不規則変化動詞 パターン別の見分け方(英文法 No.016)

日常的な英語に使われる動詞の70%は不規則変化動詞だそうです。

 

英語はいろんな言語が歴史的に混じり合って成り立っています。

 

 

よく使う動詞ほど古い歴史があるために、いろんな言語のユニークな特徴がそのまま残っているというわけです。

 

そうなると不規則変化動詞を見極めることは、英語を習得するうえで非常に大切なポイントになりますね。

 

 

 

不規則変化動詞とは

 

まず、ほぼすべての動詞は「現在形」「過去形」「過去分詞形」に対応する形として「help - helped - helped」のように規則的に変化します。

 

 

一方で、不規則変化動詞とは「 speak - spoke - spoken」のように「現在形」「過去形」「過去分詞形」が不規則に変化する動詞のことを言います。

 

 

 

ちなみに「過去分詞形」とはざっくりいうと「受け身&完了の意味をもつ動詞出身の形容詞(~された状態)」と覚えてください。

 

現在分詞(ING形)は「進行の意味をもつ動詞出身の形容詞(~している状態)」ですので、それとほぼ同じ使い方ができます。

 

 

分詞」というのは「動詞を形容詞に変えたもの」という意味です。

  

ですので「名詞を説明」と「補語(C)になる」の2通りの使用ルールがあります。

 

 

 

不規則変化動詞は困りもの

 

そして、一般動詞の不規則変化のパターンはざっくりいうと4つです。

 

 

① A-B-C : choose - chose - chosen

 

② A-B-B : catch - caught - caught

 

③ A-B-A : come - came - come

 

④ A-A-A : cut - cut - cut

 

 

 

しかし、この不規則変化動詞を丸暗記するだけでは困ってしまうポイントがあります。

 

 

それは変化パターンによっては「現在形」「過去形」「過去分詞形」が同じ形になるパターンがあることです。

  

この「同じ形」をもつ場合の見分けるポイントを、変化のパターンごとに解説しますね。

 

 

ちなみに「完了形」というパターンでも「過去分詞」は使いますが、必ず

have/has/had + 過去分詞」のペアで使います。

 

そのため「have/has/had」の有無で判断できます。

 

それでは、完了形以外の見分けにくいパターンを見ていきましょう。

 

 

 

① A-B-C タイプの見分け方

 

A-B-C タイプとは「現在形」「過去形」「過去分詞形」がすべて違う形をしているものです。

 

 

do - did - done (する)

 

break - broke - broken (こわす)

 

hide - hid - hidden (隠れる)

 

 

覚えるのにすこし苦労するかもしれませんが、全部違う形なので、文章の中での役割を見分けやすいです。

 

 

 

★ A-B-C タイプを見分けるポイント ★

 

特になし。

 

全部形が違うので覚えてしまえば、間違うことはなくなります。

 

 

 

② A-B-B タイプの見分け方

 

A-B-B タイプとは「過去形」と「過去分詞形」が同じ形をしているものです。

 

 

catch - caught - caught (つかまえる)

 

feel - felt - felt (感じる)

 

hear - heard - heard (聞く)

 

 

「talk - talked - talked」のような普通の動詞もこのパターンになりますね。 

 

 

 

★ A-B-B タイプを見分けるポイント ★

 

「過去形」と 「過去分詞形」が同じということは「動詞」と「形容詞」の使い方がわかっていればカンタンです。

 

 

動詞は主語の行動をあらわし、主語のすぐ後ろに置かれます。

 

 

I used his car.

 

(私は つかった 彼の車を)

 

 

 

形容詞は「① 名詞を説明」と「② 補語になる」の2つの使い方です。

 

 

① My car is used.

 

(私の車は = 使われた状態)

 

 

 

② This is a used car.

 

(これは = 使われた状態の車 / 中古車)

 

 

 

ここが区別できればOKです。

 

 

動詞の詳しい解説は 動詞をカンペキに理解する(英文法 No.008)へどうぞ。

 

形容詞の詳しい解説は 形容詞をカンペキに理解する(英文法 No.009)へどうぞ。

 

 

 

③ A-B-A タイプの見分け方

 

A-B-A タイプとは「現在形」と「過去分詞形」が同じ形をしているものです。

 

 

come - came - come (来る、至る)

 

become - became - become (~になる)

 

run - ran - run (走る、走らせる)

 

 

A-B-A タイプの動詞は非常にすくないので楽です。

 

 

 

★ A-B-A タイプを見分けるポイント ★

 

これも A - B - B タイプと同じ考えで対応できますね。

 

「現在形」と 「過去分詞形」が同じということは「動詞」と「形容詞」を見分けるだけですから。

 

 

 

④ A-A-A タイプの見分け方

 

A-A-A タイプとは「現在形」「過去形」「過去分詞形」がすべて同じ形をしているものです。

 

 

cost - cost - cost (費用などが掛かる)

 

put - put - put (置く)

 

quit - quit - quit (やめる)

 

 

すべて同じ形なのでまとめて覚えるのは楽ですが、逆に見分けるのは難しくなります。

 

 

 

★ A-A-A タイプを見分けるポイント ★

 

「現在形」「過去形」はどちらも動詞です。

 

「過去分詞形」は形容詞なので、まず形容詞の文法ルールをマスターし「過去分詞形」をみわけましょう。

 

 

その次のステップがクセモノなのですが「現在形」「過去形」はみわけにくいです。

 

 

I put the book on a table. 

 

(私は 置く / 置いた その本を テーブルに)

 

 

 

この put が「現在」か「過去」かは文法ルールだけでは判断できません

 

文脈や状況などから判断する必要があります

 

 

 

しかし、あるパターンだけは明確に「過去」か「現在」を区別できます。

 

それは「三人称単数の主語」つまり「he」「she」「it」のいずれかが主語になる場合です。 

 

 

He put the book on a table.

 

(彼は 置いた その本を テーブルに)

 

 

 

この文は確実に「過去形」だと判断できます。

 

なぜなら「三人称単数の主語」は現在形の動詞に「s」をつけて puts とするからです。

 

 

英語初心者は「三単現のS」を嫌う人が多いですが、こんなところで助けてくれることもあるんです。

 

三単現のSは、文章が複雑になればなるほど、動詞と主語をつなぐマーカーの役目になることもあります。

 

ちょっと注意するだけで大きな力になるので、ぜひマスターしてください。

 

 

 

意外と難しい read の見分け方

 

「読む」という意味の「read」は一見 A-A-A タイプですが、すこし特殊です。

 

「read - read - read」の発音が「 read - red - red」となるからです。

 

 

発音は違うのですが、文章では A-A-A タイプの見分け方を利用してください。

 

 

He read it.

 

(彼は 読んだ それを)

 

 

 

He reads it.

 

(彼は 読む それを)

 

 

 

He が主語だと、三単現のSがヒントになるのでカンタンですね。 

 

 

I read it last night.

  

(私は 読んだ それを 昨晩)

 

 

 

I read it every night.

 

(私は 読む それを 毎晩)

 

 

 

三単現がヒントにならない場合は、文脈や状況での判断になりますね。

 

  

リスニングの場合は read - red - red という発音になるので、文章より楽に見分けられそうですよね?

 

しかし実は日本人にとっては発音がクセモノです。

 

 

過去形・過去分詞の read と「赤」の red は発音が同じです。 

 

また「導く」という意味の lead - led - led もあります。

 

さらに「鉛」という意味での lead は発音が「led」になります。

 

 

日本人は L と R の違いを耳で聴き分けるのが苦手です。

 

実際のところ「R」と「L」を正確に聞き分けるのは上級者にしかできないと思った方が賢明です。

 

 

初心者がリスニング力をムリに鍛えて聞き取ろうとしても、ハードルが高すぎて挫折する可能性がかなり高いです。

 

効果的な対策としては、単語の意味をしっかり覚えて、文法と文脈を把握しながらリスニングするに限ります。理性的は判断力は常に我々の最高の味方です。

 

 

 

 

他の動詞と間違いやすい不規則動詞

 

ただでさえ混乱する不規則変化動詞の中には、他の動詞と形が被ってしまうものがあります。

 

 

fall - fell - fallen (落ちる)

 

fell - felled - felled (切り倒す)

 

 

「fell」は形容詞で「凶悪な」という意味もあります。 

 

 

 

see - saw - seen (見る)

 

saw - sawed - sawed (のこぎりで切る)

 

 

「saw」自体で「のこぎり」という名詞にもなります。 

 

 

このような動詞は「過去形」か「現在形」かで別の動詞に変わってしまうので、要注意です。

 

そこで、対処法は A-A-A タイプの動詞の見分け方と同じになります。

 

さらに文脈からどちらの意味が適切かを判断する必要もでてきますね。

 

 

 

~ound の動詞にご用心

 

さらに ~ound の形をしている動詞はもっとややこしいです。

 

 

「現在形」「過去形」「過去分詞」で形が同じものがでてきます。

 

見分け方はやはり A-A-A タイプになりますが、これまた別の動詞になるので要注意です。

 

 

 

bind - bound - bound (拘束する)

 

bound - bounded - bounded (はねる)

 

 

また名詞の「bound」は限度境界という意味があるので注意です。

 

 

 

find - found - found (みつける)

 

found - founded - founded (設立する)

 

 

ちなみに「lost and found」は遺失物保管場所のことです。

 

「無くなったけど見つかった」という意味ですね。

 

 

 

grind - ground - ground (粉をひく)

 

ground - grounded - grounded (地面に置く)

 

 

しつけなどで外出禁止である場合には I am grounded. などと言います。

 

 

  

wind - wound - wound (うねる)

 

wound - wounded - wounded (傷つける)

 

 

動詞の場合の「wind」は「waind」と発音します。風ではないので注意です。

 

 

 

lie と lay は要注意!!

 

最後に、一番ややこしい不規則変化動詞を解説します。

 

 

lie - lay - lain (横たわる 自動詞)

 

lay - laid - laid (横たえる 他動詞)

 

 

「lie 横たわる」と「lay 横たえる」の2つは日本語自体もわかりにくい感じがします。

 

ですが、他動詞は目的語をもつことを前提とした動詞なので、実際に読んでいけばわかります。

 

どっちがどっちかわからなくなったら layout レイアウト という言葉を思い出してください。

 

「ものを配置して目の前に広げる」イメージをもてばわかりやすいと思います。

 

 

 

じつは「lie」は「lay」との区別よりもむずかしいパターンがあります。

 

それは「lie」には「うそをつく」という動詞の場合もあるからです。

 

 

lie - lied - lied - lying (ウソをつく)

 

lie - lay - lain - lying (横たわる)

 

lay - laid - laid - laying (横たえる)

 

 

過去形と過去分詞形は形が違うものの、「現在形」と「ING形」は同じ形になるので要注意です。

 

ちなみに「ウソつき」「liar」と書きます。

 

 

 

こうしてみてみると不規則変化動詞はリストの丸暗記だけではまったく英語力UPにつながりません。

 

不規則変化動詞を丸暗記ではなく、文法的に分析できることが最も重要です。

 

形が同じになっているものほど、SVOCと品詞のシステムを理解し、着実に意味を確定させるクセをつけましょう。