形容詞の「意味」と「使用ルール」をカンペキに理解する(英文法 No.009)

形容詞は英語の中でもとくに重要です。

 

なぜなら英語と日本語の形容詞とでは性質がまったく違うからです。

 

 

それではさっそく英語の形容詞をみていきましょう。

 

英語の品詞を理解するうえで重要な「意味・イメージ」と「使用ルール」の視点から解説します。

 

 

 

形容詞の「意味・イメージ」

 

日本語の形容詞と同じく「状態」を表すことばとして軽く理解しておけばいいと思います。

 

具体的にどんなものがあるかというと beautiful,  cute,  pretty,  cool,  hot,  fine,  nice,  good などなど、です。

 

 

ただ、実際に目に見えるものではなく「感覚」を示す言葉が多いので少し覚えにくいかもしれません。

 

 

 

形容詞の「使用ルール」は2種類

   

日本語の形容詞と大きく違うのが「使用ルール」です。

  

形容詞の使用ルールは2パターンしかありません。

 

 

名詞を説明する

 

補語(C)になる

 

 

そしてこの2つは文法用語で特殊な言い方があります。

 

 

名詞を説明する ⇒ 限定用法

 

補語(C)になる  ⇒ 叙述用法

 

 

 

小難しい表現ですが、辞書や文法書でよく使う表現なので覚えておくと便利です。

 

 

 

使用パターンがきまっている形容詞もある

 

その理由は形容詞の中には「名詞を説明する」と「補語になる」のどちらかのパターンしか使わないものがあるからです。

 

 

さらにどちらの使い方をするかで意味が変わる形容詞もあります。

 

 

 

名詞を説明するパターン(限定用法)のみ

 

 

This is my favorite song.

 

これは=私のお気に入りの歌。

 

 

 

補語になるパターン(叙述用法)のみ

 

 

I am afraid of ghosts.

 

私は=恐れている 幽霊を。

 

 

 

★使い方で意味が変わる場合がある形容詞

 

 

① 名詞を説明(確かな~) 

 

 

I have the certain evidence.

 

私は 持っている 確かな証拠を。

 

 

 

② 名詞を説明(ある ~)

 

 

I can help you about a certain thing.

 

私は 手伝える あなたを ある事柄について。

 

 

 

ある」という和訳が辞書にはありますが、適当に言っているのではなく「明確であるが、あえて明言はされていない」ものを示します。

 

 

 

② 補語になる

 

 

I am certain about that.

 

私は=確信している そのことについて。

 

 

 

このような形容詞は辞書などでは「限定」や「叙述」などで区別されています。

 

辞書を調べた時に「限定は名詞の説明やな」とか「叙述は補語 C につかうんやな」と分かればオッケーです。

 

 

 

 

形容詞の使用ルール①-1 名詞を説明(前から説明)

 

それでは形容詞の名詞を説明するパターン(限定用法)について詳しく見ていきましょう。

 

 

形容詞が名詞にひっついて説明するパターンは2つあります。

 

まず基本のパターンは日本語と同じように、名詞の前から説明するパターンです。

 

 

 

That is a huge peach. 

 

あれは = めっちゃでかいモモ。

 

 

英語は基本的に「前から説明」のパターンが多いです。

 

この感覚は日本語とほぼ同じでOKです。

 

 

 

形容詞の使用ルール①-2 名詞を説明(後ろから説明)

 

そして形容詞が名詞を説明するパターンはもうひとつあります。

 

名詞を後ろから説明するパターンです。

 

 

これは文法用語では「後置修飾」と呼びます。文字通り「形容詞を名詞の後ろにおいて説明する」ってだけですね。

 

 

英語は「前から説明」が基本ですが、以下の2パターンは「後ろから説明」に変わります。

 

 

「2語以上のまとまり」

 

 

Peach Boy went to an island full of bad guys.

 

桃太郎は 行った ある島に  いっぱい ワルモノで。

 

 

 

「some- / any- / no- / every- の代名詞の場合」 

 

 

She said something funny.

 

彼女は 言った なにか (← 面白い)

 

 

He eats anything sweet.

 

彼は 食べる なんでも (← 甘い)

 

 

 

形容詞の「後ろから説明」が可能な理由

 

日本語の形容詞は、ほぼすべて「前から説明」です。英語も「後ろから説明」がたくさん出てきます。

 

 

ちなみにスペイン語やイタリア語などは「後ろから説明」が基本となる言葉です。

 

ですが、前から説明でもOKなことがほとんどです。

 

 

 

英語やイタリア語の場合、なぜ形容詞は「前から」でも「後ろから」でも名詞を説明できるのでしょうか?

 

あちこちから説明して、困ったりはしないのでしょうか?

  

 

答えはカンタンです。

 

形容詞は「名詞を説明する」からです。

 

 

つまり形容詞は「名詞にひっついていく磁力」を持ちます。

 

鉄棒の右側に磁石をおいても、左側に磁石をおいても、鉄棒に引っ付こうとしますよね?

 

 

それと全く同じ原理です。

 

important や beautiful が形容詞とわかれば、thing や flower といった名詞の隣におけば、自動的に名詞にひっついていくと考えればよいです。

 

 

これは日本語の形容詞が「ほぼすべて前から説明」なので気づきにくいポイントです。

 

しかし、知るべきことは形容詞は名詞にひっつくということです。

 

説明する方向が前からであれ、後ろからであれ、形容詞の使用ルールをマスターしている人たちにまったく問題にはなりません。

 

 

 

形容詞の使用ルール② 補語(C)になる

 

名詞を説明するほかに、形容詞の役割として「補語(C)」になるパターンがあります。

 

補語(C)になるパターンは2つあります。

 

 

① SVC(第2文型)

 

ここでの補語の役割は「主語の説明」です。

 

 

We are happy. 

 

我々は=幸せ

 

 

 

② SVOC(第5文型)

 

ここでの補語の役割は「目的語の説明」です。

 

  

She made him angry.

 

彼女は つくった 彼を 怒っている(状態に)

 

 

 

補語のパターンはすこし見分けにくいですが、形容詞は文の要素(SVOC)の中では補語(C)にしか入りません。

 

つまり形容詞が「名詞を説明していない場合は補語」と判断することもできます。

 

 

 

形容詞が名詞を説明する順序

 

それでは次に、形容詞が名詞を説明するときの順番をみていきましょう。

 

形容詞が名詞を説明する順番については、ある程度目安があります。

 

 

言語によって明確に区別されているものや、比較的ゆるいものがあります。

 

日本語はそれほど厳密になっていない言葉でしょう。

 

 

英語では、基本的に具体的・客観的なものが名詞により近い位置に置かれるようです。

 

それでは、形容詞の説明する順番を見てまいりましょう。

 

 

 

Opinion(意見):good, bad, excellent, nice

 

Size(大きさ):big, small, huge, little

 

Age(年齢):young, new, old, ancient

 

Shape(形状):sharp, round, square, flat

 

Color(色):black, white, red, blue

 

Origin(起源):African, solar, glacial, northern

 

Material(材質):golden, plastic, wooden, stone

 

Purpose(目的)rental car, cooking book, fishing rod

 

 

 

これらの項目は、それぞれの頭文字をとって OSASCOMP という言い方で呼ばれることもあるようです。

 

 

語順に目安はあるというものの、形容詞を3つ以上並べて使うことは、あまりないと思います。

 

あくまでも目安として知っておくだけで、十分だと思います。

 

 

 

動詞が変身するパターンに要注意

 

形容詞の「使用ルール」をみてきましたが、それがさらに重要になる場合を説明します。

 

 

それは「動詞が変身した形容詞」に出会った時です。

 

 

これらはなんと「見た目では形容詞と分からない形容詞」になってしまいます。 

 

つまり「形容詞の使用ルール」でしか判別できないので要注意です。

 

 

それでは動詞は変身して形容詞になる3種類の使い方をみていきましょう。

 

 

 

現在分詞(動詞の~ing形)

 

doing, being, having, getting

 

 

 

過去分詞(動詞の~ed形) 

 

done, spoken, given, fallen

 

ほとんどの動詞の過去分詞は過去形と形が同じなので、不規則変化動詞のほうがわかりやすいです。

 

 

 

不定詞の形容詞用法(to + 動詞の原形

 

to do, to be, to say, to know 

 

 

 

まずは分詞からですが「分詞 participle」というのは「動詞を形容詞として使う」という意味の言葉です。

 

不定詞の形容詞用法「形容詞の品詞ルールで使用する」という意味です。

 

 

そうなると現在分詞、過去分詞、不定詞の形容詞用法「形容詞の使用ルール」にあわせて使うことになります。 

 

 

 

ここで注意なのは、これら3つの形は形容詞以外の使い方が存在していることです。

 

つまり形容詞に限らず品詞ごとの「使用ルール」がマスターできてないと、doing, done, to do などすべてが全く意味不明になります。

 

 

それでは一つ一つ、細かな見分け方に進んでいきましょう。

 

 

 

動詞の形容詞用法① 現在分詞(~ing形)

 

 

現在分詞は、動詞に「能動・進行(~している)のイメージ」を加えて「形容詞として使う」用法です。

 

とはいえ、これまでに紹介した「形容詞の使用ルール」ですべて説明できます。

 

 

 

・名詞を説明(前から)

 

A barking dog never bites.

 

吠えている 犬は 決して噛まない。

 

 

 

・名詞を説明(後ろから)

 

I am just a girl chasing her dreams.

 

私は = ただの女の子 ← 追いかけている 自分(彼女)の夢を。

 

 

 

・補語になる(SVC) 

 

He is studying in his study.

 

彼は=勉強している 彼の書斎で。

 

 

このパターンは「進行形」などとよばれていますが、文法上は「形容詞」と考えても全く問題がありません

 

 

 

・補語になる(SVOC)

 

I saw a kitten eating chicken in the kitchen.

 

私は 見た 子猫が 食べている チキンを キッチンで。

 

 

 

また動詞の~ing形の場合は現在分詞(形容詞)のほかに2つの使い方があります。

 

 

「動名詞(名詞)」

 

「分詞構文(副詞)」

 

 

 

現在分詞だけなら形容詞の使用ルールを理解すれば使いこなせます。

 

しかし、~ing形は「動名詞」「現在分詞」「分詞構文」の3パターンがあります。

 

 

つまり「名詞の使用ルール」「形容詞の使用ルール」「副詞の使用ルール」をそれぞれ理解しないと、使いこなせません。

 

 

それでは困る!という方は「動詞のING形をカンペキに見分ける」を参照ください。

 

 

 

動詞の形容詞用法② 過去分詞(~ed形)

  

過去分詞は、動詞に「受身・完了(~された)のイメージ」を加えて「形容詞として使う」用法です。 

 

 

現在分詞と同じく、これまでに紹介した「形容詞の使用ルール」ですべて説明できます。

 

 

 

・名詞を説明(前から)

 

 

The cornered rat will bite the cat.

 

隅に追い詰められた ネズミは 噛もうとする 猫を。

 

(窮鼠猫を嚙む)

 

 

 

・名詞を説明(後ろから)

 

 

Good habits formed at youth make all the difference.

 

良い習慣 (← 形作られた 若い時に) は 作る 全くの違いを。

 

(若い時に身に着けた良い習慣はとても重要である) 

 

 

 

・補語になる(SVC)

 

 

The road to hell is paved with good intentions.

 

地獄への道は = 舗装されている 善意を以って。

 

 

 

・補語になる(SVOC)

 

 

Educators take something simple and make it complicated.

 

教育者は 取り上げる なにか (← シンプルな) そして つくる それを 複雑にされた状態に

 

(教育者はシンプルなものを題材にして、それをややこしくする)

 

 

 

また、過去分詞の形容詞とは別のメインの使い方として「完了形の動詞」としても使います。

 

 

I have finished my homework.

 

私は 終わらせた 私の宿題を。

 

 

 

このパターンはすこし複雑で、文法としてかなり特殊な成り立ち方をしています。

 

基本のルールから外れているので、暗記することが必要な項目です。

 

しかし、ユニークな形をしているので見分け方は簡単です。

 

 

この完了形の動詞になるパターンは必ず have / has / had とペアになります。

 

 

それゆえ have / has / had とペアでないものは、すべて形容詞として使われます。

 

 

 

唯一の例外としては、分詞構文(~ing形の副詞的用法)の場合に、過去分詞が使われます。

 

 

(Being ) written in simple English, the book is good for kids.

 

書かれていて 単純な英語で、その本は=よい 子供にとって。

 

 

 

これは、あくまでも being の省略のパターンであり、SVOCに入らない「おまけフレーズの一部」としての用法だけなので、こちらもカンタンに判別可能です。

  

 

★ 過去分詞のカンペキな見分け方 は作成中です ★

 

 

 

動詞の形容詞用法③ 不定詞形容詞用法(to do / To be)

 

 

形容詞用法の不定詞は動詞に「行動予定(~する方向)イメージ」を加えて「形容詞として使う」用法です。 

  

 

不定詞(infinitive)は和訳をいちいち覚えていると無限(infinite)に増えていって、わけわからなくなります。

 

不定詞のイメージは「予定・未来・義務」ぐらいでOKです。

 

 

 

・名詞を説明(後ろから)

 

 

The power to do good is also the power to do harm.

 

(←する方向 良いことを)は = また 力(←する方向 危害を)

 

(善をなす力はまた害をなす力でもある)

 

 

不定詞の場合は「後ろから説明」のパターンのみです。

 

 

文章ではないですが、例外的に「to do list(やるべきことリスト)」のようなフレーズひとまとめにした表現はあります 。

 

この to do も「予定・義務」のイメージがつかめれば自然な表現として受け入れられます。

 

 

 

・補語になる(SVC)

 

He is to give us a great speech.

 

彼は = 与える方向 我々に 素晴らしいスピーチを。

 

(彼は我々に素晴らしいスピーチをすることになる)

 

 

 

この不定詞の形容詞用法が「補語になる」パターンは高校で習う「be to 構文」という暗記中心の解説がメインです。 

 

ですが、その正体は「不定詞を補語(形容詞的用法)でつかう」というだけなのでご心配なく。受験英語教師がアレコレいうのは文法書の中だけの話ですから。

 

 

 

・補語になる(SVOCっぽく)

 

I want you to come with me.

 

私は 欲する あなたが 来る方向 私と一緒に。

 

(私はあなたに一緒に来てほしい)

 

 

実は文法的に言えば、want は SVOC の形であるとは言いにくいです。

 

しかし、不定詞はシステム的には「SVOC」になるパターンがとても多いので、SVOCパターンとして理解したほうがスムーズです。

 

 

 

★ 不定詞のカンペキな見分け方 は作成中です ★ 

 

 

 

まとめ

 

形容詞を理解するには、意味を覚えるだけではなく、形容詞を使えるルールに注意して下さい。

 

 

「後ろからひっついて名詞を説明する」

 

「SVOCで補語になる」

 

 

このような文法のルールは日本語には存在しません。

 

きっとなじむまで苦労するはずです。

 

 

しかし、 そこさえマスターできれば英語表現を広げていく能力も身に付くはずなので、踏ん張ってください。