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英語の月の名の由来は古代ローマの歴史と神話からわかる

2018年度のカレンダーを生徒さんたちから頂きました。壁掛けも卓上もそれぞれかわいい感じです。ありがとうございます。

 

カレンダーは英語で「暦」という意味で、私たちが何気なく使っているカレンダーの成り立ちを詳しく調べてみると、人類の歴史がわかるといっても大げさでもなんでもありません。

 

 

 

そもそも暦というものは、季節の変わり目を正確に把握するために太陽や月をはじめとする天体の動きを観察して作られました。

 

その目的は主に農耕を効率よく行うためで、種まきや収穫の時期を正確に知ることが、共同体の繁栄へとつながってきました。

 

それゆえ天体運行の知識を持つものが共同体の命運を握ることになり、その知識を持って暦を作るものが支配者とされるようになっていきます。

 

 

ちなみにローマのカエサルも自分の暦を作っていますし、織田信長も尾張地方で使われていた暦を朝廷でも使うように圧力をかけています。

 

 

古代ローマの暦

 

 

もともと古代ローマでは1年を太陽の動きで定め、1か月を月の動きで定めた太陰太陽暦(luni-solar calendar)であるロムルス暦(Roman Calendar)がつかわれていました。

 

実は、このロムルス暦には現在の1月(January)と2月(February)が入っていませんでした。

 

 

その理由は農閑期だからです。暦はそもそも種まきと収穫の時期を数えていくものなので冬の時期の暦は不要だったのです。

 

そこでローマ国王ヌマ・ポンぺリウスにより初めて1月と2月がつくられます。

 

ただ、この時点では1月と2月は、それぞれ11月と12月の扱いでした。

 

 

 

しかしロムルス暦は暦そのものとしてズレを多く生んでいたので、閏月(うるうづき intercalary month)を追加する必要がありました。

 

 

現在につながる暦

 

 

その後、ユリウス・カエサル(Julius Caesar)が太陽暦を基準として January を最初の月と決め、1月1日を年初としたユリウス暦(Julian Calendar)を導入します。

 

そして現在世界のほとんどの国ではユリウス暦の精度をさらに高めたグレゴリオ暦(Gregorian Calendar)をもとに使っています。これは暦の改定を命じた教皇グレゴリウス13世(Pope Gregory XIII)にちなみます。

 

 

日本はというと古来、中国の暦を参考にした、ロムルス暦と同じ仕組みである太陰太陽暦をつかっていましたが、明治になって太陽暦(solar calendar)であるグレゴリオ暦を取り入れています。

 

 

ちなみに今でもイスラム圏は太陰暦を使っているので、毎年ラマダンの時期がずれてくるようですね。

 

 

英語の月の語源

 

 

英語の月の名前って英語っぽくなくて覚えるのに苦労しますよね。

 

それはラテン語だからなので仕方ありません。

 

 

というわけで英語の月の語源を見ていきましょう。

 

英語で調べていると、日本語よりもはるかに多くの情報がでてくるので、諸説載せています。

 

 

 

 

January / 扉の月

 

「扉」は、何かへの始まりを意味します。

 

また扉を launa と呼んだそうです。

 

当初「時間と境界の神ヤーヌスの月」にちなむと考えられてきたようですが、1月の守護神は「ユーノ Juno」であるという記述が見つかっているそうです。

 

 

February / 浄化の月

 

浄化の儀式が太陰暦の2月15日、つまり満月の日に行われていたことにちなむそうです。

 

 

March / 軍神マルスの月

 

「マルス Mars」は農耕の守り神でもあり、ローマ人の祖先ともされている神です。

 

3月から種まきをするわけですし、もともと一年の最初の月として名前を冠するにふさわしい神ですね。

 

 

April / 諸説あり

 

ギリシャ語の「開く」という意味で、花が咲く季節という説。

 

ローマ神話の美の女神ビーナスは、ギリシャ神話での名前をアフロディーテと言い、その名にちなむという説など諸説あります。

 

 

 

May / 諸説あり

 

豊穣の女神「マイア Maia」にちなむという説、そして「年上の者 elders」という意味にちなむという説があります。

 

 

June / 諸説あり

 

結婚の女神である「ユーノ Juno」にちなむという説と、「若者 young people」という意味にちなむという説があります。

 

January の守護神が Juno ならば、ここは「若い」という意味になるような感じもしますね。

 

であれば「年上の者」の後に来る月が「若者」であってもいいですね。

 

また「June Bride 六月の花嫁」と言いいますが、ローマでは結婚に向いている時は「五月中ごろ~六月中ごろ」という話もあるようです。

 

 

 

July / ユリウス・カエサルの誕生月

 

もともと「Quintilis 5番目の月」でしたが「ユリウス・カエサル Julius Caesar」にちなんで変更。

 

 

August / アウグストゥスの月

 

 

もともと「Sextilis 6番目の月」でしたが、アウグストゥスにちなんで変更。

 

8月を選んだ理由としてはアウグストゥスの遠征が成功した時期には8月が多かったからのようです。

 

ちなみに august は形容詞で「尊厳ある」という意味があります。

 

 

September / 7番目の月

 

もともと7番目でしたが、1月と2月が入ったことで後ろに2つずれてしまいます。

 

 

October / 8番目の月

 

「octo」は8を意味するラテン語です。タコは octopus ですからね。

 

 

November / 9番目の月

 

 

「novem」はラテン語で9を意味する言葉です。

 

 

December / 10番目の月

 

「dec」は10を意味する言葉です。「decade 10年」「deciliter デシリットル」などがあります。

 

 

 

 

ローマ皇帝は月に自分の名前をつける

 

 

よく巷では July と August はカエサルとアウグストゥスが無理やり入れ込んだので、月が後ろに2つずれているといわれているようですが、これは間違いです。

 

 

ローマの歴史をみれば、自分の名前を月の名前にした皇帝は何人もいます。

 

有名なところではネロ、カリギュラ、コンモドゥスなど暴君として知られている皇帝たちです。

 

 

ちなみにヘラクレスの化身のごとく自らがグラディエーターとしてコロッセオで戦ったコンモドゥスは全ての月に長々と改名した自分の名前をつけています。

 

 

「Amazonius」「Invictus」「Felix」「Pius」「Lucius」「Aelius」「Aurelius」「Commodus」「Augustus」「Herculeus」「Romanus」「Exsuperatorius」

 

 

この長々しい名前をもつコンモドゥスは五賢帝と呼ばれる最後のローマ皇帝のマルクス・アウレリウス・アントニヌスの後継者です。

 

 

五賢帝時代はローマ皇帝は後継者を血統ではなく、有能な者を養子にして次の皇帝を決定するようにしていましたが、マルクス・アウレリウス・アントニヌスはそんな慣例を破り実子のコンモドゥスを後継者にします。

 

それにより五賢帝の時代が終りを告げることになります。

 

 

さてそんな暴君の名のついた月は彼らの死後、元に戻されています。

 

ということはカエサルやアウグストゥスはローマの偉大なる指導者として後世に認められる人物だったといえるでしょうね。