お寺にお参りして英語を学ぼう(京都・金閣寺)

日本を学べる英語の表現

日本に数あるお寺の中でもひときわ輝く世界遺産・金閣寺。

正式名は鹿苑寺といいと並んで臨済宗相国寺派に属するお寺なのですが、相国寺は禅寺らしい雰囲気をたたえている一方で、金閣寺にはどうもそんな感じはいたしませんね。

それもそのはず、もともと足利義満が政治をする場としてつくったものが義満の死後に禅寺となり、それこそが我々の見ることのできる金閣寺です。

またよく比較される銀閣寺も正式名は慈照寺といい同じく総本山である相国寺さんの末寺です。 やっぱり派手な見た目もあいまって外国人観光客にもいつも大人気なようです。

金閣寺はなぜ3層か

金閣寺は歴史的にみて足利義満が京都嵐山の北山に建立した邸宅であり、同時に政治の場だったため権力者の意図がいろいろなところに隠されています。

まずは建物それ自体の3層構造がそれぞれ1階が寝殿造り(貴族)、2階が武家造り、そして3階が禅宗造りとなっています。

このことは「貴族よりも武家よりも禅宗に帰依した義満が一番偉いのだ!」ということを示すためと言われています。

寝殿造・武家造・禅宗仏殿造の英訳

  • 寝殿造: shinden style of the 11th-century imperial aristocracy 
  • 武家造: buke style of the warrior aristocracy
  • 禅宗仏殿造: Chinese zenshu-butsuden style

ぴったりの英訳がないので苦労されているのがわかります。

武家は samurai style のほうがわかりやすいかもしれません。

明と対等に渡り合う

また同時に義満は明と貿易をするために中国とも交渉をしなければなりませんでした。

当然、義満の政治の場である「金閣寺」も中国にバカにされるようなものではいけません。

日本の場合「海外に向けに」派手なものをつくりたがるようです。

義満だけでなく、信長しかり、明治の鹿鳴館しかりですが。

同時に自然そのままだったり、質素な美意識も日本の特徴です。

そのなかで wabi-sabi も英語に入っていくことになりました。

日本国王 the King of Japan

さて当時、中国(明 Ming Dynasty)は中国皇帝の家来にならないものとは貿易を禁じていました。

さらに日本の正式なトップは天皇です。

中国には家来になるようなそぶりをみせ、天皇や貴族にはそれなりに話を合わせるなどしたのでしょうか?

義満にどれだけ権力があっても、調整には難航した予想できます。

日本の朝廷や武家、中国の皇帝や使者を「うまくあしらって」義満は「日本国王」の称号を得ます。

そして明との貿易を正式に始め莫大な利益を得たことで室町幕府の基盤づくりを成し遂げます。

最初に金閣寺に訪れると、キンピカな見た目に圧倒されそうになります。

実は外交・内政両面から政治的意図があるのだと思うとキンピカ以外にも注目すべき特徴がたくさんあります。

ちなみに東アジア、特に中華文明圏における「国王」というのは中国の皇帝に忠誠を誓った臣下の国のトップを指します。

中華文明での「皇帝」「王」「国王」の違いを知りたい方は 中国の「皇帝」と「王」と「国王」の違い をご参照ください 

また英語の「皇帝 Emperor」「王 King」とも本質的な意味が違ってくるので注意してください。

さらに日本の天皇の英訳は Emperor ですが、これが King でなくて本当に良かったと思います。

日本の天皇が「中国の手下」という意味にとられることもありうるので。

政治の場所から信仰の場所へ

さてそんな金閣寺も義満の遺言により夢想国師により極楽浄土(Pure Land of Buddha)をあらわしたとされる庭園を持つ寺院へと変わります。

生前はどうであれ死後は後世にたくすという思いを権力者が持っていれば、その文明・文化は栄えていくのでしょうね。

そのおかげで金閣寺は世界文化遺産(World Cultural Heritage)となっているわけですから、作った人にも守ってきた人にも感謝ですね。

金閣寺に関連する英語表現

金閣: the Golden Pavilion  

これは舎利殿といってお釈迦様の骨を治めておくところです。

英語では「shariden: Buddist hall containing relics of Buddha」となっています。

金閣寺: the Temple of the Golden Pavilion  

金閣寺(kinkaku-ji)は通称として一般的ですが、正式名ではありません。英訳はどうやら三島由紀夫の小説、金閣寺の英語版タイトルから来ているようです。

鹿苑寺: Rokuon-ji Temple  

正式名の由来は足利義満の法名である鹿苑院天山道義から来ています。

「法名」の英語訳は the name Yoshimitsu was given for the next world です。

臨済宗相国寺派: the Shokoku-ji School of the Rinzai Sect 

「宗」と「派」にはいろんな言い方があります。

禅寺:Zen Buddhist temple

temple だけだと「礼拝施設」を意味します。仏教寺院は Buddhist Temple が正式な言い方です。

鳳凰: phoenix  

英語では不死鳥ですが、中国では皇帝の象徴をあらわす伝説的な鳥である鳳凰の英訳として定着しています。

オスが「鳳」でメスが「凰」。伝説の生物としての麒麟(Qilin)も同じでオスが「麒」でメスが「麟」ですね。

金箔: gold foil  

アルミホイルのホイルはこのfoil。また西洋の細長い突剣も foil といいます。

漆: lacquer / japan  

japan の 「j」 は小文字で漆器。ちなみに china は磁器のことです。

回遊式庭園: pond garden designed for strolling

庭を歩いて回ることを前提とした作庭様式のことです。

夕佳亭: The Sekka-tei Tea House

tea house となっていると日本人にもわかりやすいです。

鐘楼: belfry  

bell tower の訳をよくみます。

belfry は教会にあるような建物と一体の鐘のことようです。

ちょっとユニークな英語塾

志塾あるま・まーたは英語が苦手が困っている人が、英語を明るく楽しく学べるオンライン英語塾です。

塾長が高校を半年で中退後に、アメリカの大学に4年間留学して習得したゼロから始めて世界で通用する英語力の習得法をみなさまにお伝えしています。

英語の仕組みを正しく見切る「統語論文法 Syntax」を使うので、シンプルなのに素早く、正確に英語が理解できます。

また現代文・小論文の対策なども、アメリカの大学で採用されている論理的思考力批判的思考(logical and critical thinking)のトレーニングを基準にして行っています。

あるま・まーたのちょっとユニークな英語の学び方はこちらをご覧ください。

あるま・まーたの英語の学び方に興味を持っていただけたなら、ぜひお問い合わせください!

ブログの感想や英語の疑問・質問などでもお気軽にどうぞ!

Copied title and URL