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現在進行形っぽい "be going to" が「未来形」になる理由を解説

未来時制(future tense)と未然相(prospective aspect)

 

学校で「未来形」のことを、このように習っていませんか?

 

・「be going to = ~するつもりです」という意味で未来形。

・「will = be going to」と書き換え可能です。

 

 

ところが厳密には英語には「未来形」「未来時制」存在していません

 

その理由は「時制 tense」にあります。

 

原則的に「時制」は「動詞」を「時制に対応する形」にして表します。

 

時制に対応する英語の動詞の形を見ていきましょう。

 

・現在形 ⇒ 現在時制

・過去形 ⇒ 過去時制

・原形 ⇒ 時制とは無関係で使う

 

英語の動詞には「未来時制の形」が存在しないので、未来時制が存在できないんです。

 

一方、フランス語には「未来時制」が存在します。なぜなら動詞が「未来形」に変化するからです。

 

 

英語に未来時制が存在しない理由を詳しく知りたい方はこちらのブログをご覧ください。

 

英語に「未来時制」は無い?法助動詞 will の現在形で「未来」を表す(英文法 No.014)

 

 

それでは英語には「未来時制がない」という前提を共有させていただいた上で次に進んでいきます。

 

 

「未来」の BE GOING TO の時制は動詞で決まる

 

では be going to に話を進めてまいります。

 

さきほどのよくある「未来形」の例文をみてみます。

 

・I will go to school.

・I am going to go to school.

 

 

よくある中学の英語の解説では・・・

 

will と be going to は同じ意味ですよ」

でもニュアンスはちょっと違いますよ」 

 

 

・・・などと言われていると思います。

 

 

しかし私が中学の時に思っていたことは全く違いました。

 

「おんなじ意味って・・・見るからに形が全然違うやん!」

「1年の時に be going って現在進行形』ってゆうたやん!」

 

 

と、いったような強い疑問と不信感を抱いていました。

 

日本の英語教育は「和訳の押し付け」ばかりになっています。

 

一方で、英文法のルール・システムへの素朴な疑問がほったらかしになっています。

  

そこでこの素朴な疑問に迫るべく "be going to" の正体を見ていきましょう。

 

 

まず原則として英文の時制は「動詞」で決まります。 

 

この "be going to" 表現には be 動詞が入っています。

 

となると「動詞」はどう考えたって「be 動詞」です。  

 

 

であれば時制は「現在 am are is」もしくは「過去 was were」にしかなりません。

 

動詞の「未来の変化形」が存在しないのですから仕方ありません。

 

では be動詞を「時制」にあわせて変化させてみます。

 

 

【 現在形 am 】

 

・I am going to do it.

(私はそれをするつもりです)

 

 

【過去形 was 】

 

・I was going to say that. 

(私はそのことを言うつもりでした)

 

 

ちゃんと be going to は「過去時制」でも使えます。

 

be動詞に「過去の変化形 was were」が存在するからです。

 

 

では過去時制の "was going to” をみて「未来形 be going to」に見えますか?

 

ムリですよね。

 

ということで「be going to = 未来」を丸暗記すると適切に英語を使えなくなります。

  

別の言い方をすると、日本の学校で習う英文法を丸暗記することはリスクでしかありません。

 

 

be going to ではなく be going to do(不定詞)

  

そもそもの話ですが、この be going to はイディオムではありません。

 

 

「現在分詞 going」「不定詞の to」のコンビネーションなんです。

 

ですので、必ず I am going to do it のように「to 動詞の原形」で使われます。

 

 

不定詞は「矢印」のイメージの「前置詞」から生まれた "to" と一緒に使われます。

 

しかし、実際にはこの不定詞の "to" は文法書で「前置詞」と呼ばれることは絶対にありません。

 

なぜなら「前置詞 propostion」とは「名詞の詞」だからです。

 

 

不定詞の to は「動詞の原形」とペアで使います。

 

つまり名詞とペアにならないので「前置詞 」ではないんです。

 

その代わりに不定詞の "to" は「particle(不変化詞)」や「infinitive marker(不定詞マーカー)」などと呼ばれています。

 

とはいえどちらも「取ってつけた文法用語」です。

 

不変化詞(particle)は他の品詞に分類できない「残り物」をまとめて表現する言葉の意味合いも強くあります。

 

 

ところが私は文法学者ではないので、「あるま・まーた用語」の作成には全く抵抗がありません。

 

ですのでこう言い切ります。

 

 

不定詞とは前置詞だった "to" を「動詞の原形」と組み合わせて「to do / to be(~する方向へ)」と意味する表現です。

 

 

これはウソではなく「前置詞 to」から「不定詞 to」が派生したので、意味を取り違えることにはなりません。

 

実際に Oxford English Dictionary にも前置詞と不定詞の to は同語源として載っています。

 

"Old English tō (adverb and preposition), of West Germanic origin; related to Dutch toe and German zu."

 

 

それゆえ「これからすること」という意味合いが生まれます。

 

ということは同時に「まだやっていない」という意味合いも生まれます。

 

これをあるま・まーた用語で「未然相」と呼びます。

 

 

文法用語の「相 aspect」は「行動の進行度」を表す言葉です。

 

それゆえ「進行相 progressive 」や「完了相 perfect aspect」という言い方があります。

 

不定詞を「未然相」と言い切っている日本の文法書があるのかどうかは存じ上げません。

 

しかし不定詞による「未来表現」は「prospective aspect」として英語の Wikipedia にも載っているものです。

 

(参考)https://en.wikipedia.org/wiki/Prospective_aspect

 

 

というわけで不定詞の「やるつもり&まだやっていない」の意味を「未然相」で表現します。

 

これで「未来時制 future tense」を消して「未然相 prospective aspect」をつくることができます。

 

 

いかがでしょうか?

 

学校でよく習う「未来」の意味が「~するつもりです」となるのは教科書に載っています。

 

そうなのであれば「未然」の意味の「やるつもり(まだやっていない)」で代用できます。

 

  

つまり「現在時制+未然相現時点で~する予定)」でも「未来」を表現できるんです。

 

これが「未然相」をつくる「不定詞」が「未来」と強く関連をもつ大きな理由になります。 

 

 

では次に going の部分はどう理解すればいいでしょうか?

 

この going は「現在分詞」といって「進行相」を作ることができます。

 

それでは「相 aspect」は「進行 progressive」にも関連してくるので、まとめてみていきましょう。

 

 

英語では「相 aspect」は動詞の変化形で表現します。

 

3種類の動詞の変化形が表す「未然・進行・完了」はこちらになります。

 

 

どうでしょうか?

 

未来形とは「 ING(進行相)+ 不定詞(未然相)」の合わせ技のことなんです。

  

もし暗記するなら「未来形は be going to」ではダメです。

 

ですので文法を解説するとこうなります。

 

なにやら SemanticsSyntax という見慣れない英語がありますね。

 

英文法の解釈は基本的にはこの2つが軸になるので解説します。

 

・統語論文法(Syntax)=「ルール・システム重視の文法解釈」

・意味論文法(Semantics)=「意味・ニュアンス重視の文法解釈」

 

 

 

英文法にはこのような2つの見方がすでに存在しています。

 

では、その実物を be going to を例にみてみましょう。

 

上記は English CLUB のホームページからスクリーンショットを引用したものです。

 

(引用元: https://www.englishclub.com/grammar/verbs-m_going-to.htm

 

 

普通に「be動詞+ going(進行)+ to do(不定詞)」の組み合わせで表現されています。

 

なぜなら "be going to" でイディオムのようにまとめる必要がないからです。

 

 

この「統語論文法 Syntax」の解釈なら「未来」ではなく「進行+未然」を「時制」と組み合わせることができます。

 

それでは先ほどの例文を訳してみましょう。

 

・I am going to do it. (現在形)

「私は(現時点で)= 向かっています する方向へ それを」

(私はそれをするつもりです。)

 

 

つまり「現在時制で未来の行動について話している」ということです。

 

英語の Wikipedia にもこう載っています。

 

"The basic form of the going-to construction is in fact in the present tense (...) It may therefore be described as expressing prospective aspect"

 

「未来表現の going to の基本形は実際には現在時制である(中略)それは『未然相 prospective aspect』を表現するものとして解説されることもある」

 

(引用元:Going-to future - Wikipedia

 

 

なんと英語の Wikipedia に「実質的に現在時制 in fact in the present tense」そして「未然相 prospective aspect」って書いてあります!!!

 

 

基本的には英文は going to 限らず「動詞が現在形」なら「現在時制」です。

 

これを「未来形」と理解する必要なゼロです。

 

 

統語論文法(Syntax)の解釈では「未来」はこうなります。

 

現在時制+未然相 ⇒ 未来表現

 

 

 

では be going to の動詞を「過去時制」に変更してみます。

 

もちろん be動詞が過去形になれば、過去の時点での話へと変わります。

 

 

・I was going to say that. (過去形)

「私は(過去の時点で)= 向かっていました 言う方向へ そのことを」

(私はそのことを言うつもりでした)

 

 

つまり「過去時制で未来の行動(未然)について話している」ことになります。

 

「be going to」が「時制+進行+未然」の表現と理解すれば、何の問題も起こりません。

 

 

不定詞 to も前置詞 to も意味はほぼ同じ

 

とはいえ going to だけだと「前置詞 to」なのか「不定詞 to」なのかわかりにくいかもしれまえん。

 

しかし、この分類はあまり深刻に考えなくても大丈夫です。

 

・前置詞 to 名詞

・不定詞 to 動詞の原形

 

 

実はこのどちらも同じような感覚で理解することが可能だからです。

 

では実際に例文を見ていきましょう。

 

A: I am going to school

B: I am going to go to school.  

C: I am going to school him.

 

 

この3つの文章の意味がわかりますか?

 

最後の C がちょっと難しいかと思います。では解説に行きます。

 

 

~ going の行き先が場所(名詞が目標)~

 

A: I am going to school

「私は = 向かっています ⇒ 学校へ」

 

 

~ going の行き先が不定詞(動詞が目標)~

 

B: I am going to go to school. 

「私は = 向かっています 行く方向へ 学校へ 」

 

 

C: I am going to school him.

「私は = 向かっています 教育する方向へ 彼を 」

 

*動詞の school には「教育する」という意味があります。 

 

 

いかがでしょうか?

 

前置詞 to でも不定詞 to でも「~の方向へ」と訳せばうまくいきます。 

 

上のすべての例で英語の語順通りに理解すれば大丈夫です。

 

 

こうなる理由は、もともと「going どこかに to するために」という表現から「未来表現」が生まれてきたからです。

 

実際に英語の Wikipedia から記事を引用します。

 

"The original construction involved physical movement with an intention, such as "I am going [outside] to harvest the crop." The location later became unnecessary, and the expression was reinterpreted to represent a near future."

 

「もともとの(going to)の構造は(行動しようとする)意図と共に物理的な動きを含んだ意味をもっていた。例としては『 I am going (outside) to harvest the crop 私は収穫をしに外へ向かう』のようなものがある。後に「場所(に移動するという)」の概念が無くなり、この表現は近未来を示す表現に再解釈された。」

 

(引用元:Going-to future - Wikipedia

 

 

もともと「行動」も「場所」も「going」の行先だったんです。

  

未来表現だけが分離されたものを「be going to は未来形」と丸暗記してしまうと、応用ができません。

 

しかし形を見ただけでは「行動」か「場所」かを区別できません。

 

この表現をしっかりと理解するには「方向の to」が示す「go」の行先は何なのか?ということを適切に判断することが重要です。 

 

 

 

不定詞(未然相)をつかった未来表現

 

ここからは「不定詞」をつかったいろいろな未来表現をみていきます。

 

英語のご先祖様のひとつにラテン語という言葉があります。

 

そのラテン語には「未然相」をつくる「未来分詞 future participle」があります。 

 

私がいろいろ調べた限りではこの「未来分詞」の英訳は「to do / to be(不定詞)」を含んだ表現がほとんどです。

 

(参考)https://www.nationalarchives.gov.uk/latin/stage-2-latin/lessons/lesson-19-participles-present-past-and-future/

  

 

さて、それでは英語の「不定詞(≒未来分詞)」に進みます。

 

 

★ be to 構文(be to do) ★

 

みなさんよくご存じの「be to 構文」です。

 

では、さっそくみていきましょう。

 

 

・I'm to report to the principal this afternoon. (duty)

「私は今日の午後、校長に報告することになっている。」

 

・The Prime Minister is to visit the West Bank. (plan)

「首相はヨルダン川西岸地区を訪問する予定だ。」

 

 

上記の2つの例文は英語の Wikipedia の「going-to-future」の記事から拝借しました。

 

この記事の中で「be to 構文」も「未来表現」として解説されています。

 

 

"This is similar in form to the going-to future, with the omission of the word going. [...] The meaning of this construction is to indicate that something is expected to happen at a future time"

 

「これ(be to 構文)は『going to の未来表現』から going を抜くと、形が似ている。(中略)この構文の意味は物事が未来において起こることが予期されていることを示す。」

 

(引用元:Going-to-future - Wikipedia

 

 

よく日本の英語教育では「be to 構文」について・・・

 

 

「予定・可能・運命・意志・義務」の5つの意味を覚えよう!

 

 

・・・と言われていますが、その必要は全く必要ありません!

 

 

文法書には構文やイディオムとして載っています。

 

しかし文構造はただの「be + 不定詞の形容詞用法」です。 

 

 

それゆえ、さきほどの Wikipedia の記事にある通り「be to 構文」は「未然(やる予定だが、まだやっていない)」ですべて説明可能です。

 

 

★ be about to ★

 

こちらもよく見るイディオムですが、ただの不定詞をつかった「未来表現」です。

 

 

・The castle is about to fall.

「その城は = もうすぐ陥落しそうだ」

 

 

前置詞と副詞で使う about には「周辺、約」という大きな意味があります。

 

これを「未然相」とミックスすると「ほぼ~しそうな状況」つまり「いますぐにも~しそう(まだやってないけど)」となります。

 

というわけで、この表現も「about(周辺)+ to do(未然相)」と捉えてよいと思います。

 

文法構造は be to 構文に about を加えた表現とみてもよいでしょう。

 

 

★ be yet to ★

 

こちらも同様に不定詞が入る「未来表現」です。

 

 

・The best is yet to come.

「最高のことは = まだこれから 来る予定(まだ起きていない)」

 

 

副詞 yet には「まだ(完了していない)」というニュアンスがあります。

 

これが「未然相」の不定詞とペアになって「まだこれから起こる(まだ起きていない)」という表現を作ります。 

 

こちらも文法構造は be to 構文に yet を加えた表現とみることも可能です。

 

 

さて、ここまで be going to 以外の「未来表現」で代表的なものを紹介させていただきました。

 

これらのほかにも不定詞を使えば「未来っぽい表現」をたくさんつくることができます。

 

どんな表現であっても「未来時制」ではなく「未然相」であることをおさえておけば大丈夫です!

 

 

 

現在分詞(進行相)をつかった未来表現

 

では次に「進行相」をつかった未来表現です。

 

早速ですが、このような例文を高校で習ったことはありませんか?

 

 

・She is having a baby soon.

「彼女はもうすぐお母さんになる」

(彼女は= 持つことになる 赤ちゃんを すぐに)

 

・We are winning this game tonight!

「今夜のこの試合、絶対勝つぞ!」

 

 

 

これは「近未来を表す進行形」と文法書に載っているものです。

 

しかし、なぜ「現在進行形」が「未来」になるのか理由はわかりませんよね?

  

 

英語における「進行形」とは「進行相 progressive aspect」といって「時制」とは区別できるものです。

 

そして「進行相」とは行動が「実行中 1~99%」であるというニュアンスを持ちます。

 

つまり「完了相 100%」に向かって「進行中」というわけです。

 

 

では、再確認のため「相 aspect」の一覧を見ていきます。

「進行相」には「やっているけど、まだおわっていない」という意味があります。

 

そうなると「進行 = 未完了」という意味を表現することも可能です。

 

これを「現在時制+進行相」につかうことで「もうすぐ完了する予定です」という「近未来表現」が可能になります。

 

 

ちなみにラテン語には「未完了時制 imperfect tense」というものが存在します。

 

これは「過去の時点で完了途中だった」という意味を持つ時制です。

 

 

しかし英語には「未完了 imperfect」という表現はありません。

 

それゆえ「was/were + doing(進行相)」 で代用します。

 

 

【 過去時制+進行相 past tense + progressive aspect

 

・I was helping her.

(私は彼女を助けようとしていた。)

 

⇒「過去において、完了に向けて進行中だった

 

 

このように「進行」には「完了途中」というニュアンスが含まれています。

 

これは「未然相(不定詞)」が「やる予定」だけど「まだやってない」というニュアンスを持つのと同様です。

 

このように「進行中 ≒ 完了途中」となれば「未来においてもうすぐ完了する」という「近未来」に応用できます。

 

 

これを否定文に応用すると・・・

 

・You are not going anywhere.

 

(あなたは = 向かうことにならない どこか別の場所に)

⇒「お前に逃げ場はないぞ」

 

 

・・・のように使うこともできます。

 

このように「完了相」を「行動の到着点」という視点をもって「進行相」をとらえることで「未来表現」をつくることができます。

 

「時制 tense」と「相 aspect」を分離して考えると英語の「未来」が見えてきます。

 

 

未来を理解できれば、仮定法も理解できる

 

英語のあらゆる未来表現が「あくまでも現在からの方向性」であることはご説明できたかと思います。

 

つまり「(まだ)事実ではない」ということが「未来表現」の本質です。

 

 

実は「事実ではないこと」には「irrealis 非現実」という英文法用語があります。

 

残念ながら、日本語の英文法用語では「仮定法」としてひとまとめによばれていて、細かな区別や解説はなかなか見当たりません。

 

 

この「仮定」にも「助動詞 modal verb」がたくさん登場します。

 

英文法の「法 mood」はラテン語の「modus」に由来し、英語の「mode 方法、形式」に近い用語になります。

 

つまり「事実でないことを表現する形式」つまり「仮定法」ということです。

 

こういった文法用語の意味をしっかり理解すると英語の意味がちゃんと頭の中に入ってきます。

 

 

学校や塾などで習う英文法に疑問点がある場合は、メールでもコメントでもどうぞお問い合わせください! 

 

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