動詞とは名前の通り行動を表す言葉です。
そして英語の動詞には大きくわけて「一般動詞」と「be動詞」の2種類の動詞があります。
「一般動詞」
I have a pen.
He speaks English.
「be動詞」
I am a boy.
This is a pen.
この2つの動詞の違いはカンタンです。
Be動詞以外の動詞はすべて「一般動詞」です。
ほぼすべての一般動詞は「~する」という主人公の行動を意味するイメージで対応できます。
Be動詞のイメージは「連結&存在」
一般動詞のと違い、be動詞の本質的な意味は日本語だと訳しにくいです。
be動詞の英訳が「です」や「~は」となっているをよくみますが、正確な意味とは程遠いです!!
be動詞の意味はシンプルに言うと連結&存在 (Linking & Existential)のイメージです。
「連結&存在」の be動詞の訳し方は2通りです。
① = (イコール)、~である
② 存在する、~で在る
それでは例文で見ていきましょう。
①(主人公は) イコール (説明)
I am Japanese.
私は = 日本人。
②(主人公は) 存在する
I am in Japan.
私は 存在する 日本に。
be動詞のイメージである「連結&存在」の2つは全く別のものと考える必要はありません。
いずれにせよ「主人公が何者かを示す動詞」とかんがえればOKです。
Be動詞は中国語の「是」
日本語では難しくても、中国語や漢文なら be動詞の理解は簡単です。
是(shi)は「主人公の説明」をあらわす動詞です。
まさに英語の be動詞に相当します。
我是日本人
I am Japanese.
このように全く同じ感覚でつかうことができます。
動詞から手に入る情報は4種類
一般動詞と Be動詞をみてきましたが、単に動詞は行動を表す以外にもいろんな役割があります。
ではさっそく、動詞を見たらこれだけのことがわかる!という内容をリストにしてみます。
① 「5文型のどのパターンをとるか」を決める。
② 「いつの話か(時制)」がわかる。
③ 「主語の情報」がわかる。
④ 変身して「品詞」と「意味・イメージ」が変わる。
いかがでしょうか?
英語では主語の次にくるとても重要なポジションにある言葉です。
英語を語順通りに理解するためにはできるだけ早めに「どんな内容が次にくるのか?」を予想することが大切になります。
というわけで、動詞に含まれている多くの情報にしっかりと注意を向けるために解説をしてまいります。
動詞情報① 5文型のパターンを決める
5文型とは動詞によってきまる5つの英文の基本形のことです。
いわゆる「SVOC」などで表される言葉のパターンです。
動詞をみると5つのうちのどのパターンなのかがわかります。
そうなると、文章の流れが自然と見えてくることになります。
別の言い方をすると、5文型パターンがわからないととんでもない間違いを起こしてしまうことになります。
こちら(↓)では、5文型の詳しい解説を行っていますので、ぜひごらんください。
動詞情報② 時制がわかる
動詞をみれば「文章がいつの話なのか?」を知ることができます。
動詞には「現在形」「過去形」といった時制を表す形があるので、 動詞をみれば時制を理解できます。
それでは be動詞 を例にみていきましょう。
I am a man.
私は (現在)= 一人の男性。
I was a boy.
私は (過去)= 一人の少年
am は「現在」の時制、そして was は「過去」の時制をあらわすので、カンタンに英語の話がいつのことなのか知ることができます。
動詞情報③ 主語の情報がわかる
動詞を見れば主語がわかる!
こんなことを言われると「そんなたいしたことなん?」と思われるかもしれません。
ですが、そこはすこしガマンしてすこしおつきあいください。
「be動詞は主語にあわせて形が変わる」というルールがあります。
I am ~.
He is ~.
You are ~.
普通の文章では主語が動詞の前にくるのが一般的です。
そうなると動詞が主語の情報を持つことはあまり気になりませんね・・・。
しかし、疑問文ならどうでしょう?
Am ~ ?
Is ~ ?
Are ~ ?
Be動詞の疑問文の場合は動詞からスタートになるので、主語の情報を推測するのに役立ちます。
「Am ~ ?」の主語はなんでしょう?
当然「I」に決まってますね。ほかはありえません。
英語では「I 私」は特別な扱いです。
その理由に興味がある方は「英語が自己中心的な理由」で仮説をすこし提示させてもらっています。
「Is ~ ?」の主語はなんでしょう?
三人称単数、つまり「he」「she」「it」に置き換えられるものです。
「Are ~ ?」の主語はなんでしょう?
「you」もしくは「複数形の名詞」です。
このように、be動詞のカタチは主語とリンクしています。
疑問文などで、be動詞が文頭にくる場合、その時点で主語がどんなものになりそうかの予想がたてられます。
そうなると疑問文では動詞情報が大活躍できます。
スピードと正確さが求められるリスニングなどでは、このような発想をしておくことでとても役に立ちます。
「相手がどんなことを言いそうか?」というのは文脈だけでなく文法からも推測できるんです。
Are A ~? なんてありえるの?
それでは少しレベルアップして「Are a ~ ?」という文章の場合はどう考えればいいでしょうか?
Are は「you」 もしくは「複数形の名詞」にしか使えないはずですね?
ですが「a」という単数形の名詞につく冠詞がついています。
さて、この後はどんな内容になっているでしょうか?
実は「a」で始まって複数形の名詞につながる表現はいくつかあるんです。
その一つが「a lot of たくさんの~」です。
Are a lot of people here all Hanshin Tigers fans?
ここにおるたくさんの人はみんな阪神ファンなん?
なんてどうでしょうか?
people は複数形の名詞ですので、ちゃんと英語として成り立っていますね。
動詞情報④ 変身して「品詞」と「イメージ」が変わる
動詞の特徴として「品詞」と「イメージ」が変化するというのは、非常に重要なことです。
しかし、どうも中学英語ではこのことは見落とされがちです。
生徒さんたちにいろいろ聞いてみると、あまりにお粗末な説明を受けていることが多いようです。
それでは、さっそくどんなものか見ていきましょう。
動詞変身パターン 不定詞
「to + 動詞の原型」と教わる「不定詞」は動詞を変化させて使うパターンの一つです。
不定詞には「to」という「⇒ (やじるし」)のイメージの前置詞と一緒につかいます。
そうすることで「~する方向」といった「未来・予定」のイメージを持たせる表現になります。
この不定詞は変身パターンは下の3つになります。
・名詞的用法
⇒ 動詞を変化させて「主語」「目的語」「補語」でつかうよ~
・形容詞的用法
⇒ 動詞を変化させて「名詞の説明」「補語」でつかうよ~
「補語」のパターンは「be to 構文」なんて解説があったりしますね。
ですが、ほんとはそんな大したことではなく「不定詞」を「補語」でつかう、という程度の理解でまったく大丈夫です。
・副詞的用法
⇒ 動詞を変化させて「形容詞・副詞の説明」「おまけ要素」でつかうよ~
動詞変身パターン ING形
さて不定詞の次は「ING形」です。
「動詞+ing」の形になると「行動がすすんでいる」というイメージが加わります。
ING形の変化形は、それぞれ別の呼び方があるものの考え方は不定詞と全く同じです。
ですので、ING形も変身パターンも下の3つになります。
・動名詞(INGの名詞的用法)
⇒ 動詞を変化させて「主語」「目的語」「補語」「前置詞とペア」でつかうよ~
*「前置詞とペア」は不定詞では前置詞が重なるのでルール上、ダメでしたが、INGはOKです!
・現在分詞(INGの形容詞的用法)
⇒ 動詞を変化させて「名詞の説明」「補語」でつかうよ~
*「補語」のパターンはいわゆる「(現在・過去)進行形」というやつです。
実はただ「動詞に進んでいるイメージを加えて、形容詞に変えただけ」だったんですね。
・分詞構文(INGの副詞的用法)
⇒ 動詞を変化させて「おまけ要素」でつかうよ~
*「形容詞・副詞の説明」はING形は基本的にできません。ここが不定詞と少し違うところ。
今回は「動詞の話」なのでそれぞれの文法についての詳しい説明は別のコラムにて行います。
今はだいたい動詞にどんなことができそうか、だけ知っておいてもらえると助かります。
英語は「イメージ」と「ルール」を知ることでよく理解できるシステムになっていますからね。
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