英語で日本を学ぼう No.005 東大寺・奈良

東大寺 Todai-ji Temple

 

アメリカ留学時代の友人と一緒に奈良にある世界遺産・東大寺に行ってきました。

 

もちろんまずはシカがたくさんいるのでエサをやるものの、どんどんシカがよってきます。

 

そうなるとしかたなくエサを投げて逃げ出すという奈良公園を訪れる観光客にありがちなパターンを見事に見せてくれました。

 

 

ブログの最後に「東大寺さんに関連する英訳」の紹介をのせています。

 

 

 

大仏さん the Great Buddha

 

さて東大寺といえば大仏ですが、アメリカ人に限らず、仏教にあまりなじみのない人たちにとっては「大仏」といっても一体何なのかわかりにくいですよね。

 

東大寺の大仏様は毘盧遮那(ビルシャナ)仏といって「太陽のように世界をあまねく照らし出す仏様」という意味です。

 

毘盧遮那という漢字はヴァイローチャナ(vairocana)というサンスクリット語(古代インド語)を中国風にあてたものです。 

 

 

「大仏」の解説(東大寺さんの資料)

 

毘盧遮那大仏(ビルシャナ):Vairocana Buddha (Buddha that shines throughout the world like the Sun) 

 

 

世界を照らし出す仏様は真言宗では「大日如来(Maha Vairocana)」と呼ばれていて、同じ仏様とされています。

 

ちなみにMahaはサンスクリット語で「大きい」という意味で摩訶不思議の「摩訶」のように漢語を通して日本語にも取り入れられています。

 

仏教はもともとインドのものなので、インドの歴史やヒンドゥー教を勉強してみると「なるほど!」と思えることがたくさんあります。

 

日本の歴史・文化を知るなら、インド・中国との関わり合いもあわせて勉強するのがおススメです。

 

 

 

大仏殿 Great Buddha Hall

 

東大寺は大仏だけでなくその建物たる大仏殿も巨大で、なんと木造建築物としては世界最大だそうです。

 

東大寺さんの資料では以下のようになっています。

 

 

横幅が三分の二に縮小されているが、それでも木造建築物として世界最大の規模を誇っている (JPN)

 

The width of the current building is approximately 33% smaller than that of the original structure, but it still ranks as the largest wooden structure in the world. (ENG)

 


現在ですら世界最大の木造建築物ですから、当時のインパクトや建造コストといったらはかり知れませんね。

 

それが1000年以上も残っているというのもとても感慨深いです。

 

特にアメリカは国ができてからあまり年月が経っていないので、古いものがいまだに残っているのは友人にとっては一層感慨深いようでした。

 

 

 

平安遷都のこわ~い理由 Beware the Angry Spirits

 

なぜ平城京は捨てられたのか?

 

しかし友人が一番が不思議に思ったのは「世界最大の木造建築物」であることよりも「なぜ現代まで通用する技術の粋を極めてつくった都を70年ほどで遷都したのか?」ということです。

 

 

いわれてみれば当然の質問にしっかりと向き合ってみると日本がより深く見えてきます。

 

 

そもそも平安京になるまで遷都するのが当たり前だった事実の背景はいったいどんなものだったのでしょうか。

 

 

実は遷都が行われた理由は様々に考えられていて、どれも「仮説」でしかありません。

 

そのなかに一つに、とても興味深いものがあります。

 

 

それは「疫病は祟りによっておこるので、それを避けるために遷都した」というものです。

 

 

祟りは今でいうと感染症のようなものです。

 

奈良は政権闘争で敗れて無残になくなった皇族・貴族が多くいました。

 

彼らの祟りによって疫病が起こり、仏教の力によって治めようとしたが、うまくいかず逃げだした。

 

 

つまり伝染病の治療と拡大封じ込めを行おうとしたが、感染力があまりにも強く、どうにもならなくなって撤退した、ということです。

 

 

このような「祟り、恨み、無念」が不幸を引き起こすというのは日本の信仰です。

 

善悪ではなく、強い負の感情が得体のしれない恐怖を呼び起こすのが日本のホラー映画の特徴です。

 

もののけ姫の「祟り神 タタリガミ」なんかもその一つですね。

 

 

 

奈良公園の鹿 Dear Deer!

 

さて、奈良と聞いて忘れてはいけないのが奈良公園の鹿ですね。

 

鹿は一般的には deer といい sheep と同じように単数でも複数でも同じ形で使います。(deers は間違い)。

 

また英語では細かく言うとほとんどの動物に「オス、メス、子供」の名前があります。

 

鹿であれば「stag オスの鹿」「deer メスの鹿」「fawn 子鹿」となります。

 

ライオンは「lion オスライオン」「lioness メスライオン」「cub 子供のライオン」という具合です。

 

cub は肉食獣の子供をあらわす言葉です。

 

 

ニワトリの場合は日本語でも「rooster おんどり」「hen めんどり」「chicken ひよこ」といいますね。 

 

ちなみにクワガタは stag beetle といいます。オスのシカのような角があるからですね。

 

あと、トナカイは英語で reindeer といい、北米に住むものを caribou といいます。

 

 

じゃあ肝心のトナカイはというとアイヌ語だそうです。

 

日本語ってアイヌ語けっこう混ざってるらしいですね。

 

「チャランポラン」もアイヌ語起源ではないかと言われています。

 

 

 

東大寺 英語版・日本語版の資料

東大寺 英訳と和訳の説明・解説

 

大仏 / Great Buddha

 

 

大仏開眼供養会(だいぶつかいげんくようえ)/ inauguration ceremony of the Todaiji Great Buddha 

 

 

聖武天皇の発願(ほつがん)/ the behest of Emperor Shomu

 

 

皇太子基親王 / Crown Prince Motoi  

 

聖武天皇の跡継ぎだったのですが、一歳にもならずに亡くなります。

 

 

夭折 / repose of the spirit (soul)  

 

「永眠すること」なのですが輪廻転生の概念のないキリスト教と仏教とは少し違う意味合いになるかもしれませんね。

 

 

国分寺 / state-established provincial temple  

 

日本の国分"僧"寺の中心が大和国分寺東大寺です。ちなみに尼寺である国分"尼"寺もありましてこちらは法華寺です。

 

 

勅(みことのり)/ edict  

 

天皇による重要事項の伝達には、特定の相手へ向けての「勅」と、一般へ向けての「紹」と2つあります。大仏建立は「勅」のようですね。edict は「権力者からの公示」との意味のようです。

 

 

本尊 / chief object of worship  

 

main image と表記されることもありますね。

 

 

華厳宗 / Kegon Sect of Buddhism  

 

東大寺は華厳宗大本山です。

 

 

金堂 / Main Hall  

 

東大寺では大仏殿のことです。

 

 

二月堂 / Nigatsu-do / Second Month Hall  

 

旧暦の二月に「お水取り water-drawing ceremony」の儀式が行われることからこの名が付きました。

 

 

旧暦の二月 / the second month of the lunar calendar  

 

明治に入るまで日本は「lunar calendar 太陰暦」でした。ちなみに太陽暦は「solar calendar」と言います。そこからユリウス・カエサル(Julius Caesar)が改良を加えて「ユリウス暦 Juliun Calendar」をつくります。

 

さらに教皇グレゴリウス13世(Pope Gregory XIII)がつくった「グレゴリオ暦 Gregorian Calendar」が現在、我々が使っている暦です。

 

もっと詳しく知りたい方は ⇒ 月の名の由来とローマの歴史

 

 

東西両塔 / West and East Pagodas

 

 

講堂 / Lecture Hall

 

 

三面僧房 / Monks' Quarters

 

 

南大門 / Great South Gate  

 

運慶・快慶の作の金剛力士像二体が守る門です。運慶・快慶は源平合戦で荒廃した東大寺を復興させようと仏を彫り続けました。職人もまた仏の救いを信じ、その思いを自らを作品へと込めていったのでしょうね。

 

 

阿形 / the statue with the open mouth  

 

「あ」と「ん」は日本語もそうですが古代インドの「最初の文字」と「最後の文字」です。それゆえ「始まりと終わり」で調和をあらわします。

 

ちなみに英語でも同じような感覚はありますが、アルファベットではなくギリシャ文字で「α & Ω アルファアンドオメガ」と表現します。

 

 

吽形 / the statue with the closed mouth

 

「ん」という字はもともと日本語になく、空海さんがサンスクリット語をもとにした真言密教の経典の中に「ん」があり、それを表現するために日本語に加えました。 

 

 

四天王 / Four Divine Kings  

 

東西南北の四方(four cardinal directions)を守る4体の守護神(多聞天、広目天、増長天、持国天)です。

 

 

鐘楼 / Bell Tower  

 

「日本三名鐘 The Three Famous Bells of Japan  」の一つです。あと2つは知恩院さんと方広寺さんです。方広寺さんの鐘は「君臣豊楽 国家安康」の鐘と言ったほうがわかりやすいかも。

 

 

神仏分離令 / 1868 edict legislating the separation of Shinto and Buddhist religious establishments  

 

明治になって日本古来の神道をより純粋なものにするために外来の仏教を分離するために行われました。「勅」とちがって「令」ですが edict が使われていますね。

 

 

寺領没収 / confiscation of temple lands  

 

神仏分離の後、勢力を失ったお寺はたくさんあります。