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実はたくさん!アラビア語由来の英単語(英語うんちく No.018)

英語にはアラビア語が由来の英単語が数多くあります。

 

アルカリ、アルコール、カフェ、キャンディといった日本語でなじみのある単語も実はアラビア語由来です。

 

 

これにはちゃんと理由があります。

 

それはイスラム文化がヨーロッパ、そして全世界に大きな影響を与えたからです。

 

 

近現代の始まりは14~15世紀にヨーロッパでうまれたルネサンスとされています。

 

しかし、ルネサンスに先駆けて8~13世紀ほどにかけてイスラム黄金期(Islamic Golden Age)といって科学が急速に進歩した時期があります。

 

 

イスラム教と科学に対する姿勢は当時のキリスト教徒や中国人が到底追いつけないような進歩的なものでした。

 

 

「この世界は Allah が創造されたのだから、世界のありのままの姿を探求することが Allah の知恵により近づくことになる」

 

 

このような万物の真理を追い求める姿勢から、イスラム圏では科学(化学や数学、医学、天文学など)が大きく進歩しました。

 

それと同時にアラブ人を中心とした遊牧民特有の強力な騎馬戦闘力を持ち、イスラムという一神教で多民族がひとつにまとまったイスラム教徒は圧倒的なスピードで西はスペイン、東はインドと広大な領域を支配します。

 

そして当時のイスラム圏は「黄金期」の文字通り世界最強の軍事力、世界最大の支配領域、世界最高の知識・技術を有する文明となりました。

 

 

これほどに大きな影響を世界史に与えたイスラム文化を日本人が軽視しているのはなぜなのでしょうか?

 

それは、明治時代に欧米人の受け売りでつくった世界史の教科書を学んでいるからにほかなりません。

 

 

 

それゆえ英語へのイスラム文化の影響についての言及も少なくなります。

 

しかし、実際には欧米文化圏では近代哲学や科学の発展にイスラムの影響がありました。

 

とくに論理性をキリスト教から解き放つのに大きなきっかけになっていることは否定しようがありません。

 

 

話はすこしはずれますが、欧米文化圏の論理性の発展について興味のある方はこちらもどうぞ。

 

なぜ英語は論理的な言葉なのか?(英語うんちく No.017)

 

 

 

欧米人の受け売りで世界史を学び、歴史の事実からブレている英語学習をしていたら、日本人の英語が世界で通用しないのは当たり前です。

 

それでは、イスラム文化がどれほど英語にも影響を与えているかを見るために、アラビア語源の英単語を見ていきましょう。

 

 

 

化学系のアラビア語源の英単語

 

化学は物質の本当の性質を知る学問です。

 

化学反応も Allah が創造した世界の中での不変の法則に従って行われています。

 

そして、それを知ることは Allah の知恵に近づき、我々が生かされていることに感謝することにつながります。

 

このような情熱に動かされてイスラム教徒は化学への探求を深めます。

 

 

 

alchemy: 錬金術

 

錫(tin)や鉛(lead)などの卑金属(base metal)を金や銀などの貴金属(precious metal)に変える試みのことです。もちろん当時の技術では当然不可能なことでしたが、このように様々な物質の性質を調べるうちに化学が発展していきます。

 

 

alcohol: アルコール

 

al はアラビア語の定冠詞です。英語で言うところの the になります。アルコールはアイライナーをつくるのに使われていたため、化粧の粉である「fine powder さらさらの粉」を意味する言葉が語源です。

 

ちなみにアルコールを分解してできるアルデヒド(aldehyde)は alcohol dehydrogenatus というラテン語の短縮形から命名されました。

 

 

alkali: アルカリ

 

「植物の灰」からアルカリ成分を抽出していたことから、「灰」を意味する「al-qaly」に由来します。

 

アルカリ性は英語で「base」で形容詞は「basic」といいます。

 

 

 

amalgamate: 合同する、混交する、水銀と化合させてアマルガムにする

 

イスラム圏から独立後のスペインは植民地支配をしていた中南米の金鉱山(gold mine)や銀鉱山(silver mine)からアマルガム法という方法で非常に効率よく金や銀を鉱石(ore)から抽出していました。

 

これに目を付けたのが徳川家康で、カトリックの布教と交換条件にアマルガム法の知識を得ることを提案しますが、スペインから製法は伝授されませんでした。結局のところスペインの目的は、布教を先兵とした日本の支配だったので、最終的に家康はキリスト教(とくにカトリック)を禁止します。

 

ちなみにスペインが最大勢力を誇った時代は、日本では戦国時代にあたり、日本からも石見銀山から大量の銀がヨーロッパに流入していました。

 

日本産の銀のヨーロッパへの流入の影響などを詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

 

英語で日本を学ぼう No.019 石見銀山・島根

 

 

benzine: ベンジン

 

ガソリンなど燃料に使われる可燃性の液体の総称です。有害物質のbenzene(ベンゼン) とは別物なので注意です。

 

 

chemistry: 化学

 

錬金術 alchemy から生まれた言葉です。ちなみに「科学」を意味する science は「知る」という意味のギリシャ語が語源です。

 

 

elixir: エリクサー

 

錬金術の用語で「卑金属を金に変えるもの」です。英語では「賢者の石 philosopher's stone」とも呼ばれています。これは化学の正式用語ではないですが、エリクサーを探求する過程で様々な試行錯誤が繰り返され、その結果、化学が発展します。

 

 

K:カリウムの元素記号

 

カリウムは「植物の灰」という意味の言葉から来ています。同じ「灰」を意味するアルカリの「kali」と同じ語源です。

 

実は英語でカリウムは potassium といいます。カリウムを抽出するのに pot(入れ物)に ash(植物の灰)を入れて実験を行ったことに由来するようです。

 

 

 

soda: ソーダ

 

炭酸飲料のソーダではなく「ナトリウム化合物」のことです。

 

ナトリウムは英語で sodium といいます。ソーダ(soda)が語源です。

 

炭酸飲料としてのソーダは最初の炭酸水(carbonated water)がレモネードに重曹(炭酸水素ナトリウム sodium hydrogen carbonate)を加えた物とされることに由来します。

 

 

 

数学系のアラビア語源の英単語

 

数学がイスラム圏で発展したのにも理由があります。

 

当時の学問の世界はいまほど交流は盛んではないですし、高度な学問を世界で共同研究するというのも非常に困難でした。

 

しかし、イスラム教徒がギリシャとインドを支配化に置いたことで話が変わってきます。

 

図形を扱う幾何学(geometry)はギリシャで発展し、インドではゼロや無限を扱う数学が発展していました。

 

これらをイスラム教徒は融合することができたのです。

 

これによって現在、我々が恩恵を被っている数学の下地が出来上がります。

 

 

 

algebra:代数

 

アラビア語で「バラバラのパーツの統合」という意味です。イスラムが勢力をヨーロッパやアジアにひろげたことで、インドの数学とギリシャの幾何学(geometry)を融合させてうまれた数学の分野です。これにより関数(function)や図形の方程式(equation)などが扱えるようになりました。

 

日本語の「代数」とは X や Y など「字のわり」に文字をつかって数を扱うことからうまれた言葉です。

 

 

average:平均

 

もともとアラビア語では「損傷、不良品」の意味でした。その後、海洋貿易が発展するに従い意味が変化していきます。暴風雨などから船の安全を確保する際に、輸送品を一部、船外へ破棄したとしても、積み荷の所有者に関係なく「損害は平均的に算出する」という契約があったことから「損害」から「平均」の意味が生まれました。 

 

 

algorithm:アルゴリズム

 

人工知能の進歩で一躍有名になった言葉ですが、語源は古く9世紀のイスラム学者アル・フワーリズミー(Muhammad ibn Mūsā al-Khwārizmī)の名前にちなみます。この世界史に名を刻む偉大な学者が algebra の語源となる「代数学の書物」の著者でもあります。

 

ちなみに Kh は「フ」と「ク」を合わせたような音だとおもいます。「フビライ・ハーン」も「クビライ・カーン」と英語では発音されているような気がします。おそらく中央アジアでは一般的な発音なのでしょう。

 

 

zero:ゼロ

 

アラビア語の sifr がラテン語に取り入れられました。ゼロを文字としてあらわしたのはインドが初めてです。存在しない「無」を文字であえて表すというのは、さすが「諸法無我」の母国インドです。

 

イスラムがインドまで勢力を広めたことでゼロを扱う数学が世界標準となりました。

 

ただ、文字としては残っていないもののメソポタミアなどでは粘土板にゼロを「空白」として記しており、「無」の概念としてはインド以外でも存在したようです。

 

ちなみにゼロを扱うということは「無限 ∞ infinity」を扱うことと同義になります。

 

100 ÷ 100 = 1

 

100 ÷ 10 = 10

 

100 ÷ 1 = 100

 

100 ÷ 0.1 = 1000

 

100 ÷ 0.01 = 10000

 

 

このように割る数を減らすと、数が大きくなっていきます。

 

そして割る数をどんどん減らしてゼロにすると・・・

 

 

100 ÷ 0 = ∞

 

 

このようにインドでは「無、ゼロ」と「無限、インフィニティ」のような非現実的な概念をヒンドゥー教や仏教の中心であるウパニシャッド哲学の中で発展させていました。そしてそれが人類の数学の発展に大きく寄与しています。

 

 

cipher:ゼロ、0、アラビア数字、暗号

 

ゼロと同様にアラビア語の sifr が語源です。また「解読する」という意味で decipher という語もあります。

 

 

 

天文・方位系のアラビア語源の英単語

 

イスラム教徒は絶対神 Allah(英語でGod)を信仰し、偶像崇拝(idol worship)を禁止しています。

 

そのためインドやローマのように仏像や神像を造らない代わりに、決まった時間に聖地メッカ(Mecca)への礼拝をします。

 

イスラム教が急速に勢力を広げていくと、スペインからインドまでイスラム教徒の居住区は世界でバラバラになります。

 

遠く離れた土地からメッカの位置を正確に知り、 何時にどの方向に礼拝すればよいのか知る必要があります。

 

そこで、時間、季節、地理、暦を確実に理解するために天文学(astrology)や方位(cardinal direction)の研究が一気に発展しました。ちなみに astronomy は占星術です。

 

 

 

Aldebaran:アルデバラン

 

牡牛座(Taurus)の星です。意味は「the Follower of the Pleiades(プレアデス星団に続くもの)」が語源です。日本語でも「後星 あとぼし」というようです。 

 

 

Algol: アルゴル

 

ペルセウス座(Perseus)の星です。アラブ世界では人を食う魔物グールがいると信じられており、「head of ghoul(グールの頭)」を意味する「ra's al-ghūl ラーズ・アル・グール」が名の由来です。

 

ちなみにアメリカンコミックのバットマンにはラーズ・アル・グールは敵キャラとして登場します。

 

 

Altair:アルタイル

 

わし座(Aquila)の星です。「the Flying Eagle (翔んでいる鷲)」を意味する言葉が語源です。また夏の大三角(Summer Triangle)の一つでもあり、日本の七夕では「ひこぼし(彦星)」と呼ばれています。

 

 

Baten Kaitos:バテン・カイトス

 

くじら座(Cetus)の星です。由来は「Belly of the Sea Monster(海の怪物の腹)」という意味です。「海の怪物」のことを日本語で「クジラ」と呼んでいます。

 

 

Betelgeuse:ベテルギウス

 

オリオン座(Orion)の星です。歴史的には「Armpit of the Central One(中央のものの脇)」と訳されているようですが、ラテン語に間違って書き写されたもののようです。正確な訳は諸説ありますが、もっとも有力なのが「the Hand of Al Jauzah (ジャウザの手)」という解釈です。ジャウザというのは人名のようです。また冬の大三角(Winter Triangle)のひとつでもあります。

 

 

Deneb:デネブ

 

白鳥座(Cygnus)の星です。由来は「Tail of the Hen(めんどりの尾)」を意味する言葉です。夏の大三角の一つでもあります。

 

 

Fomalhaut:フォーマルハウト

 

みなみのうお座(Pisces Austrinus)の星です。由来は「Mouth of the Whale 大きな魚(くじら)の口」を意味する言葉です。ちなみに中国語では「北落師門」といいます。

 

 

Rasalgethi:ラスアルゲティ

 

ヘラクレス座(Hercules)の星です。意味は「Head of the Kneeler(ひざまずく者の頭)」を意味する言葉に由来します。

 

 

Rigel:リゲル

 

オリオン座(Orion)の星です。意味は「Foot of Al Jauzah(ジャウザの足)」に由来し、ベテルギウスの語源と同じくジャウザが使われています。

 

 

Vega:ベガ

 

琴座(Lyra)の星です。由来は「the Falling Eagle/Vulture(降下するワシ/ハゲワシ)」をあらわす言葉になります。また夏の大三角の一つであり、日本では七夕の「おりひめ(織姫)」 と呼ばれています。

 

 

azimuth:方位角、方位

 

 

zenith:天頂

 

アラビア語で「頭上の方向」を意味します。

 

 

nadir:天底

 

アラビア語で「反対」を意味する言葉です。

 

 

 

その他のアラビア語源の英単語

 

amber:琥珀(こはく)

 

 

admiral: (海軍の)提督

 

 

adobe:日干し煉瓦(れんが)

 

 

alcove:(壁などの)入りこみ、凹となっている所、床の間

  

 

apricot: アプリコット

 

 

arsenal: 武器

 

本来は「工場」の意味ですが、そこから「船のドック Ship Dock」そして「海軍の武器」に転じました。

 

 

assassin:暗殺者

 

麻薬の一種である「ハッシシ」を使用したことに由来します。

 

 

hashish:ハッシシ

 

乾燥した薬草(dried herb)がもともとの意味です。

 

 

azure:蒼

 

中東で産出する青く美しい鉱石「ラピスラズリ lapis lazuli」が由来です。lapis はラテン語で「石」ですが、lazuli はアラビア語由来の名前です。

 

 

café:カフェ

 

 

caravan:キャラバン

 

アラブ人はシルクロードの砂漠で行商を行っていたので、そのパーティ一行をあらわす言葉です。

 

 

candy:キャンディ

 

 

chess:チェス

 

将棋の王手にあたる「check」 も、詰みにあたる「checkmate」もアラビア語が語源です。

 

 

coffee:コーヒー

 

もともとアラビア語では「空腹を抑えるもの」という意味のワインの一種をあらわす言葉でした。カフェインもアルコールも覚醒作用があるので似たものとされたようです。

 

 

cotton:木綿

 

 

crimson: 真紅

 

アラビア語で「赤」を意味する言葉が語源です。

 

 

damask: ダマスク織、紋どんす

  

シリアの首都であるダマスカスに由来します。

 

 

gazelle:ガゼル

 

アフリカにすむシカの仲間です。

 

 

giraffe:キリン

 

アラビア語で「速く歩くもの」という意味です。

 

 

harem:ハーレム

 

イスラム社会における女性だけが出入りできる居住場所のことです。ちょうど中国の後宮や江戸幕府の大奥と似たものになります。

 

セイウチやアザラシの群れのことをハーレムといいますが、一夫多妻の群れをあらわす生物学の用語にもなっています。

 

 

jar:水差し

 

 

jasmine ジャスミン

 

シリアの「市の花」やパキスタンでは「国花」となっています。

 

 

jinn:ジン

 

アラジンと魔法のランプにでてくる魔人のことです。女性形はジーニーです。

 

 

lemon:レモン

 

 

lime:ライム

 

柑橘類のライムのことです。石灰も英語では lime といいますが、こちらはゲルマン語が語源です。

 

 

magazine: 倉庫、雑誌、弾倉

 

雑誌は「知識の倉庫」そして、弾倉も「銃弾の倉庫」という意味になります。

 

 

mattress:マットレス

 

 

monsoon:モンスーン

 

 

mummy:ミイラ

 

エジプトはイスラムが生まれてすぐに勢力下におかれました。

  

 

orange:オレンジ

 

レモン、ライムとおなじく柑橘類です。

  

 

safari:サファリ

 

アフリカ北部は長らくイスラムの勢力圏となります。

 

 

saffron:サフラン

 

 

sash:サッシュ(リボン)

 

 

sherbet:シャーベット

 

 

sofa:ソファ

 

sofa はイギリス英語で、アメリカなどでは couch と呼ばれます。

 

 

spinach:ほうれん草

 

 

syrup:シロップ

 

 

tare:風袋

 

 

tariff:関税