be動詞+過去分詞が受動態なんて大ウソ!受身は五文型で極める (英文法 No.018)

英文法を習うと、過去分詞が最初に登場するのは「受動態(受身)」です。

 

このように習っていないでしょうか?

 

 

be動詞 + 過去分詞 は「受動態」

 

 

 

そして受動態の作り方として・・・

 

 

主語(S)と目的語(O)を入れ替えて、be動詞 + 過去分詞にする 

 

 

と習います。

 

 

これを実際にやってみると・・・

 

 

(普通文) Mitsuhide killed Nobunaga.

  

(受動態) Nobunaga was killed by Mitsuhide.

 

 

となります。

 

 

実際に参考書やネットでもよくこのように説明されています。

 

 

 

しかし、実はもっともっと重要なことがあります。

 

 

なぜなら・・・ 

 

 

★ 受動態をつくるのに be動詞は必要ありません!!

 

 

"Nobunaga got attacked by Mitsuhide's force at Honno-ji Temple."

 

「信長は本能寺で光秀の軍に攻撃を受けた。」

 

 

この文章に be動詞はありませんが、これは紛れもなく受動態です。

 

 

 

さらに・・・

 

 

★ be動詞 + 過去分詞が「受動態」であるとは限りません!!

 

 

"Since Lord Nobunaga is gone, now is your perfect opportunity."

 

「もはや信長様はおられませぬゆえ、今が絶好の機会でございますぞ。」

 

 

gone は go の過去分詞です。

 

be動詞と一緒に使われていますが、受動態ではありません

 

 

 

このような文章はいくらでもあります。

 

 

よくある過去分詞の誤解は中学で「be動詞 + 過去分詞は受動態」と丸暗記することから始まります。

 

 

 

中学の例文で be動詞を使うのは、あくまで「一番シンプルな例」だからです。

 

 

ではいくつかポイントを絞って、真実をお伝えします。

 

 

受動態そのものに be動詞一切関係ありません

 

・過去分詞だけ受動態関係しています。 

 

さらに過去分詞完了とも関係しています。

 

ですが受動態と完了別物です。

 

 

 

ここから、このブログでは受動態を細かく解説していきます。

 

 

そのため「過去分詞」の正体をまず完全に理解する必要があります。

 

 

「過去分詞はよくわからん」という人はこちらをどうぞ!

 

 

過去時制と無関係? 過去分詞は「受身・完了」の形容詞(英文法 No.017)

 

 

超重要なことを書いているので、まずは確認をお願いします。 

 

 

 

 

では、ここあとの内容は、このブログ(↑)を踏まえて解説します。

  

 

 

過去分詞の意味をまずは確認

  

それでは受動態について深入りする前に「過去分詞」の確認です。

 

 

 

★ 過去分詞は動詞の変化形です。

 

過去分詞の品詞は形容詞として扱われます。

 

過去分詞は過去時制とは全く関係ないものです。

 

★ 過去分詞には「受動態」と「完了相」の両方の意味があります。

 

★過去分詞(past participle)は「受身・完了分詞 passive perfect participle」と呼ばれることもあります。

 

have / has/ had と一緒に使われて、完了を表す動詞となる用法例外です。

 

 

 

この時点で「???」となる場合は、先ほどの「過去分詞」のブログを読んで頂けると嬉しいです。

 

 

それでは、過去分詞の理解を共有させていただいたところで、本題に入ります。

 

 

 

Can you Truly see the voice?

 

いきなりですが、英文法の用語である「態」の意味はご存じでしょうか?

 

 

中学校では「受動態」を習います。

 

それにもかかわらず「態」の意味を習わないんです。

 

 

 

「態」の意味を知らずに「受動態」が理解できるわけがないと思うんですが・・・。

 

さて、それはさておき「態 voice」の意味を調べてみましょう。

 

 

 

Wikipedia から英語と日本語でそれぞれ引用します。

 

文法用語で「態」を意味する voice は「声」とは無関係なのでご注意ください。

 

 

"In grammar, the voice of a verb describes the relationship between the action (or state) that the verb expresses and the participants identified by its arguments (subject, object, etc.)."

 

(引用元)https://en.wikipedia.org/wiki/Voice_(grammar)

 

 

 

「態(たい)またはヴォイス (voice) は、伝統的な文法において、動詞の形を変える文法範疇の一つで、動詞の表す行為を行為者の側から見るか、行為の対象の側から見るかに従って区別するものである。」

 

(引用元)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%85%8B

 

 

 

英語と日本語はすこし表現が違うのですが、内容はほぼ同じです。

 

 

では「態」をざっくりまとめてみます。

 

 

「文法用語の『態』とは動詞が『するのか?』それとも『されるのか?』を区別するもの

 

 

 

ここまでならカンタンです!

 

 

おそらくほとんどの方が理解していると思います。

 

 

「~する」⇒「~される(受動態)」

 

「~させる」⇒「~させられる(受動態)」

 

 

 

日本語だと受動態の理解はカンタンですね!

 

 

 

ですが、ここで話は終わりません。

 

英語の受動態には日本語に存在しない条件が必要になります。

 

 

 

No passive voice without active voice

 

英語の受動態は「する ⇒ される」という理解だけではダメなんです。

 

 

英語の場合は、受動態にできる動詞は「能動態」にできる動詞である必要があります。

 

 

ですが「能動態」の解説は中学では行われません。

 

 

そこで Wikipedia から「能動態 Active Voice」について英語と日本語で引用します。

 

 

"(Active voice) is the unmarked voice for clauses featuring a transitive verb in nominative–accusative languages, including English and most other Indo-European languages. A verb in such languages is usually in the active voice when the subject of the verb performs the action named."

 

(引用元)https://en.wikipedia.org/wiki/Active_voice

 

 

 

能動態(のうどうたい、英: active voice)とは、文の態のひとつ。対応する受動態が存在する場合、能動と受動の対立のうちの無標の態を指す。初期変形文法の枠組みでは、核文に受動変換 (passivization) を適用したものが受動態の文であり、適用せずに表層形に写像したものが能動態の文となる。」

 

(引用元)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%BD%E5%8B%95%E6%85%8B

 

 

 

これが「能動態」の解説になります。

 

なんだか「受動態」より難しそうです。

 

 

でも大丈夫です。理解すべきことはシンプルです。

 

 

 

「能動態 Active Voice」というのは「受動態 Passive Voice」に対応するものです。

 

 

めちゃくちゃざっくりいうと、中学で習う「受動態にする前の文章」のことです。

 

 

 

では、中学で出てきそうな例文を見ていきましょう。

 

 

能動態:主人公は する ~を

 

 

・I eat an apple.

 

(私は りんごを たべる)

 

 

 

受動態:主人公 は される ~によって 

 

 

・An apple is eaten by me. 

 

(りんごは たべられる 私によって)

 

 

 

"I eat an apple." というなんの変哲もない文章が「能動態」です。

 

 

しかし、実はこの中に「能動態」に欠かせない「ある条件」がちゃんと存在しています。

 

 

 

それは an apple という「目的語(object)」です。

 

 

能動態の文章にある「目的語 O」を「主語 S」に変えることで、受動態の「~される」という意味になります。

 

 

ということは「目的語のある文章だけが能動態」です。

 

 

 

「態」は動詞ごとに設定されているわけではありません。

 

 

動詞が目的語をとる場合だけ「態」が適応されます。

 

 

 

・I walk here.(態なし)

 

「私は 歩く ここで」

 

 

・I walk my dog here.(能動態)

 

「私は 歩かせる 私のイヌを ここで」

 

 

・She got busy. (態なし)

 

「彼女は 得た 忙しい状態(彼女は忙しくなった)」

 

 

・She got an idea. (能動態)

 

「彼女は 得た 一つのアイデアを(彼女には考えが浮かんだ)

 

 

 

 

このように「目的語」があるからこそ「能動態」になります。

 

 

さらに「能動態」だからこそ「受動態」にできるんです。

 

 

 

逆の言い方をするとこうなります。

 

 

「目的語のない動詞は能動態にできません」

 

「能動態にならない動詞は受動態にできません」

 

 

 

だから「be動詞 + 過去分詞は受動態」というのは大ウソです。 

 

 

 

中学校では「SVO の受動態」しか習わない

 

これまでで、目的語があるからこそ受動態にできることがわかりました。

 

 

ここで、中学英語を思い出してください。

 

 

・I live here. を受動態にしなさい。

 

・I became happy. を受動態にしなさい。

 

 

 

このような問題を一度でもみたことがありますか?

 

ありませんよね?

 

 

理由はカンタンです。 

 

 

これらの文は受動態にならないんです。

  

受動態に必要な「目的語」がそもそも存在しないので。

 

 

 

中学で「受動態」を習う時、実はある一定の法則があります。

 

 

例文で使われる動詞がすべて SVO のパターンなんです。

 

だから「受動態」になるのは当たり前です。

  

 

 

実際に、中学レベルの教科書やワークを開いてみてください。

 

 

SVO 以外の過去分詞も紹介しているものがありますか?

 

おそらくほとんどはそうではないと思います。

 

 

 

ここで基本に帰りましょう。

 

というより正気に戻りましょう。

 

 

 

英語の動詞は5パターンあります。

 

いわゆる五文型です。

 

 

① SV

② SVC

③ SVO

④ SVOO

⑤ SVOC

 

 

目的語は英語で Object なので O と言われています。

 

 

① SV / ② SVC には目的語がありません。

 

 

これらは「受動態」になりますか?

 

もちろん無理です。

 

 

SV と SVC の過去分詞は中学では完全に無視されています。

 

そのまま高校英語を習うと、とんでもないことになるので、すこし解説をします。

 

 

 

SV と SVC の過去分詞は「完了相」だけ!

 

第1文型「SV」をとる動詞は「自動詞」と呼ばれます。

 

第2文型「SVC」をとる動詞は「不完全自動詞」と呼ばれています。

 

 

わざわざ「不完全」と呼ばれるのは動詞の後ろに「名詞」を置けるからです。

 

 

"Hideyoshi became a unifier of Japan."

 

(秀吉は なった 天下人に)

 

 

 

上の例のように unifier は名詞で SVC の C(補語)に入ります。

 

 

「不完全」とは SV だけの自動詞ではないよ!

 

動詞の後には、目的語ではなく補語として名詞がくるよ!

 

 

ということです。

  

 

SV と SVC の動詞は受動態にできません。

 

 

ですが SV と SVC の動詞を「過去分詞」にすることは可能です。

 

 

いろんなブログで「自動詞は受動態にできません」とよく言われています。

 

ですがこれは「自動詞は過去分詞にできない」という意味ではありません

 

 

自動詞は過去分詞にしてもかまいません。

 

 

ただ自動詞の過去分詞には、受動態の性質がないというだけです。

 

 

そもそも過去分詞には「完了相」「受動態」の両方の性質がありました。

 

 

だから SV と SVC の過去分詞には「完了相 perfect aspect」だけ適応すればいいのです。

 

 

 

"Nobunaga is gone."

 

(信長はもういない / 亡くなった / どこかへいってしまった) 

 

 

"His son also is become dead."

 

(彼の息子も死んでしまった。)

 

 

 

あれ? なんかおかしくない?

 

 

" ~ is become dead." って間違ってへんの?

 

" ~ has become dead." が正しいんやないの?

 

 

 

と、思いませんか?

 

 

ご指摘はごもっともです。

 

しかし is become が「本来は」正しい英文法です。

 

 

ただ現在は「have +過去分詞」を使うほうが一般的になってしまいました。

 

 

もともとは、この have のほうが「例外」なんです。

 

 

 

とはいえ実際に、そんな使われ方をしているのか気になりますよね?

 

 

グーグルで "is become dead" で検索してみます。

 

 

” ” (ダブルクォーテーション)でくくると、その語順のままのフレーズで検索できます。

 

 

そうすると、20万件以上ヒットします。

 

ここまで単語を限定して、これほどヒットするんです。

 

 

なぜなら、この用法が間違いではないからです。

 

 

 

このまま深入りしたいところですが、今回は「受動態」がテーマです。

 

 

この話は「have + 過去分詞」が完了形になる理由とあわせて、別のブログで解説します(ブログ執筆中)

 

 

 

自動詞か? 他動詞か?よりも 五文型

 

ここで「自動詞」と「他動詞」の区別をみてみます。

 

 

自動詞:目的語が取れない動詞( SV / SVC )

 

他動詞:目的語が取れる動詞( SVO / SVOO / SVOC )

 

 

これを過去分詞で考えると・・・

 

 

自動詞の過去分詞:完了相のみ

 

他動詞の過去分詞:完了相 & 受動態

 

 

 

ですが、はっきり申し上げると「自動詞・他動詞」の区別は必要ありません。

  

 

英語の動詞を分類する上で必要なのは「五文型」です。

 

 

受動態の有無だけなら「自動詞 or 他動詞」だけみればよいです。

 

 

しかし、英語の文法構造を正確に見抜くために、五文型ごとに理解する必要があります。

 

 

 

"Life is an exciting business and most exciting when it is lived for others."

 

(人生はすばらしいものだ。そして、ほかの人たちのためにその人生が生きられるとき、もっともすばらしいものになる。)

 

- Albert Schweitzer

 

 

 

この場合の live の過去分詞 lived は受動態をとります。

 

 

動詞 live は「~を生きる」という他動詞(SVO)で使います。

 

 

 

"You are the only one who has to live your life."

 

(あなたの人生を生きねばならぬのはあなただけだ。)

 

- David Viscott

 

 

  

これは SVO の文ですので、能動態 ⇔ 受動態の関係が成り立ちます。

 

そうなると live の過去分詞で受動態を作ることができます。

 

 

You live your life. (能動態)

 

Your life is lived.(受動態)

 

  

 

ここで挙げた例のように「どの動詞がどの文型をとるのかを知る」ことで受動態はマスターできます。

 

 

これは言葉でいうほどカンタンではありません。

 

話はもっと話はややこしくなります。

 

 

 

例として get をみていきましょう。

 

 

第2文型:You got busy. (SVC)

 

第3文型:You got a gift. (SVO)

 

第4文型:You got me a gift. (SVOO)

 

第5文型:You got me busy. (SVOC)

 

 

 

ご覧のように動詞 get に至っては4パターンとることができます。

 

そうなると動詞に対してもつ重要な視点はこうなります。

 

 

「この動詞は五文型のうち、いくつのパターンをとることができるのか?」

 

 

その動詞のとることができる5文型のパターンを理解しているからこそ、過去分詞に受動態の「ある /なし」を使い分けることができます。

 

 

結局、英語を正確に運用する力は、動詞の5文型パターンの習得レベルに依存します。

 

私の見ている限り、英単語の和訳をいくら覚えても、英語がボロボロな人は、システム・ルール的な理解が欠けているケースがとても多いです。

 

 

では、ここから各文型ごとに「受動態」をつくっていきましょう。

 

 

 

第3文型 SVO の受動態

 

学校でさんざんやらされる「be動詞+過去分詞」のパターンです。

 

さっそく例文を見ていきましょう。

 

 

 

・I make my decision.

 

「私は つくる 私の決断を(私は自分で決める)」

 

 

・My decision is made.

 

「私の決断は = 作られた(私の決断はもう固まった)」

 

 

 

学校は「受動態」ばかり教えてきます。 

 

しかし過去分詞には「完了相」も含まれています。

 

 

この例文は「私はもう決断した!」という意味で使います。

 

 

 

完了相を知らず、受動態だけしか意味をとれないと「私の決断は(誰かによって)される」になってしまいます。

 

 

しつこいようですが「過去分詞」「受身・完了の形容詞」であることを頭に叩きこんでください。

 

 

 

第4文型 SVOO の受動態

 

ここからすこし変則的なパターンに入っていきます。

 

 

私が見ている限りだと、このパターンが苦手な人が多いようです。

 

 

でも、SVOOの受動態の練習をすれば大丈夫です。

  

SVOO の受動態の作り方をここでマスターしていきましょう。

 

 

それでは、中学で出てきそうな例文でチャレンジです。

 

 

・I gave him a pen.

 

「私は 与えた 彼に 一つのペンを」

 

 

 

giveSVOO の文型をとることができる動詞です。

 

目的語(O)を2つ連続でおけるので、名詞が2連続で並びます。

 

 

give の意味は語順通りで「与える ~ に ~ を」となります。

 

 

ここで大切なことは「目的語(O)」が2つあることです。

 

 

I gave him (O) a pen (O)

 

 

 

受動態は「目的語を主語に変える」という形のことです。

 

ということは主語の候補が2つあるということになります。

 

 

 

この例文では hima pen の2つが主語候補です。

 

実際に SVOO の受動態を2つ作ってみます。

  

 

 

① He is given a pen.

 

② A pen is given him. 

 

 

 

2つとも given の後ろに名詞が存在しています。

 

もしかすると SVO の受動態ばかりみていると、すこし戸惑うかもしれません。

 

 

ですが、その仕組みはシンプルです。

 

 

まずは ① He is given a pen. からみていきましょう。

 

 

 

この構図をくわしく解説します。

 

 

① まず目的語 (O)主語 (S) に変化します。

 

② 次に動詞 give が 過去分詞 given になると品詞は「形容詞」扱いになります。

 

He given だけでは動詞がないので、文章として成立しません。

 

④ それゆえ was という be動詞を使って given を SVC パターンで使います。

 

⑤ given はもともと動詞だったので、その特性を引き継ぐことができます。

 

⑥ しかし、目的語 him は主語に変化しているので、もうひとつの目的語 a pen だけそのまま保持します。

 

 

 

受動態への変化は、たまたま最も一般的に使いやすい be動詞を使っているだけです。

 

 

このケースでは was を使っています。

 

代わりに got でも look でも SVC のパターンの動詞なら、なんでも同じように機能します。

 

 

"He got given O'."

 

 

これでも文法が正常に機能します。

 

ただ、こういう表現が自然かどうかはまた別の話になります。

 

 

また「分詞」とは「動詞としての特性をもつ形容詞」という意味です。

 

 

それゆえ変化する前の動詞の「目的語」や「補語」を引き継いだ「形容詞」として機能します。

 

そのため「補語 C」であると同時に、サブ機能として「動詞 V'」になります。

 

 

動詞の変化形である現在分詞でも不定詞でも「サブ機能」として「動詞 V'」の機能があります。

 

 

**この文法解説は通常の日本でよく見る英文法とは違うアプローチなので、ご質問があればメールやコメントくだされば個別で回答させていただきます**

 

 

 

さて、話を戻します。

 

 

日本の学校で一番多く目にする SVO の受動態は、目的語が一つしかありません。

 

それゆえ、SVOの受動態ばかり見ていると、過去分詞の後に名詞が来るのに違和感を感じるはずです。

 

 

ですが、これも基本の英文法の話です。

 

 

 

過去分詞も動詞の五文型パターンを知らずに正確に運用できません。

 

動詞は「意味」や「ニュアンス」だけでなく五文型パターンも覚えてください。

 

 

 

では次に、今度は a pen を主語にしてみましょう。

 

 

これは先ほどの解説を a pen と him を入れ替えただけです。

 

 

SVOO は目的語が2つあります。

 

しかし、どちらの目的語を主語にして受動態をとろうと同じ仕組みです。

 

 

カラクリはとてもシンプルですね!

 

 

 

カンタンすぎて、これでは面白くありません。

 

 

ということで、ここでクイズです。

 

 

下の2つの例文はほぼ同じ意味です。

 

 

 

α: A pen was given him.

 

ω: A pen was given to him.

 

 

Q:なぜ前置詞 to の有無にかかわらず、この2つの文章は同じ意味になるのでしょうか?

 

 

 

ここでじっくり考えてもらえるとレベルアップするよい機会になります。

  

 

答えは出ましたでしょうか? 

 

 

実はこの答えもカンタンです。

 

 

もともとの能動態の文章がほぼ同じ意味なんです。

 

 

(A) I gave a pen to him. 

 

「私は 与えた ペンを 彼に」

 

*第3文型:SVO to 名詞

 

 

(Z) I gave him a pen. 

 

「私は 与えた 彼に ペンを」

 

*第4文型:SVOO

 

 

 

オリジナルの2つの文章がほぼ同じ意味なので、受動態にしても意味がほぼ同じになります。

 

もちろん受動態に変えるルールもこれまでと同じやり方でOKです。

 

 

では「SVO to 名詞」のパターンの図解にいきましょう。

 

 

前置詞と名詞がペアになると文の要素(SVOC)に入りません。

 

文法用語では「副詞 adverb」とか「修飾語 modifier」と呼びます。

 

 

あるま・まーたでは、ほかの用語と区別するため「文の要素(SVOC)に入らない部分」をあえて「おまけ要素」と呼んでいます。

 

 

 

この場合に限らず、すべての受動態に関して「元々の能動態」を瞬時に理解できるとレベルが一気に上がります。

 

 

たとえ和訳が同じ意味でも、文の構造が違うなら必ずその理由があります。

 

 

システムさえ理解していれば、意味は自然に頭に入ってくるように英文法は出来ています。

 

 

 

第5文型 SVOC の受動態

 

次に SVOC の受動態に行きます。

 

今回は、ちょっと学校では出会わないような例文を使ってみます。

 

 

・God made us able.

 

「God は つくった 我々を 能力をもつ状態に」

 

 

 

これはキリスト教の話がわからないといまいちピンとこないかもしれません。 

 

キリスト教の世界観では、この世界のあらゆるものは「創造主 the Creator」つまり「絶対神 God」によって作られたとされます。

 

我々人間も同様です。 

 

 

それゆえ「God は我々人間に (判断・実行する)能力を授けてくれていた」と解釈できます。

 

 

では、この文章を受動態にしてみましょう!

 

 

こういった仕組みが見えればカンタンだと思います。

 

 

しかし SVOC の受動態には注意するポイントがあります。

 

 

それは過去分詞の直後のサブ構造の補語 C'には「名詞」と「形容詞」の2つ種類の可能性があることです。

 

この例で行くと able に当たります。

 

 

 

① 補語 C' が名詞

 

 

・ In Islam, Jesus is considered a messenger of God and the Messiah.

 

(イスラムにおいて、イエスは = 考えられている God の言葉を伝える者そして救世主として。)

 

 

 

consider OC で「O=Cと考える、みなす」という第5文型をとります。

 

それゆえ 過去分詞 considered の直後に「補語 C'」に名詞が入ります。 

 

 

受動態とは関係ありませんが、イエス・キリストの意味に興味がある方はこちらも参考ください。

 

イエス・キリストは名前じゃない!?オリーブオイルとキリスト教その意味がわかる

 

 

 

② 補語 C' が形容詞 

 

 

・Translating the Bible was considered heretical.

 

(翻訳すること 聖書を (過去) = 考えられていた 異端な(状態)と。)

 

 

 

こちらは heretical という形容詞が入っています。 

 

ちなみに heretical(異端)とは「キリスト教の教えと異なる」という意味です。

 

 

キリスト教は「異端」を認めません。

 

なぜなら聖書にそう書いてあるからです。

 

聖書にどう書いてあるか気になる方はこちらをどうぞ。

 

 

学校は教えない代名詞 thou thy thee thine(英語うんちく No.004)

 

 

 

さて話を戻しまして、補語は日本語に存在しない文法概念です。

 

英語初心者の場合、SVOC をとる第五文型の動詞そのものがいまいちピンとこないと思います。

 

 

しかし、そのままなんとなく流していると受動態になったときに余計に困ります。

 

 

第五文型(SVOC)の動詞もしっかり覚えましょう。

 

そうすることで過去分詞になったとしても文法構造を見極めることができます。

 

 

 

自動詞を 受動態とする 奇策あり

 

第1文型(SV)と第2文型(SVC)の動詞(自動詞)は「受動態」にできませんでした。

 

 

なぜなら「目的語」がないからです。

 

 

目的語がないのに過去分詞にしても「完了相」の意味しか存在しません。 

 

 

 

しかし捨てる神あれば拾う神ありです。

 

自動詞にもまだチャンスは残っています。

 

 

ある方法を使えば「自動詞を受動態」にすることが可能です。

 

 

 

では早速、例文を見ていきましょう。

 

 

I was laughed at by him. 

 

 

このような文章をご覧になったことはありませんか?

 

 

これこそが「自動詞」の受動態です。

 

 

 

「なんで at が必要なん?」 

 

「前置詞の by があるやん!」

 

 

と私も思っていました。

 

 

しかし受動態は「能動態」を基準に作られます。

 

だから能動態の文章を考えれば答えは出ます。

 

 

 

まず、laugh は目的語をとれない動詞(自動詞)です。

 

 

それゆえ "I laugh him" にはできません。

 

しかし "I laugh at him" の形なら可能です。

 

 

つまり S laugh at O という形で、実質的に SVO の第3文型を作ってしまいます。

  

 

これを私は個人的に "de facto SVO" とよんで「実質的な他動詞」という理解をしています。

 

 

 

前置詞の力を借りれば、自動詞でも SVO の文型をとり、目的語をもつことが可能です。

 

そうとなれば「受動態」が可能になります!

 

 

 

では、その仕組みをみていきましょう。

 

 

このように「自動詞+前置詞」で「他動詞 SVO」をとるものは数多くあります。

 

 

熟語帳や参考書に載っているイディオム動詞は、受動態でもまとまった形をとることを意識してください。

 

 

ほかの例でいうと account for も「~を説明する」というイディオム動詞で使います。

 

例文は以下のようになります。

 

 

"The origins of the Sun and the Moon are accounted for in Japanese mythology through the myth of Izanagi's return from Yomi." 

 

(太陽である天照と月である月読がどのように生まれたかは日本神話の中で、黄泉の国から伊弉諾尊が戻ってくる話を通して説明された/されている

 

 

(引用元:Wikipedia "Japanese mythology"

 

 

 

イディオム動詞の受動態は、普通にそこらへんでみつかります。

 

簡単な単語の組みあわせのことが多いので、見逃してしまって勝手な解釈をしても自分では気づきにくいです。

 

 

前置詞とペアで過去分詞」をみたときに「きっとイディオム的な動詞なんやろうな」と気づけるだけでも英語の理解力が上がります。

 

 

 

 

同じ動詞でも前置詞がいるの?いらないの?

 

ここまで「第4文型動詞 SVOO」「第5文型 SVOC」そして「自動詞 + 前置詞」の受動態を見てきました。

 

 

もうお判りだとおもいますが、動詞ごとに一つのパターンだけが固定されるわけでありません

 

 

SVOO のところで紹介したよう同じ動詞でも、違うパターンが考えられます。

 

 

・A pen is given to me.

 

・A pen is given me.

 

 

 

この2つの場合は、能動態の形が異なっていました。

 

 

 

ここからはもう少し、踏み込んで違いを見ていきます。

 

では早速、例文を2つ挙げます。

 

 

A: English is spoken in this country.

  

B: Don't speak unless you're spoken to.

 

 

 

A はよく中学でもみる例文です。

 

B の場合、なぜ spoken to になるのか少し疑問が残ります。

 

 

その疑問は speak をよく知ることで解決します。

 

 

speak は「声に出す」ことに中心的な意味があります。

 

 

speak English は「言語を声に出す」ことなので speak の本来の意味の通りです。

 

 

しかし、「誰かにしゃべりかける」場合は「声に出す」ことと違ってきます。

 

 

それゆえ to を使わないと「その誰かをしゃべる」という変な意味になります。

 

というわけで speak to someone の形で「誰かに向けて声を出す」という意味が成立します。

 

 

日本語でも「誰か食べる」のと「誰か食べる」のは大違いですから!

 

 

 

つまりもともとの英文の形がこうなっているんです。

  

 

A': (I) speak English.

 

B': (I) speak to you. 

 

 

ここでは適当に "I" を入れていますが、"they" でも "we" でも、文法的にはなんでもかまいません。 

 

 

では、それぞれの受動態のカラクリをみていきましょう。

 

 

これはカンタンですね。中学2年レベルです。

 

 

では次に spoken to です。

 

 

これも laugh at とカラクリは同じです。

 

 

わかってしまえばなんてことはありません。

 

 

 

名詞を含んでいてもイディオム動詞ごと受動態

 

ここまでで laugh at / speak to / account for のような「動詞+前置詞」を見てきました。

 

 

それに加えて「名詞を含んでいるイディオム動詞」もあります。

 

さっそく例を挙げます。 

 

 

・I take care of him.

 

 

これを受動態にすると・・・

 

 

・He is taken care of.

 

 

となります。

 

 

 

また take care of には「世話をする」という意味があります。

 

しかし、それ以外にも「問題を何とかする」「面倒な人間を始末する」という意味でも使います。

 

 

X: I took care of the problem.

 

Y: The problem was taken care of.

 

 

 

では、実際に文法解説をみていきましょう。

 

 

もうここまでくればカンタンですね!

 

 

では、なぜこの例文を最後に紹介するかというと・・・

 

 

 

「文法上は care が名詞なので、目的語として扱える」

 

にもかかわらず・・・

 

 

「taken care of でイディオム動詞の受動態とする」

 

 

・・・というカラクリがあるからです。

 

 

 

 

ここで注意です。

 

 

"care is taken" という表現は存在します。

 

 

名詞 care は「注意・慎重さ」を意味します。

  

それゆえ「注意は払われた」という意味になります。

 

 

 

能動態と受動態はこうなっています。

 

 

"I take care." ⇔ "Care is taken."

 

 

 

 

つまり care を主語としてとると・・・ 

  

 

"Care of him is taken."

 

 

・・・になります。

 

 

ただ、これはあくまでも英文法において、ルールを厳密に守る場合の話です。

 

 

 

take care of はイディオム表現です。

 

イディオムはあくまでもまとまって意味を成します。

 

 

care だけを主語にすると、イディオムとしての意味が取れなくなります。

 

 

四捨五入もそうですが、単独で「四捨する」とはなかなか言わないですよね?

 

あくまで「四捨五入」というまとまりで使う表現だからです。

 

 

 

だから、take care of をまとめて受動態にします。

 

 

このような「意味を優先した解釈」がイディオムの特性です。

 

 

イディオムの丸暗記をしても英語は運用できません。

 

なぜならイディオムは「例外ルール」だからです。

 

 

イディオムを覚えるときは「正規の品詞の使用ルールからズレている」という認識を忘れないでください。

 

 

 

受動態マスターよりも過去分詞マスターに!

 

さて、おそらくこれぐらいの受動態パターンを抑えておけば、もう困らないと思います。

 

しかし過去分詞が分かりにくいことに変わりはありません。

 

 

過去分詞は、動詞の変化形で「完了相」と「受動態」をもつ形容詞です。

 

 

 

今回は「受動態」に話を絞りましたが「完了」も忘れないようにして下さい。

 

 

 

中学英語を丸暗記するとドロ沼にハマる

 

さて最後に一番重要なことを再確認させてください。

 

 

「be動詞+過去分詞は受動態」と決まったわけではありません。

 

 

こんな基本的なことが中学英語では無視されています。

 

  

「中学英語がすべての基礎」なんて聞いたりしませんか?

 

 

私の視点から言えば、これは大ウソです。

 

 

 

基礎といっても単純な英文ばかり並べた和訳の丸暗記です。

 

将来に応用が利くような英語のシステムの理解の基礎ではありません。

 

 

基礎というのは、あらゆる応用の中心軸になるものです。

 

 

 

中学でならう英文法は「部分的にみれば正しい」とことばかりです。

 

つまり「一定の範囲でしか機能しない」というものが、ほぼ過半数を占めていることになります。

 

 

 

だから義務教育で習う英語が大人になって機能しないんです。

 

 

なにが基礎で、なにが応用なのか、すべてごちゃまぜなんです。

 

なにがシステム的な運用で、なにが通例的な運用なのか、区別できていません。

 

 

文の要素と品詞ルールが基本ルールです。

 

それからズレるものが「イディオム・語法」になります

 

 

なんでもそうですが「カンタンだから基礎」ではありません。

 

 

本当の基礎とは「難易度に関係なく、これさえ押さえれば全体像がみえる!」というものです。

 

 

それを「丸暗記」で誤魔化していたら、どんどん苦しくなっていきます。

 

 

残念ながら「中学英語の丸暗記は超キケン」というのが日本の英語教育の悲しい現実なんです。

 

 

お願いですから、丸暗記ではなくルール・システム的な理解を蓄積する覚悟を気づいた人から持たねばなりません。

 

英語は丸暗記ではうまくいかないことは、我々日本人が一番身に染みて分かっているはずですから。

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コメント: 2
  • #1

    tomo (月曜日, 23 8月 2021 05:00)

    大変分かりやすい解説だと思いましたが、take care ofのところで
     Y: The problem was be taken care of.
    とあるのは
     Y: The problem was taken care of.
    の入力ミスではないでしょうか。

  • #2

    あるま・まーた (月曜日, 23 8月 2021 12:04)

    tomo さん

    ご指摘ありがとうございます。
    おっしゃる通り、こちらのミスです!
    わざわざ教えて頂いて大変助かりました。