英語で日本を学ぼう No.015 四国遍路 根香寺 第82番札所・香川

根香寺 Negoro-ji Temple

 

四国八十八ヶ所82番札所である香川県高松市にある根香寺(ねごろじ)さんに行ってまいりました。

 

急な山道をぐるぐると登っていっていくと、山の中のお寺らしいひんやりとそしてピリッとした空気のお寺がありました。

 

根香寺さんのように修験道や密教の影響の強い山のお寺は自然の力を肌越しに感じられる気がします。

 

 

ブログの最後に根香寺さん関連の英訳の紹介をのせています。

 

 

 

山のお寺で自然を感じる

 

以前、修験道の山伏の方のインタビューをテレビで拝見することがあって「修験道は自然に入ってそこで感じたことは何かを考えることなんです」とおっしゃっていたのが今でも印象的に残っています。

 

根香寺さんはそういう発想が腑に落ちるようさせてもらえるお寺のひとつではないでしょうか。

 

 

英語に深くかかわっていると「英語は論理的」(必ずしもほめ言葉ではないと思います)というのは実感します。

 

同時に「言葉の定義に縛られすぎているし、発想が直線的すぎて、とがった部分がおおい」と思って、疲れてしまうことがよくあります。

 

英語を教えているからこそ、日本にしっかりと軸足を持っておきたいなと常々感じています。

 

心を落ち着けてくれる思想や場をつくってくれた日本・東洋の先人たち、そしてそれを今でも守ってこられている方々みなさんに感謝です。

 

 

 

妖怪伝説

 

堅い話はさておき、この根香寺さんにはある伝説が伝わっています。

 

何の予備知識もないままに、バイクを止めて目の前をみると怪しく恐ろし気な銅像がこちらを見ています。

 

四国お遍路巡りはそっちのけで、この妖怪に興味を根こそぎ持っていかれてしまいました。

 

 

 

 

この「牛鬼(うしおに)」という妖怪は地元の人々や家畜を襲って困らせていました。

 

そして山田蔵人という弓の名手により退治され、その角は根来寺さんに奉納され、菩提も弔らわれたとのこと。

 

 

この牛鬼の絵姿は魔除けのお守りとしての霊験もあらたかとか。

 

日本は源平合戦でも蒙古襲来でも敵味方とも弔っています。昔話でも魔物や物の怪を退治した後に弔う話があります。

 

牛鬼も丁重に弔われたことで根香寺さんの味方となったのでしょう。

 

 

あとで調べてみると根香寺さんは心霊スポットとしても有名なようです。

 

修験道は自然の力を感じるところで修行しますし、この牛鬼という妖怪の話も加えて「畏怖を感じる何かがある」ということなのでしょう。

 

人間は自分の理解を超えることを恐ろしいと感じるので、パワースポットも心霊スポットも本質はあまり変わらないかもしれませんね。

 

 

 

チェス文化 VS 将棋文化

 

話が少し変わるのですが、西洋は「チェス文化」と東洋と日本(の根底に流れるもの)は「将棋文化」だと常々感じていました。

 

最初から白黒(敵味方)が分かれていて、その違いが永遠に変わることなく消耗戦を挑むチェス。

 

一方、敵味方は向きが違うだけで、倒した相手を味方につけることができる将棋。

 

もしかしたら「敵(悪)と味方(善)に分かれ、悪を永遠に断罪する思想」と「敵も一度打ち倒せば、その相手に敬意を払い、受け入れ味方にしていく思想」には歴史的・思想的背景があるのかもしれません。

 

 

将棋やチェスはインド発祥といわれています。

 

インドから西へ行くと「絶対普遍の真理を軸に善悪二元論で線引きをする一神教(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教)」です。

 

一方そこから東は「善も悪もいる神・仏・鬼・霊・龍・仙人・英雄オールスターの多神教(儒教は例外ですが、仏教・道教・神道・ヒンドゥー教など)」になります。

 

 

 

こういった違いを「チェス文化」と「将棋文化」と私が勝手にいっていいのかわかりませんが、個人の思いとして日本には「将棋文化」でありつづけてほしいと思っています。

 

 

根香寺 英訳と和訳の説明・解説

 

根香寺: Negoroji  

 

紀州和歌山にある根来寺(ねごろじ)さんとは読み方が同じなので間違わないように。

 

 

山岳寺院: mountain temple

 

 

鎮護国家: spiritual protection of the state

 

奈良時代は仏教のもつ不思議な力で国家を安定させようとしたので、奈良の東大寺をはじめとする国分寺もそういった意図で日本中に建てられました。

 

 

本尊: principal image of worship

 

 

弓の名手: master archer  

 

ドイツ語だとマイスターですね。主人の意味にもなりますが、ここでは達人の意味です。

 

 

牛鬼: ox demon  

 

demonはもともとギリシャ語では「半神・精霊」のような意味でした。キリスト教に取り入れられて悪魔という意味になります。

 

英語では「鬼」という言葉に適当な訳は存在しないでしょうね。キリスト教は善悪二元論なので、どれを選んでも無理やりになるはずです。

 

 

菩提を弔う: pray that one's soul will rest in peace  

 

「菩提 ぼだい」とは「悟り」を意味するので、仏の世界へと旅立ったことを意味します。

 

英語ではキリスト教の価値観に合わせて「安らかに眠る」となります。スムーズな英語に訳すとなんでもキリスト教的価値観に置き換わってしまい、仏教的な発想がなくなってしまいますね。

 

 

33年に一度だけ御開帳される: (be) shown only once every 33 years  

 

33は観音様の化身の数ですね。根香寺さんのご本尊は千手観音様です。