「名詞って何?」という質問に自信をもって答えられますか?
「人やモノの名前」
この答えは、もちろん正解です。
名詞は「人やモノの名前」を示す言葉のことです。
ですが!
「名詞を使う時のルールは知っている?」
と聞くと、カンペキに答えられる人はほとんどいません。
実は名詞に限らず、品詞ごとに使用ルールに対する理解度の低さが英語上達の壁になります。
英語の名詞を100%理解していますか?
英文法を理解するには名詞を代表として「品詞」はとても重要です。
しかし中学ではほとんど説明されないようです。
にもかかわらず、不定詞の「名詞用法」などがいきなりでてきます。
そもそも「名詞」がなにか分からないのに「名詞用法」は理解できるわけがないと思います。
その意味不明に見える「名詞用法」ですが、実はカンタンです。
不定詞を「名詞の使用ルールに合わせて使うね!」という意味しかないんです。
そうなると品詞とはその種類だけでなく「使用ルール」もあわせて覚えないとダメになるんです。
重要なのは名詞の使用ルール!
英語は「意味(イメージ)」と「文法(使用ルール)」の両方から理解する必要があります。
それでは、さっそく「名詞の使用ルール」の視点から深く見ていきましょう。
英語の名詞は4つのパターンでつかうことができます。
①「主語(S)」でつかう
This is a pen.
②「目的語(O)」でつかう
He plays the guitar.
③「補語(C)」でつかう
I am a boy.
④「前置詞とペア(おまけ)」でつかう
I give candy to you.
品詞ごとの使用ルールを知りたい方は「品詞の使い方 一覧 英文法 No.003」をごらんください。
しかし、こんなシンプルな話ですむなら、英文法で苦労はしていないはずです。
あまり知られていないのですが、超重要な品詞ルールがまだあるんです。
品詞ルールの本質は「逆もまた真なり」
さきほど、名詞だからこそ「主語 S」として使えるとお話ししました。
そして「主語 S」には「名詞」以外の品詞は使えないというルールがあります。
このことから導かれるある結論があります。
それは「主語の品詞は強制的に名詞扱い」ということなんです。
① 主語になっている言葉は ⇒ 「名詞」として扱う
② 目的語になっている言葉は ⇒ 「名詞」として扱う
③ 補語になっている言葉は ⇒ 「名詞」もしくは「形容詞」として扱う
④ 前置詞とペアになっている言葉は ⇒ 「名詞」として扱う
そもそもすべての英単語には「品詞」が設定されています。
これは辞書をしらべれば、すぐにわかってしまうことです。
では、なぜこんなことをいうかというとちゃんと理由があります。
それは「逆もまた真なり」の品詞ルールを知らないと、まったく歯が立たないケースがあるからです。
ING形 と 不定詞 は「逆もまた真なり」でマスターできる
ING形と不定詞では「逆もまた真なり」の品詞ルールは真価を発揮します。
ING形には3パターンの使い方が存在します。
「動名詞(名詞用法)」
「現在分詞(形容詞用法)」
「分詞構文(副詞用法)」
先に詳しく知りたい方は 動詞のING形の完ぺきに見分ける をどうぞ。
そして、不定詞にも3パターンの使い方が存在します。
「名詞用法」
「形容詞用法」
「副詞用法」
これらにはユニークな特徴があって、同じ形なのに「名詞」「形容詞」「副詞」になることができます。
ここで大きな問題となることがあります。
どのパターンもみんな同じ形なので見分けがつかない!ということなんです。
ですが「逆もまた真なり」の品詞ルールを使えば恐れるに足らず。
INGと不定詞の「名詞用法」を見破ってみましょう。
不定詞とING形、名詞用法の見分け方
「名詞用法」の見分け方はカンタンです。
名詞用法の言葉通り「名詞っぽく用いる」なので、名詞ルールを適用しているだけです。
つまり、ING形や不定詞が「主語」「目的語」「補語」「前置詞とペア」にあるというだけです。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
① 主語になっている言葉は ⇒ 「名詞」として扱う
Fishing here is dangerous.
(釣りをするのは ここで = 危ない)
To visit Rome is exciting.
(ローマを訪れることは = エキサイティングだ)
② 目的語になっている言葉は ⇒ 「名詞」として扱う
She likes playing with cats.
(彼女は すき 遊ぶことを ネコと)
I love to walk with my dog.
(私は 大好き 散歩をすること 犬と一緒に)
③ 補語になっている言葉は ⇒ 「名詞」もしくは「形容詞」として扱う
My favorite thing is laughing.
(私のお気にいりのことは = 笑うこと)
To love is to give.
(愛することは = 与えること)
補語は少し特殊で「状態」をあらわす言葉の場合は「形容詞」の可能性があります。
そこで文脈をみて「名詞」か「形容詞」かを判断する必要があります。
④ 前置詞とペアになっている言葉は ⇒ 「名詞」として扱う
I am afraid of going into the old house.
(私は = 恐れている 入っていくことを その古い家の中に)
*不定詞は「前置詞とペア」は前置詞が2つ連続で並ぶからダメ
本来は名詞しか入らないところでつかっているから、名詞として扱う。
ING形と不定詞の名詞用法とは、これ以上に説明しようがありません。
ほかの参考書などでいろいろ言われていても、この解説だけで十分対応できます。
名詞ルールは真なり、逆もまた真なり
それでは完全にエッセンスを引き出した「名詞ルール」をまとめてみます。
★ 名詞は主語になる ⇔ 主語だから名詞扱い
★ 名詞は目的語になる ⇔ 目的語だから名詞扱い
★ 名詞(もしくは形容詞)は補語になる ⇔ 補語だから名詞扱い(もしくは形容詞)
★ 名詞は前置詞とペアで使える ⇔ 前置詞とペアだから名詞扱い
英文法にもトリッキーなことはやはりあります。
しかし英語に慣れてくると「文の要素」と「品詞」を軸にした英文法が理解できます。
困った時ほど、基本にもどって「文の要素」と「品詞」を基準に考えれば、英語の答えは見えてくるものです。
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