過去時制と無関係?過去分詞は「受身・完了」の形容詞(英文法 No.017)

英語の「過去分詞」に戸惑ったことはないでしょうか?

 

 

そもそも「過去分詞」と言いながら「過去時制」との関係がみえません。

 

 

現行の英語カリキュラムでは最初に「be + 過去分詞 ⇒受身受動態)」と習います。

 

 

その後で「have + 過去分詞 ⇒ 現在完了」と教わります。

 

 

こんな疑問は湧いてきませんか?

 

 

過去分詞なのに「過去時制」と関係ないの?

 

・過去分詞の「受身」の意味ってどこからきたの?

 

・「have」と一緒に使えば「現在完了」ってどうして?

 

・現在完了の意味が「~しました」なら過去形とどう違うの?

 

 

 

こういった疑問はふつうに考えれば当たり前に湧いてきます。

 

 

  

私も受験英語しか知らなかった時は意味不明だと思っていた一人です。

 

 

このように、おそらく英語の文法の中でも、一番、本質をとらえにくいのが「過去分詞」だと思います。

 

 

ですが、ひとつひとつのパーツを分解していくと、過去分詞も実は英語のシンプルなシステムの中で運用されていることに気が付きます。

 

そのシンプルなシステムとは「文の要素(SVOC)と品詞」のことです。

 

 

文の要素と品詞がわからないかたはこちらをどうぞ。

 

文の要素と品詞は英語の絶対ルール!(英文法 No.002)

 

 

 

過去分詞も現在分詞と同じく「分詞」です。

 

「分詞」とは「動詞の変化形」「形容詞」の使用ルールに従って運用するものです。

 

 

それゆえ「文の要素(SVOC)」と「品詞の使用ルール」を知ることで過去分詞も「形容詞」として機能させることができるのです。

 

 

 

have の有無で過去分詞の使用ルールが変わる

 

過去分詞の正体を探るうえで、まずに必要な前提条件があります。

 

 

それは「過去分詞が have / has / had とペアで使用されているか?」を見極めることです。

 

過去分詞はこの2つのパターンで運用が大きく変わります。 

 

 

 

have なしの過去分詞の場合(単独用法)

 

 

「意味」:受身と完了

 

「使用ルール」:形容詞

 

 

My job is done

 

私の仕事は = 終わらせられた(完了した)

 

 

  

have とペアの過去分詞の場合(連携用法)

 

 

意味:完了

 

使用ルール:have とペアで「動詞」

 

 

I have learned a new fact.  

 

私は 学んだ 新事実を。

 

 

 

このように過去分詞を分析する上で最も重要なことはこうなります。

 

 

「過去分詞が have とペアになっているかどうか?」により意味と使用ルールが変わる!」

 

 

たったそれだけで、「単独用法(have なし)」と「連携用法 (have あり)」の2つのパターンを見極めることが可能です。

  

 

なぜそんなことになるのかというと、この連携用法「have + 過去分詞」は、本来の過去分詞の使い方から外れて発展したものです。

 

 

それゆえ「過去分詞の単独用法」と区別して運用することが必要です。

 

 

もちろん、なぜ「have を過去分詞とペアにすることで「現在完了」となるのか?」は、別の記事で解説させていただきます(作成中)。

 

 

それでは過去分詞の単独用法である「動詞を変化させ、受身・完了の形容詞」として扱うパターンについてみていきます。

 

 

 

過去分詞は「過去時制」と関係なし!!

 

ここからは「過去分詞」の本来の意味を解説してまいります。

 

まず「過去分詞」は「過去時制」とは一切関係ありません

 

 

英語の場合、時制は文章の基本となる動詞が担当します。 

 

 

This is done.

 

This was done. 

 

This looks finished.

 

This looked finished.

 

 

 

これらは、すべて「SVC」の文型です。

 

done も finished も「過去分詞」なので形容詞扱いです。

 

 

分詞は「動詞の変化形」なので、もはや動詞ではありません

 

 

動詞の変化形には時制は担当できません

 

時制を担当するのは動詞(と助動詞)だけです。

 

 

その代わりに「分詞」は形容詞の使用ルールに従い「補語 C」に入ることができます。

 

 

形容詞の意味と使用ルールを知りたい方はこちらをどうぞ。

 

形容詞の「意味」と「品詞ルール」をカンペキに理解する(英文法 No.009)

 

 

それゆえ上記のように be動詞でも一般動詞 look でも SVC の文型をとるものなら同じように運用できます。

 

 

 

be 動詞を「助動詞」にすると文法が破綻する

 

さて「受動態の be動詞は助動詞」と言っている文法書に出会ったことはないでしょうか?

 

 

"I am done with you!" 

 

 

 

実際に文法書では be動詞は「助動詞」という解説がよくあります。

 

しかし、これは「文章の意味やニュアンスを優先」した解説です。

 

 

動詞の am よりも 過去分詞 done の意味が優先ですよ」という解釈です。 

 

 

しかし、それは文の要素(SVOC)と品詞ルールを中心とする「文法構造を優先」した解釈ではありません

 

 

それゆえ「be動詞は助動詞」と考えると意味は理解できても、文法的に理解するときに混乱をきたすことになります。

 

 

実際に例を見ていきましょう。

 

引用元は「サピエンス全史:ユバル・ノア・ハラリ(著)」です。

 

 

The first railroad in China opened only in 1876. It was 25 kilo-meter long and built by Europeans.

 

 

 

この文章では long(形容詞)と built(過去分詞) が並列で使われています。

 

つまり両方を形容詞として「補語 C」に入れてよいという発想です。

 

 

be動詞が一つしかないのに long の場合は「動詞」で built の時は「助動詞」という考えはかなり無理があります。

 

 

英語は意味はニュアンスだけでなく、ルールやシステムとしてとらえないと意味不明になるパターンが非常に多いです。

 

それゆえ単語やフレーズの意味をいくら覚えても、実際に英語を上手に運用できない人が大勢いるのです。

 

 

もちろん日常会話などでは、省略や造語など山ほどあります。

 

しかし、そういう表現は相手が困らない範囲で使われています。

 

 

さらに、まじめに書かれた文章はシステム化された構造をしています。

 

 

意味やニュアンスよりも「文の要素と品詞ルール」を中心として英語をとらえる解説は「現在進行形」でも有効です。

 

進行形の正体は「動詞っぽい形容詞」(英文法 No.011)

 

 

私のブログの話は、一般的な英文法の解説と異なりますが、英文法をシステム的に理解することを最優先したアプローチであることを念頭に置いていただくようにお願いいたします。

 

 

 

「過去」分詞と呼ばれる理由はラテン語にあり?

 

過去分詞は過去時制とありません。

 

 

しかし「過去分詞」と呼ばれるのには理由があります。

 

その理由を探るために、ここですこし英語の歴史の話をします。

 

 

英語はドイツ語と同様に、もともとゲルマン語(詳しくは West Germanic Languages)というグループから生まれました。

 

 

そして、英語に影響を多く与えた言葉の一つに「ラテン語 Latin」というものがあります。

 

 

ラテン語は古代ローマの公用語です。

 

そのローマ帝国はブリタニカ(今のイギリス)からダキア(今のルーマニア)そして北アフリカまで勢力圏を持っていました。

 

 

つまりローマといえば欧米文化圏が一つにまとまっていた「古き良き栄光の時代」なのです。

 

 

そして、そのラテン語はローマが滅んだ後も長らく近代までヨーロッパの外交や学術交流など、事実上の共通語として機能していました。

 

 

それゆえ現代でも、ラテン語は多くの法律用語学術用語で使用されています。 

 

 

日本人におなじみのものだと、恐竜の名前があります。

 

恐竜の名前は学名なので、ほぼすべてラテン語です。

 

恐竜が好きな人は知らないうちに、いくつもラテン語を覚えているはずです。

 

 

 

話を戻しまして、そのラテン語にも「分詞」が存在しています。

 

もちろん動詞の変化形で「形容詞」として使う用法です。

 

 

ラテン語の分詞は「3種類」です。

 

 

未来分詞(future participle)

 

現在分詞(present participle)

 

完了分詞(perfect participle)

 

 

 

英語との違いは何でしょうか?

 

「過去分詞」ではなく「完了分詞」となっていますね?

 

 

「過去」の代わりに「完了」と表現する理由は簡単です。

 

 

ラテン語では「完了(もうすでに終わった)」ということで「過去」を表すからです。

 

 

現代の日本語は「現在」と「過去」が時制の主軸です。

 

 

日本語で英語を習うと「現在完了」と「過去」はどう違うのか?と疑問に思いますよね?

 

 

両方とも「~しました」でいいように思います。

 

 

日本語であれば、それは正しいです。

 

現代の日本語では「過去」が「完了」を表すのですから。

 

 

しかしラテン語は「完了」が「過去」を表すのです。

 

 

分詞だけではなくて、ラテン語の時制も「過去時制」がなくて「完了時制」があるんです。

 

 

 

ラテン語と同様に中国語にも、動詞の過去形はありません。

 

「了」で実現したこと示します。

 

 

辛苦(おつかれさま)

 

明白(理解した)

 

知道(了解した)

 

 

また日本語の古文には已然形(いぜんけい)というものがあります。

 

は「すでに」と読み、完了していることを表します。

 

 

三国無双を中国語でやっていると「我撃破敵将」というセリフが出てきます。

 

我々日本人はよく知っていますが、漢字の「撃破」に過去形はありません。

 

 

中国語は「」や「」など「完了の表現」をつかって完了と過去を同じように表します。

 

 

中国語と似たような感覚で、ラテン語では「完了」が「過去」を表すことになります。

 

 

ラテン語なら「過去分詞」でも「完了分詞」でも同じです。

 

どのみち同じ意味である「もうすでに起こったこと」にしかなりません。

 

 

これは英語の場合でも同じです。

 

 

This is done. (現在時制 + 受身・完了

 

This was done.  (過去時制 + 受身・完了

 

 

 

このように英語の「過去分詞」も時制とは無関係で「受身・完了」を表しています。

 

 

だから英語の「過去分詞」の意味は「完了分詞」でよいのです。 

 

 

そもそも「過去分詞」という名称は昔から使っているだけで、英語では現状にあっていないのです。

 

 

過去分詞がややこしくなった理由は「現在完了」に責任があります。

 

 

つまり「have + 過去分詞(連携用法)」が「現在時制」なので、混乱を招いているんです。

 

 

英語は現在完了で過去分詞を使用するため、結果としてラテン語とも日本語とも違った特別な理解が必要になります。

 

 

つまり、こういうことです。

 

 

ラテン語:完了時制が「過去」を含む

 

現代の日本語:過去時制が「完了」を含む

 

現代の英語:過去時制と現在完了(現在時制)が別の意味

 

 

 

こういった構造をしらないまま「過去分詞(完了分詞)」を和訳だけで理解しようとすると非常に苦しいはずです。

 

さらに現代の日本語は「過去」が基本になっているため「完了の感覚」がとらえにくいんです。

 

 

 

それゆえ英文の和訳を暗記するスタイルだと、中国語など「完了」を持つ言語とのバイリンガルでない限り、日本語ネイティブの方は大きなハンディキャップを負います。

 

 

私は英語ネイティブではないで、過去分詞の「完了の感覚」が身につくまで、英語を瞬間的に理解するのに苦労しました。

 

 

さらに日本の英文法では「過去分詞」という用語ばかり目にします。

  

しかし英語の文法では「過去分詞」は絶対的な用語ではありません。

 

 

完了分詞 perfect participle

 

受身分詞 passive participle

 

受身完了分詞 passive perfect participle

 

 

これらの言い方でも表現される場合もあります。

 

 

あえて「過去分詞」という用語にこだわらないといけないのでしょうか?

 

そんな必要はありません。

 

 

ラテン語の「分詞」がそっくりそのまま英語の過去分詞に変わったとは私には言い切れません。

 

 

しかし、ラテン語の「現在分詞」と「完了分詞」の使い方を見ていると、英語の「現在分詞」と「過去分詞」によく似ているんです。

 

それゆえ英語の「過去分詞」をラテン語の「完了分詞」と同じように運用しても英文法はゆがみません。

 

 

むしろ現在完了have + 過去分詞」が「完了のみで受身が消える理由」につながってきます。(現在記事は作成中)

 

 

ですので今後、英文法で「過去分詞」をみたら「受身・完了分詞」と脳内で自動変換してください。

 

 

ラテン語の話は参考程度でよいですが、少なくとも「過去分詞」の意味は「受身・完了分詞」であることは絶対に覚えてください。

 

 

では次に、過去分詞で一番最初に習う「受身」の由来を探っていきます。

 

 

 

なぜ「過去分詞」が受身なのか?

 

さて、過去分詞の正体が「完了分詞」なのはわかりました。

 

ですが「受身」はどこから来たのでしょうか?

 

 

これまたラテン語の完了分詞そのままなんです。 

 

 

上記で紹介したラテン語の分詞には「能動」と「受動(いわゆる受身)の役割が決定されているんです。

 

 

 

非常にざっくりですが「能動」と「受動」について今、知っていただきたいことはこれだけです。

 

 

「能動 active」:~する、~させる

 

「受動 passive」:~された(される)、~させられた(させられる)

 

 

厳密にいえば「受動」とは「目的語(O)を主語(S)に入れ替え、受身で動詞の意味を解釈する」ことです。

 

 

しかし、これにはもっと細かいパターンがありますので、ここでは深入りしません。

 

(現在完了 have + 過去分詞のブログで解説します *作成中) 

 

 

 

それでは、この能動と受動の2つをラテン語の分詞に対応させます。

 

 

・未来分詞 ⇒「能動(する)」

 

・現在分詞 ⇒「能動(する)」

 

・完了分詞 ⇒「受動(された)」

 

 

 

これが意味するのは、ラテン語の「完了分詞」は「受身しかとることができない!!」ということです。

 

 

そもそもから、英語の過去分詞ラテン語の完了分詞は、受身の意味まで同じように使われていたのです。

 

 

こうなると過去分詞から「完了」と「受身」を完全に分離するのは難しいです。

 

 

実際に日本語の「~された」も同じ感じです。

 

 

「(もうすでに)~された

 

「(誰かに)~された

 

 

この2つの意味が自然に含まれていますよね?

 

 

それは英語でもラテン語でも同じです。

 

文法書の解釈では「be動詞 + 過去分詞は受身!」とキレイに2つの意味を分離しているものが多いです。

 

 

しかし、実際の英語ではそのあたりは文脈依存です。

 

 

むしろ「片方だけしか意味しない」と言い切ることのほうが困難です。

 

 

The task is completed by him. (受身メイン)

  

(そのタスクは = 完成された/される 彼によって)

 

 

 

The task is completed by its due date. (完了メイン)

 

(そのタスクは = 完成された/される 期限の日までに)

 

 

 

これらをちょっと無理して結合してみます。

 

 

The task is completed by him by its due date. 

 

(そのタスクは = 完成された/される 彼により 期限の日までに)

 

 

 

さて「受身・完了」どちらが優先なのでしょうか?

 

状況や文脈によって微妙な差はあったにしても、両方の意味があると思います。

 

 

 

ここでは和訳を「~された」を基本として和訳しています。

 

 

もちろん受身の意味だけをとらえて「~される」と訳したほうがいい場合もあります。

 

 

しかし過去分詞は「受身」も「完了」も含むような和訳を使うようにしてください。

 

そのほうが適切に対応できます。

 

 

The task is completed already.

 

(そのタスクは = 完成された すでに)

 

 

 

このように英語でも日本語でもわかるように「受身」と「完了」のどちらが主軸になるかは、ほかの表現に頼っています。

 

 

日本の学校ではまず「受身」だけ説明する状況が通用しています。

 

ですが、過去分詞は「受身・完了」をワンセットでとらえるようにしてください。

 

 

古代ローマのラテン語から現代の英語につながるまで、ずっとそうやって使われているんです。

 

have とペアになり「現在完了」が生まれるまでは・・・ですが。

 

 

 

受身・完了分詞は形容詞の使用ルールに従う

 

さてここからは「受身・完了分詞(過去分詞)」をシステム的に運用する方法に入っていきます。

 

 

〇〇分詞とは「動詞を形容詞として使う」という意味です。

 

 

おさらいになりますが品詞を理解するとは「①意味」と「②使用ルール」を分けて理解することです。

  

 

それでは「形容詞」の「①意味」と「②使用ルール」の説明に参ります。

 

 

形容詞の意味と使用ルールがあやふやな方は、まずこちらをどうぞ。

 

形容詞の「意味」と「品詞ルール」をカンペキに理解する(英文法 No.099)

 

 

 

「形容詞の使用ルール」

 

 

① 補語 C になる 

 

~ SVC(第2文型)~

 

 

He is guilty.

 

(彼は = 有罪

 

 

He is arrested.

 

(彼は = 逮捕された

 

 

 

~ SVOC(第5文型)~

 

 

I found him guilty

 

(私は 分かった 彼を 有罪と)

 

 

I found him arrested

 

(私は 分かった 彼を 逮捕されたと)

 

 

 

② 名詞を説明(修飾)する

 

~ 前から説明 ~

 

 

He is an innocent man.

 

(彼は = 一人の無実の男性)

 

 

He was a convicted man.

 

(彼は = 一人の有罪とされた男性)

 

 

 

~ 後ろから説明 ~

 

 

She attacked someone innocent.

 

(彼女は 攻撃した 誰かを ← 無実の

 

 

She defended someone convicted.

 

(彼女は 擁護した 誰かを ← 有罪とされた

 

 

 

以上が形容詞のカンタンな説明ですが、まったく同じように過去分詞も使えます。

 

形容詞の使用ルールに合わせて、過去分詞を使用すればOKです。

 

 

 

形容詞の使用ルールの中で「後ろから説明(後置修飾)」は日本語とパターンが違うので要注意です。

 

 

日本語と違い、英語は名詞の説明を後から付け足すことが多い言葉なので、過去分詞を使いながら文章を繋げることができます。

 

 

では、すこし複雑な例文をあげてみます。

 

 

A googol is the large number written as 1 followed by one hundred zeroes.

 

 

「1グーグルは = 大きな数 ← 書かれた 1として ← 従われた 100個のゼロによって 」

 

(1グーグルは1の後ろにゼロを100個続けて表現される大きな数である)

 

 

この例では "number ← written" と "1(one) ← followed" となるところが「名詞 ← 過去分詞(形容詞)」のつながりです。

 

 

ちなみに IT企業の Google と数字の googol はスペルが違うのでご注意を。

 

 

 

過去分詞から始まる分詞構文

 

分詞構文とは「ING形の副詞的用法」のことです。

 

 

副詞の使用ルールには2つのパターンがあります。

 

 

形容詞・副詞を説明する

 

She is very pretty.

 

She is pretty nice.

 

 

 

文の要素(SVOC)に入らない「おまけ要素」

 

You should play nicely.

 

Finally, you did it.

 

 

 

副詞の使い方を確認したい方はこちらをどうぞ。

 

副詞の「意味」と「品詞ルール」を完ぺきに理解する(英文法 No.010)

 

 

 

そして「分詞構文」とは「おまけ要素(SVOCに入らない)」パターンに当てはまります。

 

 

実際に例を見ていきましょう。

 

 

According to Wikipedia, a googol is the large number 10 to the power of 100.

 

ウィキペディアによると、グーグルは10の100乗となる大きな数である)

 

 

 

Everything is going well according to our plan.

 

(すべてはうまくいっている、私たちの計画通りに

 

 

 

このように「動詞のING形」を「おまけ要素(副詞)」として使うやりかたです。

 

 

分詞構文は「動詞のING形」の使い方を理解していないと混乱します。

 

詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

 

動詞のING形(動名詞・現在分詞・分詞構文)を完ぺきに見分ける(英文法 No.012)

 

 

 

ここからが本題ですが、実は「過去分詞」も「分詞構文」を作ることができます。

 

さっそく具体例を見ていきましょう。

 

 

Extracted from coca leaves, cocaine was originally developed as a painkiller.

 

抽出され コカの葉から、コカインは (過去) = もともと 開発された 鎮痛剤として。)

 

 

 

上記の例には ING がないのですが、これは being が省略された形です。

 

 

過去分詞は形容詞扱いです。

 

それゆえ be動詞(SVC)を being にすれば、そのあとに「補語 C」を続けられます。

 

 

(Being) extracted from coca leaves, cocaine was originally developed as a painkiller.

 

 

 

そして過去分詞の分詞構文で使う Being は省略が可能です。 

 

 

省略しても「~されて」という「おまけ要素(副詞)」 がメインの文章を説明している構造は変わりません。

 

 

実際には「過去分詞だけの分詞構文」はたくさんあるので、being がない形をメインで意識しておくとよいと思います。

 

 

 

そして分詞構文を「文中に挿入」してもOKです。

 

 

Pi, symbolized by the Greek letter π, is the ratio of a circle's circumference to its diameter and is approximately equal to 3.14159.

 

(パイは<記号であらわされている ギリシャ文字 π によって>= 円周の直径に対する比率であり、そしておおよそ等しい 3.14159に) 

 

 

 

さらに分詞構文を「文末に追加」してもOKです。

 

 

A die is a small object with six equal square sides with a different number of spots on each side, used in games involving chance.

 

(サイコロは = 小さなもの ← 6つの同じ正方形の面をもつ ← 異なった数の点がそれぞれの面にある、利用されている ゲームに ← 含んでいる 確率を

 

 

 

分詞構文の基本は ING形を「おまけ要素(副詞)」として使えばよいです。

 

しかし「過去分詞」は形容詞用法が基本です。

 

 

ですので過去分詞の分詞構文は「being + 形容詞」を念頭に置いて、分詞構文を作ります。

 

 

そして「being」は省略可能なので「過去分詞のみでおまけ要素(副詞)」になります。

 

このパターンは正式文法として許されているので、自由に使ってください。

 

 

 

形容詞だけで「副詞用法」になる!?

 

すこし分詞構文とははずれますが、純粋な形容詞を「おまけ要素(副詞)」として使うパターンにもよく出会います。

 

 

これは厳密にいうと正式な文法ではないかもしれません。

 

とはいえ、文法書になんて書いてあるかは別にして、よく出会うのであれば理解しておく必要があります。

 

 

Unable to sleep, I got up and made myself a drink.

 

 

 

この例文は英語の辞書サイト(LONGMAN)に例文で載っています。

  

https://www.ldoceonline.com/dictionary/unable

 

 

まず確認ですが unable は形容詞です。

 

 

しかし分詞構文 being の省略によって「形容詞だけでおまけ要素をつくっている」のだと思います。

 

もしかすると違うのかもしれません。

 

もしこの文型を分詞構文以外で説明できる方がいらっしゃれば、ぜひご教授いただきたいと考えております。

 

 

とりあえず現状は最善として「分詞構文」と解釈します。

 

 

であれば、(見かけ上は)形容詞のみで「おまけ要素(副詞用法)」になることができます。

 

 

ほかにはこのような使い方があります。

 

 

He returned home dead.

 

He returned home exhausted.

 

 

 

この用法は厳密にいうと「分詞構文」には入らないと思います。

 

無理やり解釈すると入るかもしれません。

 

 

 

ただ重要なことは「形容詞単独でおまけ要素になる」ことが英語に存在するということです。

 

 

この用法の説明は、ちょっと苦しいのですが、こう理解しています。

 

 

・動詞のING形は分詞構文としておまけ要素(副詞)を作れる

 

・being をつかえば「形容詞」や「過去分詞」もおまけ要素(副詞)になる

 

・being は省略できるので「形容詞」や「過去分詞」だけでおまけ要素(副詞)になる

 

 

 

この部分の解説は自分でも苦しいので、まだ改善の余地があると思います。

 

ただ実際には英語としてはよくあるパターンなので、納得できる・できないは別にして対応できるようしてもらえると助かります。

 

 

しかしあくまでも「形容詞(過去分詞も)」の使用ルール「補語」「名詞を説明」が基本です。

 

 

この2つの基本から外れている時に「あれ、もしかしておまけ要素(副詞)かな?」と思うぐらいでちょうどいいと思います。

 

 

 

過去分詞の離れ業「名詞をムリヤリ形容詞」

 

ここまで見てきたように「分詞」とは「動詞の変化形で形容詞として使用する」ものでした。

 

ですので、現在分詞過去分詞も「形容詞の使用ルール」に従って運用されます。

 

 

しかし実は「過去分詞」にしかできない裏技が最後に残っています。

 

これは「現在分詞」にはできない過去分詞だけの能力です。

 

 

そしてその能力とは「名詞を無理やり形容詞に変える」という用法です。

 

 

さっそく例を見ていきます。 

 

 

~ 名詞を説明 ~

 

He is a warm-hearted man.

 

 

~ 補語になる ~

 

He is warm-hearted.

 

 

 

"warm-hearted" で「暖かい心を持った(状態)」という形容詞です。

 

 

もともと heart は動詞ですらないので、目的語がとれません。

 

そうなると「主語 ⇔ 目的語」が基準になってしまう「受身」の関係性は全く無い使い方になります。

 

 

またこんな文章もあります。

 

 

Yamata no Orochi is a legendary 8-headed and 8-tailed Japanese dragon.

 

(八岐大蛇は伝説上の8つの頭と8つの尾をもつ日本のドラゴンである)

 

 

この例文は「ヤマタノオロチ」の英語版 Wikipedia から拝借しました。

 

https://en.wikipedia.org/wiki/Yamata_no_Orochi

 

 

 

またシャーロック・ホームズの作品の中に「赤毛同盟」という作品があります。

 

その原題は "Red-Headed League" です。

 

ストーリーも「赤い髪の毛の人たち」が事件のカギになっています。

  

 

 

また戦国武将・伊達政宗のニックネームである「独眼竜政宗」は "One-Eyed Dragon" です。

 

英語版の Wikipedia にも "One-Eyed Dragon of Oshu" と書いてあります。

 

https://en.wikipedia.org/wiki/Date_Masamune

 

 

 

では、次に当たり前のような疑問がわいてきます。

 

なぜこんな「名詞をムリヤリ形容詞」なんてことが「過去分詞」に可能なのでしょうか?

 

 

これは私の推測ですが、答えをシンプルに考えてみます。

 

 

それは原則として、過去分詞には「形容詞用法」しか存在しないからだと思います。

 

 

 

動詞の変化形には、ほかの候補として2つあります。

 

 

動詞の ING形(現在分詞)」

 

不定詞(形容詞用法)」

 

 

 

この2つにも「動詞を形容詞に変化させる能力」が存在しています。

 

 

しかし「動詞のING形」「不定詞」には形容詞化させる以外の能力もあります。

 

 

動詞+ING形の変化パターン: 

 

 

① 動名詞(名詞)

 

② 現在分詞(形容詞)

 

③ 分詞構文(副詞)

 

 

 

不定詞の変化パターン:

 

 

① 名詞用法

 

② 形容詞用法

 

③ 副詞用法

 

 

 

つまりこの2つは「形容詞以外」にも変わる可能性があります。

 

 

一方で「過去分詞」は基本的に形容詞ルールだけで運用可能です。

 

 

つまり理屈はこうなります。

 

 

動詞に ed つけた過去分詞は、形容詞ルールだけで運用するんやね?

 

そんなら名詞にも ed つけたら、ムリヤリ形容詞になるやん!

 

 

 

むちゃくちゃな言い方をすると「名詞に過去分詞コスプレさせると形容詞にできる」ってことです。

 

 

こんな雑な説明でいいかどうかわからないんですけど、そういう風に理解すれば英文法として運用できます。

 

 

細かな用例を暗記するより「過去分詞は形容詞ルールで運用!」と理解することでストレスなく英語をアウトプットできます。

 

 

 

現在完了も「受身・完了分詞」で解決!

 

さて過去分詞の正体が「受身・完了分詞」とわかっていただけたでしょうか?

 

もちろん細かな部分ではラテン語の完了分詞と英語の過去分詞では違うポイントもあります。

 

 

しかし「過去分詞は受身!」と丸暗記したままでは痛い目にあいます。

 

さらに過去分詞は受身と関係ないように見える「完了形(連携用法)」でも使います。

 

 

実は「完了形(連携用法)」の正体を知るには「受身・完了分詞」が大きなヒントになります。

 

 

それでは、次回は「現在完了」の正体を「受身・完了分詞」とともに解き明かしていきます。