日本人が英語を学ぶうえで大切なことはいろいろありますよね。
しかし一番重要なのは「英語が日本語とどう違っていて、その違いをどう乗り越えていくか?」ということです。
英文法は「例外」はとても少なく、シンプルで決まったスタイルのある言葉です。
暗記はやめて「なぜそうなるのか?」をシンプルに考えていきましょう。
日本語は「てにをは」と英語は「語順」
それでは日本語と英語の文の「基本の形」の違いについて説明しますね。
では、まずはじめにこの2つの日本語をみてください。
① 私は たまねぎを 切る。
② たまねぎを 私は 切る。
この2つの文章は違う意味になっているでしょうか?
ほぼ同じ意味になります。
では何が違うのかというと「語順」が違います。
しかし、語順が変わっても「私」という主語(主人公)は変わりません。
「たまねぎ」という目的語(行動の対象)も変わりません。

理由はカンタンです。
日本語は「てにをは」で言葉の役割(主語、目的語など)が決まるからです。
それでは、英語圏の日本語教育での「てにをは」の説明を紹介します。
「は、が」がつくと主語
日本語の助詞の「~は、~が」は Subject Maker「主語(主人公)をつくるもの」と呼ばれています。
簡単に言うと「は、が」がついた言葉が「主人公」ですよ~、ということです。

「に、を」がつくと目的語
日本語の助詞の「~に、~を」は Object Maker「目的語(行動の対象)をつくるもの」と呼ばれています。
これは「に、を」がついた言葉が「目的語」ですよ~、ということです。

日本語の超基本は「てにをは」
ご覧いただいたように日本語は「てにをは」が言葉の役割を決めます。
「てにをは」で言葉の役割が決まるので、語順はいいかげんでOKです。
ネイティブ日本語スピーカーは「てにをはマスター」ということですね。
英語は語順が超重要!
では英語はどうなっているでしょうか?
The cat likes the dog.
(そのネコは 好きです そのイヌを)
The dog likes the cat.
(そのイヌは 好きです そのネコを)

日本語とちがい「イヌ」と「ネコ」の語順を入れ替えると、主語と目的語が入れ替わります。
英語には「てにをは」がありません。
そのかわりに、語順で主語や目的語などを区別しています。
語順が決める SVOC!
英語には「文の要素 SVOC」といって語順の基本の形をつくるパーツがあります。
S: 主語(Subject)
V: 動詞(Verb)
O: 目的語(Object)
C: 補語(Complement)
SVOC のくわしい解説は「文の要素と品詞は英語の絶対ルール」で行います。
とりあえず、4つの基本パーツがあるんやね!とだけ理解してください。
そして英語は「文の要素 SVOC」を組み合わせた文章の基本パターンが5つあります。
つまりこの5パターン(5文型)を覚えてしまえば「てにをは」の代わりになるんです。
英語の超基本は「語順」
「主語(S) 動詞(V) 目的語(O)」のように「語順」によって言葉の役割を決めています。
「語順」で言葉の役割が決まるので単語が並んでいるだけでOKです。
ネイティブ英語スピーカーは「語順マスター」です。
英語初心者には、英単語がただ並んでいるように見えます。
しかし、その語順そのものが「てにをは」の代わりをしているのをお忘れなく!!
日本語は SOV ではない!
ときどき日本語は「SOVの語順」という説明を見ますが、これは間違いです!
英語でも「SVOC」という記号があるので、日本語にも当てはめてみましょう。
S ( subject ) ⇒ 主語(文の主人公)
V ( verb ) ⇒ 動詞(主人公の行動)
O ( object ) ⇒ 目的語(行動の対象)
SOV パターン
私は すしを たべる。
OSV パターン
すしを 私は たべる。
日本語は「SOV」でも「OSV」でも通じますよね?
日本語が「語順」ではなく「てにをは」で言葉の役割を決めているからです。
語順がわかれば、英語がわかる
英語は「語順マスター」になれば上達します。
しかし英語が伸び悩んでいる人ほど、英単語を無理やり「てにをは」でごまかしている人が多いです。
語順こそが英語を理解する基本です。
次回は英語の絶対ルールである「文の要素 SVOC」と「品詞」について、さらに詳しく解説します。
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