お寺にお参りして英語を学ぼう(岐阜・虎渓山永保寺)

日本を学べる英語の表現

紅葉シーズンに岐阜県多治見市にある虎渓山永保寺さんに行ってまいりました。

紅葉のシーズンということもありますが、紅葉も樹齢700年以上と言われる大銀杏 ginkgo の黄色も美しく、庭園を歩いて回っているだけで心が澄んでいく気がします。

永保寺さんには雲水道場 zen meditation temple といって禅のお坊さんが修行をする場もあります。

浄土庭園にいながら、そういったピリッとした禅の雰囲気も楽しませて頂ける素敵なお寺です。

地域のみなさんの支えるお寺

永保寺さんはお寺としては珍しく朝7時からでも観光として拝観可能になっています。

四国88か所霊場を除けば7時からの拝観は比較的珍しいと思います。

早朝にも関わらずご近所のボランティアとおもわれる方々が総勢数十人ほどでお庭の手入れをされていました。

京都でも鎌倉でもそうですが、大きなお寺は庭の管理が大変だとおもいます。

管理が行き届いていなくて、せっかくのお庭が台無しになっている由緒あるお寺をたくさんみてきました。

永保寺さんは地域の方々に守られている素敵なお寺なのだと感じ、うれしくなりました。

夢窓疎石のお庭

そんな素敵な永保寺さんの庭園は鎌倉~室町時代の作庭家としても高名な禅僧・夢窓疎石による造園です。

そして虎渓山の名前は、夢窓疎石がこの地を訪れた際、中国にある蘆山 Lushan Mountain の虎渓の風景(現在は世界遺産)に似ていたことに由来すると言われています。

また夢窓疎石が観音菩薩を本尊として建てた観音堂(国宝 national treasure)の正式名は、御朱印にも書かれている通り「水月場」といいます。

正確な由来は分からないのですが、池のそばで水面に映る月のような美しい姿をしているからでしょうか?

ほかにも夢窓疎石の代表作の庭園としては、通称「苔寺」と呼ばれている有名な西芳寺(京都)や足利尊氏が後醍醐天皇を弔うために建てた天龍寺(京都)が世界遺産に指定されています。

足利家と縁のある瑞泉寺(鎌倉)や武田家の菩提寺である恵林寺(山梨)そして、この永保寺は国の名勝(national place of extraordinary scenic beauty)に指定されています。

夢窓疎石の「みんなの師匠」

夢窓疎石の名前は作庭家として知ってはいたのですが、僧侶として多くの有名なお寺・歴史の人物とも縁がある方のようです。

代表的なお寺をあげると、東大寺、建仁寺、南禅寺、建長寺、円覚寺、万寿寺、浄智寺などです。

上記のうち東大寺以外は京都五山・鎌倉五山と呼ばれる臨済宗の権威あるお寺です。

北条、足利、天皇家などと関係が深く、夢窓疎石が鎌倉・室町の権力者と武家・公家・僧侶問わず人望厚く、「特定の人物に重用された」のではなく皆が教えを請うた「その時代のみんなの師」という位置づけであったことが伺えます。

夢窓疎石は後醍醐天皇より賜った「夢想国師」など7つの国師という称号を歴代の天皇より授かっていますが、まさに死後、時がたっても「師」として敬われていたのでしょう。

国宝のお寺さんで結婚式ができる!

ちなみに永保寺さんでは「日本で唯一国宝で結婚式ができる」そうです。

お寺の駐車場には場違いな感じのするキャンピングカーが置いてありました

「なんでこんなところに結婚式の写真張ってあるキャンピングカーあるんやろ?」

と疑問に感じていたのですがそういうわけだったんですね。

虎渓山永保寺に関連する英語表現

禅寺: zen temple  

zenはもう英単語です。鈴木大拙(D. T. Suzuki)さんの功績だと思います。

世俗から離れた修行: ascetic retreat 

retreat は「軍隊などが退却する」という意味で使うので「現世から離れたところに行く」という意味でしょうね。

また「Arcadian retreat 自然の中の風光明媚な静養先」というようにも使います。

弟子: disciple  

ほかにも弟子という意味では apprentice がありますが、こちらは「職業として弟子につく」というイメージが強いようです。

千手観音: a thousand-armed Kannon 

観音様の英訳は「Goddess of Mercy 慈悲の女神」もよく拝見します。

五山制: Five Mountain System  

五山制は京都・鎌倉の臨済宗のお寺のランキングです。時代と共にランキングの変更があり今に至ります。

京都五山では永保寺さんが所属する南禅寺派総本山・南禅寺さんが五山の枠を超えて別格にあります。

塔頭: branch temple

別の言い方で sub-temple という表現もみたことがあります。

浄土庭園: Pure Land Buddhism style garden  

地上に極楽浄土をあらわした庭園をつくることで、極楽をイメージし、そこへ往生しやすくするという意図で作られた庭園です。有名な浄土庭園といえば平等院鳳凰堂や奥州藤原氏がつくった毛越寺庭園でしょうか。

臥龍池: Garyochi, Lake of Sleeping Dragon  

臥竜は「本来は天空を舞う存在である龍」が伏せているため英語では「眠れる龍」とされているのをよく見ます。

臥竜鳳雛(がりょうほうすう)とは三国志でもみる表現で「まだ世に出て活躍していないが、いずれ活躍を期待される優れた2人の人物」という意味です。

三国無双の英語版では次にようになっていました。

  • 諸葛亮 Zhuge Liang: Sleeping Dragon
  • 龐統 Pang Tong: Fledgling Phoenix
無際橋: Musaibashi, endless bridge  

人間の世界(此岸)と仏の世界(彼岸)との境界を取り払って、つなぐ橋です。

地上に仏の世界である浄土をつくることを目指した浄土庭園なので、「無際」の英訳は endless になっていますが seamless とか borderless のような感じの意味でしょう。

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