシーンで使われているので、和訳と対応はしていません。

 

 

 

Chapter 4 - In the Name of Love

 

[ would (that 省略) ]

 

"Orlandeau: when you know who your enemies are, but this...ha! Would my good name were our only casualty."

 

『オルランドゥ伯「味方が味方の監視をしながらでないと戦えんほどだ。わしの名も地に墜ちたものだな、はっはっはっ。』

 

 

仮定法の文語表現である would that SVthat の省略です。

 

that のあとが my good name were になっているので、subjunctive だと気づけますが、パッと見たら書き間違いに見えます。

 

 

英文の前半の意味は、会話の流れを受けて「(以前の戦争は外敵に対する防衛戦だったのに対し、今回は内戦なので)敵味方が明白な時でも(戦は大変なのに)、今回は・・・」となります。

 

後半の意味は「我が武名が傷つくだけであればよいのだが・・・(それだけでは済むまい)」 です。

 

 

 

[ His Holiness ]

 

"Templar: And now you will die! Not by any order of His Holiness. I do this for Isilud!"

 

『神殿騎士メリアドール「フューネラル教皇猊下の命令ではなく死んでいった弟のためにあなたを討つッ!!』

 

 

現実世界だと His/Your Holinessローマ教皇(Pope)の敬称になります。あとは Holy Father という場合もあります。

 

教皇は英語だと「Pope(Papa 父)」中国では「教宗」と呼ばれます。

 

 

ちなみに「教皇」は日本のカトリック教会が決めた用語で、メディアなどでも「法王」からの変更されることになりました。

 

ちなみに「法王」は「仏教のトップ」を表す言葉で、長い間「教皇」と「法王」の呼称はどちらがよいか割れていたようです。

 

ちなみに「天皇・上皇」が仏門に入り、出家すると呼ばれると「法皇」と呼ばれます。

 

 

私は「教皇」には以前から違和感があって、神道のトップである天「皇」上「皇」がいる日本国であえて、教「皇」を外せない理由ってあるんですかね?

  

東アジアって「皇」か「王」かでメンツの争いになって外交問題に影響したりもするんですよ、歴史的に。

 

そういうところからあえて無関係な漢字を使って「教宗」って選択肢は難しいでしょうか・・・?

 

中国の漢字の選び方には「千年の長」があるとおもいます。勿論、我々「東夷」の側からすると納得いかないものも多々ありますが・・・。

 

このあたりの事情、詳しい方がいればご教授ください。

 

 

 

[ so be it ]

 

"Delita: My choice is made. If it means I must slay each of you to the man, so be it!"

 

『騎士ディリータ「わかっている! だから、貴様たちを皆殺しにしようとしているんだよ!』

 

 

これは古い表現ですが、今でもイディオム的によく使われる表現です。

 

歴史的には howbeit とか sobeit(連結して一語) もあります。今でも比較的よく使われているのは albeit でしょうか。

 

"so be it" が現代で使われる意味は「(ことの是非は別として、そうなるならば)それでいい」という感じです。

 

 

おそらく、もともとの文構造は It (should) be so の倒置でしょう。 

 

まだ確定事実でもないし、可能性としてそれでもかまわない」と言っているだけなので、subjunctive の表現になります。

 

英文は「皆殺しにせねばらんというのであれば、そうするまで!」ぐらいの感じ。

 

 

ちなみに to the man はどう調べてもわかりませんでした。

 

そこでカナダ人の友達に尋ねたら「確かに文法はすこし変だよね。意味はたぶん to the (last) man だと思う」と教えてもらいました。

 

なるほど!「最後のひとりまで」ってことですか!さすが英語ネイティブ!

 

 

 

[ amidst ]

 

"Barich: Amidst the coming chaos, who could say how Duke Larg might meet his end?"

 

『神殿騎士バルク「毒による混乱のおかげでラーグ公を暗殺する方が簡単だろうな。』

 

 

前置詞 amid と同じで「~の最中に、~の真ん中に」という意味です。

 

ただ意味は同じでもニュアンスは文語調になります。

 

among も同様に amongst という表現があります。

 

 

 

[ apothecary ]

 

"Zalbaag: Excellency, are you harmed? Someone! Summon an apothecary at once!"

 

『聖将軍ザルバッグ「閣下、大丈夫ですか!!誰かッ! 薬師を呼べッ!!』

 

 

薬屋」を意味する古語。

 

ちなみにFFシリーズを通して出てくる「職業」の「アイテム士」や「薬士」は Chemist となっています。

 

 

 

[ twain ]

 

"Larg: My head...it is as though it were split in twain. But I do not think it serious. I just need...some time."

 

『ラーグ公「…頭が割れそうだ。胸がムカムカする……。だが、大丈夫だ……。しばらくすれば…、気分もよくなるだろう……。』

 

 

two(2)」の古いスペリング。2は two だと思い込んでるところにこれですから・・・。 

 

 

ただ two は too や to と発音が同じなので、リスニングは文法や文脈を理解し、よくいう言い回しになれておかないと痛い目を見ます。

 

two too many(2つ多すぎる)とか ten to two(2時10分前)とか実際にあります。 

 

 

そう考えると個人見解ではありますが two は twain でもいいかな?と思います。

 

仮にその場合は、なかんずく作家の Mark Twain が話題に出る時に注意しておかないと・・・ま、それぐらいなら大丈夫でしょう。

 

 

 

[ far be it from me to do ] 

 

"Elmdore: But far be it from me to turn away the one Beoulve to grace us with his presence!"

 

『エルムドア侯爵「貴様もこの墓地で朽ち果てるがいい!』

 

 

これもイディオム的に使われて "far be it from me to do" 「~することは私の真意ではない」 となります。

 

文構造をみるために語順を戻すと "It (should?) be far from me to do ~" となり、仮主語の it真主語の to do で構成されています。

 

ただ Google で調べた限りでは "far be it ~" の形でほぼ固定されて使われているようです。(ほんの少しだけ far should it be が見つかりました。それも超古そうな本でした。)

 

 

ここが be になっているのがポイントで「私の真意とは遠い」⇒「(そう見える可能性は大いにあるが)そういう意図ではない」という言い方です。

 

 

am/are/is/was/were原則「事実」を意味します。

 

ここで be もしくは should be になることで subjunctive になり、事実や真実でないものを示すことになります。"so be it" と同じですね。

 

これが「仮定法(反事実・推量・想像)の本質です。

 

 

 

ところで、お分かりのように英語は日本語とかなり違っています。

 

英文は・・・

 

あの(高貴なる)ベオルブ家の人間が(この戦いに)自ら花を添えようというのだ、この栄誉を無下にすることなど私にできようか!

 

と、いう感じでしょうか。

 

 

 

[ mislike ]

 

"Ramza: I mislike this. There is something familiar - yes. The battle with Cúchulainn, with Belias..."

 

『剣士ラムザ「……嫌な雰囲気がする。この気配は……、そうだ、キュクレインやベリアスと対峙したときのあれだ……。』

 

 

mislike は「dislike キライ」の古い言い方です。

 

 

 

[ my patience is grown thin ]

 

"Folmarv: Refuse, and she dies ere the word leaves your lips.  Are we of an understanding? My patiences is grown thin."

 

『神殿騎士ヴォルマルフ「言っておくが、貴様はこの要求を拒絶することはできん…。渡さぬときは妹の命はないと思え。さあ、私の言葉を理解したならさっさと渡してもらおうか…。』

 

 

前述した "I am come." と同じで、自動詞の完了形は「be動詞+過去分詞」で表現します。

 

grow は SVC第二文型をとりますが「目的語がない」ので「自動詞」扱いになります(厳密には「不完全自動詞」と呼ばれます)。

 

もちろん現代の用法では "My patience has grown thin." が一般的です。

 

 

 

[ Had I but ]

 

"Ultima: Had I but...more power..."

 

『聖天使アルテマ「モット……チカラヲ………』

 

 

スクリプト全体を通してよくみる 副詞 but を only と同じように使うものです。

 

"Had I" の部分は仮定法で、倒置を元に戻すと "If I had but (≒ only) more power." です。

 

語順はともかく、意味としては現代でも使うように "If only ~"「~であったならば・・・」という後悔・無念の表現だと思います。

 

 

倒置に関しては、現代でも似たような表現は残っていて、「have + 過去分詞のペア」で subjunctive の文章(仮定法)の if の省略の時に運用するのが通例です。

 

(倒置前) If I had done/been ~

 

(倒置後) Had I done/been ~

 

これはラスボスの最後のセリフです。これでエンディングへ!

 

 

 

オリジナルとリメイクの英訳の比較もおもしろい

 

日本語版のスクリプトには変化がありませんが、英語版はかなり変わっています。

 

この方のブログ(英語)では Chapter 1 だけですが、2つのスクリプトを比較してコメントを書いています。

 

https://dekaja.dreamwidth.org/1675.html

 

 

なかなかスルドイ指摘があって笑ってしまうものもたくさんあります。

 

 

英語を読むのが苦にならない方は、読まれてみるのはいかがでしょうか?

 

(おそらく)英語圏の人がどのように英語を見ているかの参考になると思います。

 

 

上記のブログのコメント欄ですが "pseudo-Shakespeare(シェイクスピアもどき)"に思えるといったものありました。同じ英語でも評価は十人十色です。 

 

 

 

難しい英文を読むと成長できる

 

ゲームでも聖書でも難しい英文を読むと、意表を突かれてしまいます。

 

でもその分だけ、文構造や品詞に対して感性が研ぎ澄まされていきます。

 

日本の英語参考書だとイディオム扱いになっているものでも、原理を見抜くことにもつながります。

 

 

ほかにも「難しい英語」についてブログを書いているので、興味のある方はどうぞ

 

 

学校が教えない代名詞 thou thy thee thine(英語うんちく No.004)

 

この英文が読めますか? Final Fantasy 12 召喚獣の解説

 

 

またゲームのタイトルである tactics とは「戦術」と訳されますが、strategy「戦略」との違いも解説しているのでこちらもどうぞ。

 

戦術 tactic と戦略 strategy の違いは英語だとよくわかる(英語うんちく No.020)